私を追い出した後に後悔しても知りません

天宮有

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第1話

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「結婚したばかりのマイラに仕事を押しつけて、夫のラドスは他国へ旅行か。信じられないな」

「そうですね……恐らく、ファゾラお姉様も一緒です」

「ラドスは妻のマイラではなく、マイラの姉ファゾラを旅行に同行させているのも信じられん」

 城の応接室で、私マイラは対面しているアルベール第三王子の発言に頷く。
 結婚してから1カ月が経ち、私の夫ラドスは結婚してすぐ他国へ旅行に行ったからだ。

 結婚する前――伯爵家の次女だった私は、2つ年上のラドス・リアースと婚約が決まる。
 婚約者と会う機会は年に数回しかなかったけど、私が16歳になると結婚の手続きが終わっていたようだ。

 結婚式もしていないのに、私は家族に命令されて侯爵家の屋敷に暮らすこととなる。
 そして夫らしいことは何もせず、ラドスは仕事を押しつけて旅行に行ってしまった。

 それは1カ月前の出来事で、私は言われた通り休まずリアース侯爵家の代表として働いている。
 執事長の指示通りに行動していたけど、私は成果を出せていた。

 今日は城で取引があり、応接室に来てくれたアルベール第三王子と謁見している。
 アルベール王子は長い赤髪の美少年で、年齢は私と同じ16歳だ。

 今日は私が取引する魔法道具に興味を持ち、会って話したいと聞いている。
 談笑しながら、今は私の現状について気になっているようだ。

「マイラのドラリザ伯爵家は魔法道具店があると聞いているが、ここまで性能がいい魔法道具を作れるのに有名ではない理由がわからないな」

「それは……今まで私のアイデアを、店主であるお父様に止められていたからです」

 この1ヶ月は誰も止められていないから、自由に魔法道具を改良して提供できている。
 今までそれができなかったのは、店主の父が私の行動を非難したからだ。

 私の父は自身の作る魔法道具が正しいと考え、私の意見を聞こうとしない。
 今まで言われた通りの作業しかできなくて、退屈な日々を送っていた。
 そのことを話すと、アルベールは呆れた様子で言う。

「ドラリザ伯爵は、娘の方が優秀と認めたくなかったのだろうか……今は家族に止められないから、自由にできているということか」

「はい。成果を出せていますし、戻ってきたラドス様も納得するでしょう」

「そうだな……何か問題が発生した場合は、城に来て欲しい。私が力になると約束しよう」

「わかりました。ありがとうございます」

 アルベール王子に私の魔法道具が評価されて、力になることを約束してくれる。
 リアース侯爵家のために貢献できたと、この時の私は確信していた。

 結婚してから1カ月の間に私が作ったり加工した魔法道具は好評だから、侯爵家の妻として相応しいはずだ。
 それは間違いないのに――旅行から戻って気た夫ラドスから、私は離婚を言い渡されることになる。
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