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第6話

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 今日リックと出会えてよかったと、私は想っていた。
 同じ気持ちだったリックは、私に提案する。

「これからカルラは、冒険者にならないか?」

「……えっ?」

「ドグニテ国ならカルラの活躍をギルドマスターが知っているし、俺が推薦すれば同ランクの冒険者として登録できる。明日の朝に登録すれば、昼には国から出られるはずだ」

 リックはドグニテ国で一番活躍している冒険者だから、優遇されているようだ。
 私を同ランクの冒険者としてすぐに登録できるから、するべきだと話してくれる。

 今までは国から出て行くことしか考えていなかったけど、私としても冒険者になりたい。
 決意するとリックの話が続き、私は更に驚くこととなる。

「もしカルラが冒険者になるのなら――これからは、俺と一緒に行動して欲しい」

「それは嬉しいですけど……冒険者になったばかりの私で、いいんですか?」

「カルラの実力はわかっているし、何も問題はない」

 私としても、これからリックと一緒にいられるのなら嬉しい。
 リックには考えがあって、これからのことを話してくれる。

「俺は隣国で依頼を受けながら、ドグニテ国で魅了魔法を使っている者を調べるつもりだ」

「人々を魔法で操り従えている人は、危険ですものね」

「それもあるが……俺としては真相を明らかにして、ザノーク達を糾弾したい」

 リックとしては、私を従えようとしたザノーク達が許せないようだ。
 魅了魔法を使う人を探して自白させれば、協力者の王家も世界から糾弾される。
 私も奴隷の首輪を着けようとしてきたザノークや国王、王子達や貴族達が許せなかった。

「ザノーク達に復讐したいと、私も思っていました」
 
 リックの提案に賛同して――これから私は、冒険者になろうとしていた。
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