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第四章
来てやったぞ
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コーバスとエミーが帰り、屋敷前の領民達もいなくなり、ユリウスは一人林へと出かけた。
本当はルカを連れて行こうと思ったが、ルカはポポが見つからないからさがしたいと屋敷に残った。さきほどのエミーのこともある。ルカがエミーに何かしたとは思わないが、何があったのか聞き出す必要はある。話しがてら林の散策をと思ったが、仕方ない。
夏を迎えようとしている林には残雪はなく、少々きつすぎるくらいの陽光が降り注いでいる。緑は青々と茂り、枯れ葉の下でかさこそと蠢く虫たちの息吹がする。
ユリウスは真っ直ぐ国境線となる川へ向かって歩いた。歩き慣れた林だ。迷うことなく川べりへと出た。
「ベイエル伯。お帰りなさいませ」
ユリウスの姿に、どこからともなくモント騎士団員たちが集まってきた。国境線の見張りについている者達だ。
「どうだ? 動きはないか?」
「はっ。朝に斥候兵と思われる者を数人見かけましたが、それ以外は異常はありません」
答えたのは第三師団長のクライド・サリスだった。白い頬を上気させ、前のめりな勢いが若々しい印象だ。サリス家はコーバスのフルン家と同じ男爵家だ。コーバスは、エミーの嫁ぎ先にと密かにクライドに目をつけている。実直でサリス家の跡取りで、自分の部下だ。エミーを目の届くところに嫁がせたいと願っているコーバスにとって、申し分ないエミーの嫁ぎ先だ。
それでもすぐに話を進めようとしないのは、まだエミーを手元に置いておきたいというコーバスの願いからだ。
「ですが……」
クライドは迷いながらも口を開いた。
「林で妙な連中と出会いました。みな頭に布を被り、林をうろついておりました。誰何したのですが、逃げられ、すぐに後は追ったのですが途中で見失い……。申し訳ございません。ルーキング国の者ではないとは思うのですが」
「ああ」
ユリウスには思い当たる節がある。
「そいつらは俺が雇った。林の植林や整備をやらそうと思ってな。領民達だけでは手の足りない、林の奥の方を手入れさせるつもりだ」
黒い髪を布で隠したディックやフォリスたち希少種だろう。ユリウスの誘いに応じて早速やって来たようだ。もし見かけたらユリウスの屋敷に来るよう言ってくれとクライドに言い置いた。
来るならひと月後だとディック達には言ったが、予定より早く着いてしまったのだろう。それで早速林を見回っていて、クライド達に引っかかった。そんなところだ。
ユリウスはクライド達と別れ、川ベリを歩いた。確かにコーバスの言う通り、水量が多い。もともと春から夏にかけて水量は増すのだが、今年は特に多い。いつもは歩ける場所も水が流れている。
ユリウスは北東方向のハーグ山脈の山並みを見上げた。モント領内には、山脈から流れ出した川が国境線のこの川以外にもいくつか流れており、王都のように水不足に悩むことはない。むしろ長雨が続いたあとなど、大量の水が流れ込み、畑がやられることがあるくらいだ。
あるところにはあるが、欲しいところにはない。
全て山からの恩恵で、人の差配が及ぶことではないとはいえ、複雑だ。もし水の恵みが王都にもあれば、アルメレ川の河川工事の可否を巡って父とオーラフ宰相が争うこともなかったろう。
ハーグ山脈は黒いシルエットを青空に描き、静かにこちらを見下ろしている。ユリウスが登ったことがあるのは、奥深い山脈のほんの入り口付近だけだ。この地方の言い伝えでは、ハーグ山脈の最高峰、ティルブ山には精霊が住むという。もっと深く山々にわけいれば、思いもよらない光景が広がっているのかもしれない。
こちらをうかがう気配に、ユリウスは前方を見据えた。
がさこそと下草を踏み分け、十数人の頬かむりをした集団が現れた。その中の一人がユリウスに歩み寄った。
「どうしようかと思ったけどよ。フォリスや他の奴らがみんな行きたいって言うから、来てやったぞ」
ディックは黒い目を細めてにっと笑った。後ろのフォリスがぺこりと頭を下げる。
「よく来たな、ディック」
ディック達は今朝この林に入ったという。ユリウス達一行が今日の昼には帰り着くと知り、それにあわせて移動してきたそうだ。ユリウスはざっと希少種達を見渡した。以前よりも頭数が増えている。
