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再会
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小学生になった湊人は、蓮と同じクラスになった。
そこで出会ったのは、前世で自分を散々いじめた、いじめっ子リーダー中田桃華だった。
桃華は見た目はかわいいので、男子からモテていた。
「中田って可愛いな?」
蓮が言う。
「蓮は、あんな子が好きなの? あいつだけはやめといた方がいいよ」
「湊人、中田と知り合い? 幼稚園違うのに」
湊人はハッとした。前世の記憶を持っているのは、おそらく自分だけだ。まだ桃華は何もしていない。これからする可能性はあるけど。
クラスメイトは前世と全く同じだが、だからと言って同じ事が起きるとは限らない。
前世と性別が変わって生まれた自分のように、運命を変える事もありえる。
そもそも、男として生きている今世では、桃華にいじめられる可能性は低いだろう。
「湊人?」
考え事をしていて、蓮の呼ぶ声に気付きかなかった。
「あ、ごめん。えっと、中田さんの事だよね? 知り合いじゃないけど…。なんとなく…」
「なんとなくでそんな事言ったらダメだよ」
「う、うん」
湊人は冷や汗をかいた。
ふと、蓮が自分をジッと見つめているのに気づいた。
「蓮?」
「湊人…」
蓮は手を伸ばして、湊人の髪の毛を何度か指で撫で下ろした。
「な、なに?」
湊人は顔を赤くした。
「なんかゴミみたいのが付いてる気がしたんだけど…」
「そ、そっか」
蓮がたまに、自分の髪を撫でてくる謎の行動は、その後もしばらく続いた。
そこで出会ったのは、前世で自分を散々いじめた、いじめっ子リーダー中田桃華だった。
桃華は見た目はかわいいので、男子からモテていた。
「中田って可愛いな?」
蓮が言う。
「蓮は、あんな子が好きなの? あいつだけはやめといた方がいいよ」
「湊人、中田と知り合い? 幼稚園違うのに」
湊人はハッとした。前世の記憶を持っているのは、おそらく自分だけだ。まだ桃華は何もしていない。これからする可能性はあるけど。
クラスメイトは前世と全く同じだが、だからと言って同じ事が起きるとは限らない。
前世と性別が変わって生まれた自分のように、運命を変える事もありえる。
そもそも、男として生きている今世では、桃華にいじめられる可能性は低いだろう。
「湊人?」
考え事をしていて、蓮の呼ぶ声に気付きかなかった。
「あ、ごめん。えっと、中田さんの事だよね? 知り合いじゃないけど…。なんとなく…」
「なんとなくでそんな事言ったらダメだよ」
「う、うん」
湊人は冷や汗をかいた。
ふと、蓮が自分をジッと見つめているのに気づいた。
「蓮?」
「湊人…」
蓮は手を伸ばして、湊人の髪の毛を何度か指で撫で下ろした。
「な、なに?」
湊人は顔を赤くした。
「なんかゴミみたいのが付いてる気がしたんだけど…」
「そ、そっか」
蓮がたまに、自分の髪を撫でてくる謎の行動は、その後もしばらく続いた。
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