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第三章 好きなのかもしれない
王弟ウバルドの立場
ベネデッタが鼻息荒く執務室に飛び込んできた時、ウバルドは肘掛け椅子で軽く目を瞑り、考え事をしているところだった。
ウバルドが目を開くと、頬を上気させたベネデッタが肩で息をしながらこちらに駆け寄ってきた。
「叔父様、聞いてください!」
ベネデッタはこちらの思考を遮ったことなど気がついていない。自分の訪れた用向きだけをまくしたてる。
「わたし、セストとの婚約を取り付けてほしいってお父様にお願いしに行ったの。なのにお父様ったら、セストはだめだの一点張りで、わたしのお願い事をきいてくれようとしないの」
「国王陛下が?」
オリンドの弟であるウバルドは、ベネデッタの叔父にあたる。ベネデッタは、何か不満があるとよくこうやってウバルドを頼りに来る。
叔父といってもオリンドより十八歳年若いウバルドは、ベネデッタの兄の一人のような存在だ。実の兄達には話しにくいことも、叔父という少し離れた距離にいるウバルドには、言いやすいらしい。ベネデッタは幼い頃からよく不満をウバルドに漏らした。
ウバルドにとっては、わがままな姪の話などどうでもよいことだが、この時は少し興味をひかれた。
セストは二年前、正規の登用制度を経ず、オリンドが突然魔法防衛局長という要職に抜擢し、異例中の異例ともいえる登用で仕官することが決まった。
もちろん、貴族位を持たない、どこの馬の骨とも知れぬセストの登用には、多くの反対の声が上がった。
本来、平民が魔法庁に登用されるには、魔力測定会に参加し、そこで魔力があると判定されることが必要だ。さらにそこからも何度も試験が課され、研修期間もある。そんな正規の手順を全て無視し、いきなりの局長級の要職への抜擢はありえない。
しかし彼の並外れた魔力は、多くの反対の声を封じ込めるのに十分だった。結局オリンド国王の確固とした意志もあり、セストは魔法防衛局長におさまった。
そんなセストと娘ベネデッタとの結婚は、悪い話ではない。セストがベネデッタと結婚すれば、セストの魔力をトリエスタ王国に繋ぎ止めておくことができる。
オリンドがベネデッタのお願いを断ることはほとんどない。しかも利点しかないとセストの結婚だ。それをだめだとオリンドが言うとは。
「こちらにおいで、ベネデッタ」
ウバルドはもう少しこの姪の話に付き合ってやろうと、小姓にお茶をいれさせ、ソファにベネデッタを招き寄せた。ベネデッタは素直に従い、懇願するようにウバルドを見上げた。
「お願いよ、叔父様。叔父様からも、お父様を説得してください。わたしどうしてもセストと結婚したいの」
「もちろん、ベネデッタがそれほど本気ならば私から兄上に口添えするくらいはしよう。しかし兄上はなぜセストとの婚姻を認めなかったのだ?」
「……わかりません。お父様はただ、セストはだめだとしかおっしゃらないの」
「それは、おかしな話だね。彼ならばベネデッタの相手として不足はないと思うがね」
「叔父様もそう思うでしょう? 彼は平民だけれど魔力量はすごいもの。魔力を持つ人は、特別だわ。平民でもなんでも、そんなの関係ない」
「ベネデッタの言う通りだ」
同意してやると、ベネデッタは顔をほころばせた。
「さすが叔父様だわ! いつもわたしの思うことをそうだとおっしゃってくださる。あーあ、叔父様が国王ならよかったのに。そうすれば、セストとの婚姻を認めてくださったでしょう?」
「こらこら、ベネデッタ。私が国王などと、滅多なことを言うものではないよ」
「あら、わたし本気でそう思ってよ? お父様は何でも周りの意見を聞きすぎるのよ。独断力がないっていうのかしら。その点、叔父様はすごいわ。決断力もあるし、お父様のようにわからず屋でもないもの」
「その辺にしておいてくれ、ベネデッタ」
ウバルドが軽くたしなめると、ベネデッタはふふっと笑った。
「そうしておくわ。こんなつまらないことで叔父様の立場を危うくするわけにはいかないものね」
それはそうと、とベネデッタは話を元に戻した。
「セストのこと、ほんとのほんとにお願いね。わたしどうしても狩りに行くまでにはセストと婚約したいの」
「それはまた急だね。なぜ狩りに行くまでとこだわるんだい?」