「仲間が増えたのか?」
「いやな、こちらに向かう途中で合流したんだ」
ディックによると、他にも王国内のあちこちに、人に紛れて希少種が暮らしているという。こちらに向かう道すがら、その仲間も加わり、一緒に来たのだと。
「もしかしてあまり多いと無理だったか?」
「いや、そんなことはない。少しくらい増えたところで問題ない。今後のことを話したい。ひとまず俺の屋敷に来てくれ。」
人数はむしろ多いほうがありがたい。
今後のことを話し合うため、ユリウスはディックらを連れて屋敷に戻った。現れた多くの希少種に、カレルが目を丸くしたことは言うまでもない。
ディック達には、以前話していた通り、まだ手つかずの林の奥の植林と伐採、更に国境線の監視の仕事を頼んだ。大工を寄越すので、林に家を建てそこを生活の拠点とすること、軌道に乗るまではユリウスが給与を支払うが、いずれは伐採した木材を売って生計をたてること、髪は茶色に染めて希少種であることを隠すこと、などを説明した。
「髪の色のことは、染めるのは不本意かもしれんがな。王宮騎士団が王宮から逃げた希少種を追っているのは知っているか?」
ディックは頷いた。
「そのうわさは耳にした。俺たちの住んでた近辺も探しに来ていて、ひやひやしたぜ」
「王宮騎士団は、いなくなった希少種をさがすため、手の者を未だ領内に残している。おまえ達も、もとは貴族の奴隷だったのだろう? 無用な疑いをかけられんよう、悪いが辛抱してくれ」
「そんなの全然いいですよ」
両性のフォリスが答えた。
「僕達だって、今更つかまってまた奴隷に戻されるのはごめんです。髪を染めるくらい、なんてことはない。なぁ?」
同意を求めてフォリスが仲間を見ると、みな頷く。一通りの説明が終わったところでカレルが来て、ディック達を部屋へ案内していった。林に小屋が建つまでしばらくはユリウスの屋敷で寝泊まりする予定だ。
「あ、そうだ。ディック、フォリス」
行きかけたディックとフォリスをユリウスは人差し指で手招きした。数日ここで一緒に暮らすには、これだけは言っておかねばならない。
「なんです?」
フォリスが小首を傾げる。
「その、おまえたちな、ルカの前でいらんことはするなよ」
「ああ」
ディックはにやりとした。
「俺たちがキスしてたこと言ってるのか? あいつ、興味津々って感じだったもんな。かわいいよな」
「あのな、ルカはかなり初心だ。しかも無邪気だ。俺の言いたいことはわかるな?」
「ははは。なんとなくね。あんたも大変だな」
「ちょっとディック。あんたとか言っちゃだめだよ。これからは雇い主なんだからさ」
「わりぃ。気ぃつける。ま、ルカの前では自重することにするさ」
「頼んだぞ」
ディックは手をひらひら振って部屋を出ていった。
入れ替わりにリサが姿を見せ、困った顔をして片手を頬に当て、ため息をついた。
「どうした? 浮かない顔だな。ポポは見つかったのか?」
「ええ、それはさきほど。ルカもほっとして、今はアントンの夕食の手伝いをしておりますわ。あの、ユリウス様。さきほどエミー様と何かありましたか?」
「何かあったというほどのものでもないがな」
ユリウスはさきほどの一幕をリサに話した。
「ああ、それで。いえね、尻もちをついた少女は助け起こすものなのかどうなのかとルカが聞いてくるものですから。それはお助けしていいのですよと言っておきましたが。変なことを聞くなと思ったので」
「普通は迷うようなことではないんだがな。ルカの場合、普通を知らないことがよくあるからな」
「そうしたらルカが、助けなかったのは失敗だったのかと落ち込みまして。どうも、ルカは自分の行動で、ユリウス様に迷惑がかかることがあると自覚したようで」
コーバスがエミーのことでユリウスに怒ったのを見たからだろう。
「他には何か言ってなかったか? エミーがなぜこけたのか、とか」
「いいえ、何も」
リサは首を振った。
「ルカは考え出すと、突き詰めてしまうところがあるように思うので、ユリウス様からもちゃんと言ってあげてくださいませ。私も、ルカに言葉遣いを直せとしつこく練習させてしまいましたから気になって。無茶をされては困りますが、ルカはこれまで見てきた限りでは、人に迷惑をかけたり、意地悪をするような子ではありません。ユリウス様のためと、あまり気にしすぎると、ルカは何もできなくなりますわ」
