愛することをやめた令嬢は、他国へ行くことにしました

第３６話

　ラーグ国は大変だから、バディア国のギルドマスターに変わった。
　理由を聞いて納得していると、ギルドマスターが話を続ける。

「魔物が狂暴化している原因は、バディア国にある可能性が高い」

「……えっ？」

　ギルドマスターの発言で、私は困惑していた。
　どうやら私が他国に行った半年間で、バディア国は問題が発生しているようだ。

「どういうことだ？」

「魔物が住む世界、異界に干渉する禁魔法が存在して……バディア国で使用されている可能性が高い」

　禁魔法というのは、世界規模で禁止されている危険な魔法だ。

　魔物を狂暴化させる禁魔法というのが、存在しているらしい。
　冒険者ギルドは、魔物が急激に増えて狂暴化した理由を調べている。
　その結果バディア国が怪しいようで、私はギルドマスターの発言に更に驚いてしまう。

「冒険者ギルドが城を詳しく調査しようとしたら、バディア王が冒険者ギルドを排除してきた……今のバディア国には、冒険者ギルドが存在しない」

　そして大惨事になっているようだけど、自業自得だと思うしかない。　
　どうやら半年の間で、バディア国はかなり愚かなことをしているようだ。