私の魔力を全て奪って婚約破棄するようですが、奪えるのは1週間だけです

天宮有

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第32話

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 私はアインや冒険者の人達と一緒に戦って数十分が経ち、魔物の群れを対処することに成功した。

 アインが私の元に戻って来て、心配しながら尋ねる。

「セリスには長時間の魔法使用は早いかと思いましたけど、何も問題なさそうでよかった」

 そう安堵しながら呟くアインに、私は尋ねる。

「はい。それにしても……魔物の群れは、一切退こうとしませんでしたね」

 始めて魔物の群れと戦うことになったけど、一番脅威だと思ったことを話す。

 負傷しても逃げる選択をとらず、全力で街に向かって迫ろうとしていた。

 アインを筆頭に優秀な前衛の冒険者がいたから被害は出ていないけど……他の場所は大丈夫なのだろうか?

「帰る場所がありませんから、魔物達も必死のようです」

 何もない空間からやって来て、帰ることができない。
 それなら新たに住める場所を探すしかなくて……脅威だと思うしかない。

 かなり離れた場所で魔法を使っていた私達は無事だけど、前衛職の人達は怪我をしている人もいる。

 そんな冒険者の人達を見て――私は回復魔法を使いたいと思い、動こうとしていた。
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