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第2話
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迷いの森で1人になった私は、数時間ぐらい歩いたけど外に出られる気がしなかった。
早朝にダウロス達と来てから歩き続けて……もう少しすると、日が暮れてしまう。
目印をつけて歩いていたけど、いつの間にかその目印の場所に来てしまったようだ。
同じ景色ばかりだから、どこを歩いているのかもわからなくなるようで……夜になった時のことを想像すると、私は恐怖するしかない。
「……このままだと、私は助かりません」
動物にも会えず食料もなくて、水魔法は使えない。
木を背もたれにして私は動かず茫然とするようになり、今までの行動を後悔していた。
「無属性魔法、特に強化魔法に秀でていたからダウロスとクラリィをずっと強化していたのに……全て、ミテラの功績にされてしまいましたか」
伯爵令嬢のミテラは私と立場が同じだけど、ダウロスにはよく話しかけられていた。
小柄な私と違い大人びたミテラの方がダウロスは好みだったみたいだけど、私を消してまで婚約者を変えたいとは思っていなかった。
「……許せない」
今まで人を憎んだことはなかったのに、ダウロスとクラリィのせいだ。
両手を力強く握りしめ、私は立ち上がろうとする。
必ず後悔させる。そのためには森を出る必要があった。
そんな時――私の前に、1人の美少年が現れる。
同じクラスだけど話したことはあまりない、公爵令息のリオンだった。
「リオン様!?」
「時間がかかってしまったが、見つけることができてよかった」
幻覚かと思ってしまうけど、声を聞いてリオン本人と私は確信する。
短い青髪で長身のリオンは、私を眺めて安堵していた。
クラスでは凛としてあまり人と関わっていないリオンの反応とは思えず、私は困惑もしてしまう。
「歩き続けて疲れているだろう。ひとまず俺の屋敷に来て欲しい」
「わっ、わかりました……ありがとうございます」
起き上がれないと思ったようで、リオンは両腕で私を抱えてくれる。
その行動に驚きながらも……助かったことに安心して、私はリオンに聞くことにしていた。
「あの、リオン様はどうしてここにいるのですか?」
「先月頃からダウロスはルカの悪評を広めていた……俺はそれが気になり、調べていた」
そして迷いの森で使う位置がわかる魔法道具を、ダウロスが複数購入していたことを知ったらしい。
最悪の事態を想像したリオンは、学園が休日の時は私とダウロスを監視していたようだ。
「リオン様は、そこまでしてくださったのですね」
「ダウロスはルカの強化魔法で強くなっているのに、自分の力だと信じ切りミテラと仲がよかった……ルカを失いたくないから探していたが、見つけることができてなによりだ」
リオンは学園でも魔法で強化されているダウロスより優秀だから、私の強化魔法と知っていたようだ。
運ばれながら、私は思わず言ってしまう。
「これから、ダウロスを後悔させることができそうです……リオン様、助けてくださりありがとうございます」
「気にしないでくれ。後悔させるのなら、俺にも協力させて欲しい」
伯爵令嬢が侯爵家を許せないと言っても、リオンは気にせず協力すると言ってくれる。
私はリオンに助けられて、迷いの森から出ることができた。
そして私は――ダウロスを後悔させるため、動こうとしていた。
早朝にダウロス達と来てから歩き続けて……もう少しすると、日が暮れてしまう。
目印をつけて歩いていたけど、いつの間にかその目印の場所に来てしまったようだ。
同じ景色ばかりだから、どこを歩いているのかもわからなくなるようで……夜になった時のことを想像すると、私は恐怖するしかない。
「……このままだと、私は助かりません」
動物にも会えず食料もなくて、水魔法は使えない。
木を背もたれにして私は動かず茫然とするようになり、今までの行動を後悔していた。
「無属性魔法、特に強化魔法に秀でていたからダウロスとクラリィをずっと強化していたのに……全て、ミテラの功績にされてしまいましたか」
伯爵令嬢のミテラは私と立場が同じだけど、ダウロスにはよく話しかけられていた。
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「……許せない」
今まで人を憎んだことはなかったのに、ダウロスとクラリィのせいだ。
両手を力強く握りしめ、私は立ち上がろうとする。
必ず後悔させる。そのためには森を出る必要があった。
そんな時――私の前に、1人の美少年が現れる。
同じクラスだけど話したことはあまりない、公爵令息のリオンだった。
「リオン様!?」
「時間がかかってしまったが、見つけることができてよかった」
幻覚かと思ってしまうけど、声を聞いてリオン本人と私は確信する。
短い青髪で長身のリオンは、私を眺めて安堵していた。
クラスでは凛としてあまり人と関わっていないリオンの反応とは思えず、私は困惑もしてしまう。
「歩き続けて疲れているだろう。ひとまず俺の屋敷に来て欲しい」
「わっ、わかりました……ありがとうございます」
起き上がれないと思ったようで、リオンは両腕で私を抱えてくれる。
その行動に驚きながらも……助かったことに安心して、私はリオンに聞くことにしていた。
「あの、リオン様はどうしてここにいるのですか?」
「先月頃からダウロスはルカの悪評を広めていた……俺はそれが気になり、調べていた」
そして迷いの森で使う位置がわかる魔法道具を、ダウロスが複数購入していたことを知ったらしい。
最悪の事態を想像したリオンは、学園が休日の時は私とダウロスを監視していたようだ。
「リオン様は、そこまでしてくださったのですね」
「ダウロスはルカの強化魔法で強くなっているのに、自分の力だと信じ切りミテラと仲がよかった……ルカを失いたくないから探していたが、見つけることができてなによりだ」
リオンは学園でも魔法で強化されているダウロスより優秀だから、私の強化魔法と知っていたようだ。
運ばれながら、私は思わず言ってしまう。
「これから、ダウロスを後悔させることができそうです……リオン様、助けてくださりありがとうございます」
「気にしないでくれ。後悔させるのなら、俺にも協力させて欲しい」
伯爵令嬢が侯爵家を許せないと言っても、リオンは気にせず協力すると言ってくれる。
私はリオンに助けられて、迷いの森から出ることができた。
そして私は――ダウロスを後悔させるため、動こうとしていた。
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