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第13話

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ザノーク視点

 部屋にいるミーファは冷静で、恐怖した俺は取り乱して叫ぶ。

「ミーファよ、カルラがいない状況なのにどうして冷静でいられる!?」

「今起きている問題は、私の力で対処できます。魅了魔法の存在を知られてしまう可能性が高かったので、カルラだけは消しておきたかったのです」

 そう言われて俺は、ミーファの魅了魔法について思い返す。

 ミーファの魅了魔法によって、他国の貴族達も魅了されて俺達に協力的だ。
 国王と宰相がミーファと話し合って魅了する人間を決めているらしく、ドグニテ国は繁栄している。

 現状の脅威はカルラだけのようで、ミーファは話を続ける。

「ザノーク殿下が従えたい人も、私の魅了魔法で従えています――私の力があれば、何も気にすることはありません」

「そ、それは……そうだな」

 ミーファの発言を聞いて、俺は何も言い返すことができない。
 魅了魔法の力が凄いことは知っているから、ミーファは必要だ。

 俺にとって邪魔な人間はミーファが魅了魔法を使うことで、間接的に従わせている。
 魅了魔法の恩恵を受けている以上、俺はミーファに従うしかなかった。
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