上 下
30 / 37

第30話

しおりを挟む
 ロアルズ国で異変が起きてから、5ヶ月が経っていた。

 未だにロアルズ国では、サレアの魔法道具による異変で被害が出ている。
 私は自室で、今までの出来事を思案して呟く。

「私の魔法なら問題なく対処できそうですが、ゼノラス殿下とサレア様の目論み通りに動くわけにはいきません」

 もう私の知っている未来とは、かなり変わっている。
 それでもゼノラスは諦めていなさそうだから、レオンの言った通りに行動しよう。

 私はレオンから話を聞いて、これから起こる出来事を思い返して呟く。

「明日のパーティで、レオン様は全てが終わると言っていました」

 ゼノラスとサレアが予測した通りに動くかだけど、今までレオンは2人の行動を予測できていた。
 未来での行動を知っているから、レオンなら動きが把握できるようだ。

「明日ゼノラス殿下は後悔して……私に許して欲しいと言ったとしても、許す気はありません」

 時間を戻す前の発言を、私は思い出す。
 未来のゼノラスは私を処刑する気だったから、何を言われても助けようとは思わない。

 そして――翌日になって、全てが終わろうとしていた。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

婚約者は迷いの森に私を捨てました

恋愛 / 完結 24h.ポイント:28pt お気に入り:798

あなたが嫌になったので、離縁することにします

恋愛 / 完結 24h.ポイント:49pt お気に入り:984

好きでした、婚約破棄を受け入れます

恋愛 / 完結 24h.ポイント:262pt お気に入り:2,240

婚約破棄を受け入れたのは、この日の為に準備していたからです

恋愛 / 完結 24h.ポイント:227pt お気に入り:4,214

孤島送りになった聖女は、新生活を楽しみます

恋愛 / 完結 24h.ポイント:14pt お気に入り:880

無能だと言われ続けた聖女は、自らを封印することにしました

恋愛 / 完結 24h.ポイント:390pt お気に入り:6,912

処理中です...