失踪していた姉が財産目当てで戻ってきました。それなら私は家を出ます

天宮有

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第10話

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ヴァン視点

 俺達はウォルク家の屋敷で暮らしていたが、気になることもある。

 職人達があまり来なくなったのは、話をしても無意味だと理解したからだろう。

 居間でエイダと2人でいる時に、俺は尋ねることにした。

「エイダ。聖水化の魔法道具は完成しているから、サフィラが消えても問題ないと言ってなかったか?」

 魔法道具は作る過程が一番大変で、完成したから問題があまり起こらないとエイダから聞いていた。

 その発言を信じて、サフィラを屋敷から追い出したが……焦りを覚えてしまう。

 そんな俺に対して、エイダが余裕そうに話す。

「確認しましたけど、聖水化の魔法道具かなり特殊な作りをしていました。技術を持っていけない私は何もできません」

「なっっ……それは、大丈夫なのか!?」

「ヴァン様は心配性ですね。お父様とサフィラが作ったものでも、魔法道具の知識を持つ職人達がいますし、私達は知っている人に任せればよいのです」

「そ、そうか……そうだな!」

 話と違うが、今の俺はエイダの財産を苦労せず使っているようなものだ。

 言い合うべきではないと判断して、この場では納得した結果――俺達は、徐々に追い詰められることとなっていた。
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