魅了魔法を使っていると疑われた私は、国から出て行くことにしました

第１９話

　ギルドマスターは、ドグニテ国に何が起きているのかを順に話していく。
　
　真っ先に私の捜索を依頼したようだけど、冒険者ギルドは教えていない。
　そしてドグニテ国では騒動になったようで、ここまでは推測できていた。

「魔物による被害は大きく、今まで冒険者ギルドに依頼していなかったから……戦力的に、依頼を受けることはできなかった」

　報酬を高くしても、受ける冒険者は他国からやって来るようだ。
　その間は被害を受け続けることになるはずだけど、ドグニテ国は私が予想していなかった行動をとる。

「最初は多額の報酬を出そうとしていたドグニテ国だが、すぐに依頼を止めていた」

「……えっ？」

「数日後に、ドグニテ国は自国の戦力だけで魔物の被害を対処したようだ」

　ギルドマスターの報告を聞くけど、私としては信じられない。
　ドグニテ国は他国より魔物が強くて、戦力的に不可能のはず。
　そんなことを考えていると、リックが尋ねる。

「その理由を調査した結果、魅了魔法の力だと判明したということか」

「そうなる。魅了魔法が持つ真の力……それを使い、強力な魔物を対処したようだ」

　冒険者ギルドは調査したことで、魅了魔法が持つ真の力を知ることができたらしい。