愛することをやめた令嬢は、他国へ行くことにしました

第５４話

　冒険者の人達が、元家族を追い出してくれた。
　私は気になったことがあって、レインに尋ねる。

「レイン……人を操る魔法は、禁魔法ですよね」

　強力すぎて禁止されている魔法で、人を操る力があることは知っている。
　バディア国の城にいる人達は、リザの禁魔法で操られているのかもしれない。

「そうだ。リザが禁魔法を使えるのなら、全ての元凶はリザなのかもしれない」

「確かに……リザの可能性が高そうです」

　レインの発言に頷き、私はこれからのことを考えて呟く。

「もう明日か明後日には、バディア国の城に突入することになっていますよね」

「ああ。リーゼは移動魔法を使って城に侵入した時に、特にリザを警戒するべきだろう」

　元家族の発言だと、元姉リザが禁魔法を使えるようになっているらしい。
　何が起きたのかはわからないけれど、リザの実力は知っているから危険だ。
　
　話し合って、私はリザを倒すことを決意する。
　その頃――ダーロス達はラーグ国にやって来て、私を従わせるための準備をしていた。