ユリウスはリサの言葉に頷いて、ソファから立ち上がった。
本当はルカを連れて行こうと思ったが、ルカはポポが見つからないからさがしたいと屋敷に残った。さきほどのエミーのこともある。ルカがエミーに何かしたとは思わないが、何があったのか聞き出す必要はある。話しがてら林の散策をと思ったが、仕方ない。
夏を迎えようとしている林には残雪はなく、少々きつすぎるくらいの陽光が降り注いでいる。緑は青々と茂り、枯れ葉の下でかさこそと蠢く虫たちの息吹がする。
ユリウスは真っ直ぐ国境線となる川へ向かって歩いた。歩き慣れた林だ。迷うことなく川べりへと出た。
「ベイエル伯。お帰りなさいませ」
ユリウスの姿に、どこからともなくモント騎士団員たちが集まってきた。国境線の見張りについている者達だ。
「どうだ? 動きはないか?」
「はっ。朝に斥候兵と思われる者を数人見かけましたが、それ以外は異常はありません」
答えたのは第三師団長のクライド・サリスだった。白い頬を上気させ、前のめりな勢いが若々しい印象だ。サリス家はコーバスのフルン家と同じ男爵家だ。コーバスは、エミーの嫁ぎ先にと密かにクライドに目をつけている。実直でサリス家の跡取りで、自分の部下だ。エミーを目の届くところに嫁がせたいと願っているコーバスにとって、申し分ないエミーの嫁ぎ先だ。
それでもすぐに話を進めようとしないのは、まだエミーを手元に置いておきたいというコーバスの願いからだ。
「ですが……」
クライドは迷いながらも口を開いた。
「林で妙な連中と出会いました。みな頭に布を被り、林をうろついておりました。誰何したのですが、逃げられ、すぐに後は追ったのですが途中で見失い……。申し訳ございません。ルーキング国の者ではないとは思うのですが」
「ああ」
ユリウスには思い当たる節がある。
「そいつらは俺が雇った。林の植林や整備をやらそうと思ってな。領民達だけでは手の足りない、林の奥の方を手入れさせるつもりだ」
黒い髪を布で隠したディックやフォリスたち希少種だろう。ユリウスの誘いに応じて早速やって来たようだ。もし見かけたらユリウスの屋敷に来るよう言ってくれとクライドに言い置いた。
来るならひと月後だとディック達には言ったが、予定より早く着いてしまったのだろう。それで早速林を見回っていて、クライド達に引っかかった。そんなところだ。
ユリウスはクライド達と別れ、川ベリを歩いた。確かにコーバスの言う通り、水量が多い。もともと春から夏にかけて水量は増すのだが、今年は特に多い。いつもは歩ける場所も水が流れている。
ユリウスは北東方向のハーグ山脈の山並みを見上げた。モント領内には、山脈から流れ出した川が国境線のこの川以外にもいくつか流れており、王都のように水不足に悩むことはない。むしろ長雨が続いたあとなど、大量の水が流れ込み、畑がやられることがあるくらいだ。
あるところにはあるが、欲しいところにはない。
全て山からの恩恵で、人の差配が及ぶことではないとはいえ、複雑だ。もし水の恵みが王都にもあれば、アルメレ川の河川工事の可否を巡って父とオーラフ宰相が争うこともなかったろう。
ハーグ山脈は黒いシルエットを青空に描き、静かにこちらを見下ろしている。ユリウスが登ったことがあるのは、奥深い山脈のほんの入り口付近だけだ。この地方の言い伝えでは、ハーグ山脈の最高峰、ティルブ山には精霊が住むという。もっと深く山々にわけいれば、思いもよらない光景が広がっているのかもしれない。
こちらをうかがう気配に、ユリウスは前方を見据えた。
がさこそと下草を踏み分け、十数人の頬かむりをした集団が現れた。その中の一人がユリウスに歩み寄った。
「どうしようかと思ったけどよ。フォリスや他の奴らがみんな行きたいって言うから、来てやったぞ」
ディックは黒い目を細めてにっと笑った。後ろのフォリスがぺこりと頭を下げる。
「よく来たな、ディック」
ディック達は今朝この林に入ったという。ユリウス達一行が今日の昼には帰り着くと知り、それにあわせて移動してきたそうだ。ユリウスはざっと希少種達を見渡した。以前よりも頭数が増えている。
「仲間が増えたのか?」
「いやな、こちらに向かう途中で合流したんだ」
ディックによると、他にも王国内のあちこちに、人に紛れて希少種が暮らしているという。こちらに向かう道すがら、その仲間も加わり、一緒に来たのだと。
