私を追い出した後に後悔しても知りません

天宮有

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第6話

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 私がアルベールの提案を聞いてから、1ヶ月が経っていた。

 城内で暮らすことができて、私は平民の魔法道具職人ということになっている。
 私の存在は公表されず、常に魔法道具の改良や作成をすることにしていた。

 城では他にも複数の優秀な魔法道具職人がいて、仲良くなっている。
 アルベール王子が勧誘してきた人と聞き、私の魔法道具に興味があるようだ。

「マイラが提案した魔法道具の改良は素晴らしい。どうして今まで知られていないのでしょうか?」

「父に否定されていました。今は勘当されましたが、アルベール様の提案で働くことができています」

「なるほど……勘当は理解できませんね。実物を見ていれば、傍に置いていたのは間違いありません」

 城で働く魔法道具職人のジークの発言に、私は頷く。
 今日の作業が終わり工房で話していると、アルベール王子がやって来た。

「今はジークしかいないから、話しても構わないだろうか?」

「そうですね。私の元家族に知られることはないでしょう」

 ジークは私の作る魔法道具に興味があったようで、よく話をしている。
 元家族のことを話したくなり、アルベールが説明してくれた。

 私について知ったジークは、納得した様子で話す。

「ここ最近リアース侯爵家との取引をやめたのは、そういうことですか」

「そうなる。マイラより優秀と言っていたファゾラの魔法道具は不出来で、不要な物だった」

 私が離婚する前に用意した魔法道具は評価されていたけど、離婚した後のファゾラは評判が悪いようだ。

 それなのにファゾラは最初「マイラよりも優れている」と断言したから、失望されているらしい。
 今ではドラリザ伯爵家の魔法道具店も評判が落ちていると聞き、どうやら従業員が辞めているようだ。

 アルベールからこの1ヶ月で起きた出来事を聞き、気になることがあり尋ねる。

「ファゾラの評判が悪いのは自業自得ですが、魔法道具店の従業員が辞めているのはどうしてでしょうか?」

「それはマイラの用意した魔法道具が優れていたのに、ドラリザ伯爵家がマイラの功績と信じなかったせいだ」

 そう言って、アルベールがドラリザ伯爵家出起きている問題について話してくれる。
 私が改良や作成した魔法道具の評判がよくて、話題になっていたようだ。

 先月から私がいなくなり、ファゾラが私より優秀と言い期待されている。
 大量に仕事の依頼が入ってきたようで、元父は私と同じことができると確信して引き受けたようだ。

 実際には上手くいかず、従業員に八つ当たりをしたらしい。
 それで辞める人が増えて大変なようだけど、全て自業自得でしかなかった。

 アルベールから話を聞き、私は元家族に呆れている。
 私より優秀と思い込んでいたようだけど、同じことすらできなかったようだ。

「私の成果だと認めなかったから、元家族は大変そうですね」

「こうなることは予測できていた。ラドスはマイラを捜索しているようだが、ここにいるとは思わないだろう」

「知られたとしても、勘当しているのですから戻る気はありません」

 もし元家族が城に来たとしても、無関係だから追い払えばいい。
 ファゾラと再婚した元夫ラドスは大変そうだけど、私には関係ないことだ。
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