「もしかしてあまり多いと無理だったか?」
「いや、そんなことはない。少しくらい増えたところで問題ない。今後のことを話したい。ひとまず俺の屋敷に来てくれ。」
人数はむしろ多いほうがありがたい。
今後のことを話し合うため、ユリウスはディックらを連れて屋敷に戻った。現れた多くの希少種に、カレルが目を丸くしたことは言うまでもない。
ディック達には、以前話していた通り、まだ手つかずの林の奥の植林と伐採、更に国境線の監視の仕事を頼んだ。大工を寄越すので、林に家を建てそこを生活の拠点とすること、軌道に乗るまではユリウスが給与を支払うが、いずれは伐採した木材を売って生計をたてること、髪は茶色に染めて希少種であることを隠すこと、などを説明した。
「髪の色のことは、染めるのは不本意かもしれんがな。王宮騎士団が王宮から逃げた希少種を追っているのは知っているか?」
ディックは頷いた。
「そのうわさは耳にした。俺たちの住んでた近辺も探しに来ていて、ひやひやしたぜ」
「王宮騎士団は、いなくなった希少種をさがすため、手の者を未だ領内に残している。おまえ達も、もとは貴族の奴隷だったのだろう? 無用な疑いをかけられんよう、悪いが辛抱してくれ」
「そんなの全然いいですよ」
両性のフォリスが答えた。
「僕達だって、今更つかまってまた奴隷に戻されるのはごめんです。髪を染めるくらい、なんてことはない。なぁ?」
同意を求めてフォリスが仲間を見ると、みな頷く。一通りの説明が終わったところでカレルが来て、ディック達を部屋へ案内していった。林に小屋が建つまでしばらくはユリウスの屋敷で寝泊まりする予定だ。
「あ、そうだ。ディック、フォリス」
行きかけたディックとフォリスをユリウスは人差し指で手招きした。数日ここで一緒に暮らすには、これだけは言っておかねばならない。
「なんです?」
フォリスが小首を傾げる。
「その、おまえたちな、ルカの前でいらんことはするなよ」
「ああ」
ディックはにやりとした。
「俺たちがキスしてたこと言ってるのか? あいつ、興味津々って感じだったもんな。かわいいよな」
「あのな、ルカはかなり初心だ。しかも無邪気だ。俺の言いたいことはわかるな?」
「ははは。なんとなくね。あんたも大変だな」
「ちょっとディック。あんたとか言っちゃだめだよ。これからは雇い主なんだからさ」
「わりぃ。気ぃつける。ま、ルカの前では自重することにするさ」
「頼んだぞ」
ディックは手をひらひら振って部屋を出ていった。
入れ替わりにリサが姿を見せ、困った顔をして片手を頬に当て、ため息をついた。
「どうした? 浮かない顔だな。ポポは見つかったのか?」
「ええ、それはさきほど。ルカもほっとして、今はアントンの夕食の手伝いをしておりますわ。あの、ユリウス様。さきほどエミー様と何かありましたか?」
「何かあったというほどのものでもないがな」
ユリウスはさきほどの一幕をリサに話した。
「ああ、それで。いえね、尻もちをついた少女は助け起こすものなのかどうなのかとルカが聞いてくるものですから。それはお助けしていいのですよと言っておきましたが。変なことを聞くなと思ったので」
「普通は迷うようなことではないんだがな。ルカの場合、普通を知らないことがよくあるからな」
「そうしたらルカが、助けなかったのは失敗だったのかと落ち込みまして。どうも、ルカは自分の行動で、ユリウス様に迷惑がかかることがあると自覚したようで」
コーバスがエミーのことでユリウスに怒ったのを見たからだろう。
「他には何か言ってなかったか? エミーがなぜこけたのか、とか」
「いいえ、何も」
リサは首を振った。
「ルカは考え出すと、突き詰めてしまうところがあるように思うので、ユリウス様からもちゃんと言ってあげてくださいませ。私も、ルカに言葉遣いを直せとしつこく練習させてしまいましたから気になって。無茶をされては困りますが、ルカはこれまで見てきた限りでは、人に迷惑をかけたり、意地悪をするような子ではありません。ユリウス様のためと、あまり気にしすぎると、ルカは何もできなくなりますわ」
ユリウスはリサの言葉に頷いて、ソファから立ち上がった。
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