「それは……」
ベネデッタは言い淀んたが、正直に答えた。
「……負けたくない子がいるからよ」
「ベネデッタが一体誰に負けると言うんだい」
王女として揺るぎない立場にいて、乙女にも選考なしで入り込めるような地位にいて、何を言うのかとウバルドは思ったが、次に続いた言葉に苦笑した。
「ロザリアよ。ロザリア・カルテローニ。セストはその子のことが好きなのよ」
なるほど。恋敵のことらしい。
セストがカルテローニ男爵の次女に夢中だというのは有名な話だ。ウバルドも、小耳に挟んだことはある。魔力もさることながら、あの容貌が並外れているセストが惚れ込む女とはどんなものかと、ウバルドも思ったものだ。
しかし何かの折りに垣間見たロザリアは、どれほどの美人かと思えばさほどではなく、うつむき加減で自信なさげな凡庸な少女だった。
それですぐに興味を失ったのだ。
「なに。ベネデッタの方が美人で器量よしだ。セストもじきに飽きるさ」
ウバルドは本気でそう思ったので、ベネデッタを安心させようと言ったが、ベネデッタは「違うの」と言う。
「もう一年よ。あの子が働き始めてから、セストはすぐにあの子に目をつけた。わたしだってすぐにセストは飽きるって思っていたの。なのにセストはまだあの子のことばっかり」
「しかし噂では、ロザリアはセストの誘いを断り続けているのだろう?」
社交場に出れば、どうでもいいような情報も耳に入る。
「でもロザリアがセストに興味がないなんて、絶対に嘘よ。だってちゃっかり補佐役におさまったり、さっきだって魔力酔いを起こしたとかで、セストがロザリアを抱いていたもの。あれだってきっとロザリアの作戦よ」
それほど器用に立ち回れる娘には見えなかったが、ここで反論しては話がややこしくなる。
ウバルドは適当に相槌を打ち、なおもとつとつと胸の内を語るベネデッタの話を聞きながら、思考はすでに別の方向へと向かっていた。
ウバルドはやはり、オリンド国王がベネデッタとセストととの婚姻を認めなかったことが気になった。
そこには、セストの想い人の話などではなく、もっと別の何かしらの事情があるに違いない。そうでなければ、オリンドがむやみにベネデッタの願いを断るはずもなく、またその理由も告げずにただだめだと言うはずもない。
思えばあの男はこの国の人間とは匂いが違う。何がどうと言葉で説明することはできないが、何か常人とは違うものをあの男には感じる。
魔力の強さゆえにそのように感じるのか。または全く異なる理由があるのか。
何にせよ―――。
ウバルドはまだ不満を漏らしているベネデッタに応じながらも考えた。
セストには気をつけるに越したことはない。国王派であることは間違いなく、また魔力の強さは本物だ。いろいろと施している小細工が、あの男の手によって暴かれる危険は大いにある。
次期国王となる後継者指名も近い。それまでには様々な事柄が功を奏すよう、邪魔されぬよう、細心の注意を払わねばならない。
ウバルドが目を開くと、頬を上気させたベネデッタが肩で息をしながらこちらに駆け寄ってきた。
「叔父様、聞いてください!」
ベネデッタはこちらの思考を遮ったことなど気がついていない。自分の訪れた用向きだけをまくしたてる。
「わたし、セストとの婚約を取り付けてほしいってお父様にお願いしに行ったの。なのにお父様ったら、セストはだめだの一点張りで、わたしのお願い事をきいてくれようとしないの」
「国王陛下が?」
オリンドの弟であるウバルドは、ベネデッタの叔父にあたる。ベネデッタは、何か不満があるとよくこうやってウバルドを頼りに来る。
叔父といってもオリンドより十八歳年若いウバルドは、ベネデッタの兄の一人のような存在だ。実の兄達には話しにくいことも、叔父という少し離れた距離にいるウバルドには、言いやすいらしい。ベネデッタは幼い頃からよく不満をウバルドに漏らした。
ウバルドにとっては、わがままな姪の話などどうでもよいことだが、この時は少し興味をひかれた。
セストは二年前、正規の登用制度を経ず、オリンドが突然魔法防衛局長という要職に抜擢し、異例中の異例ともいえる登用で仕官することが決まった。
もちろん、貴族位を持たない、どこの馬の骨とも知れぬセストの登用には、多くの反対の声が上がった。
本来、平民が魔法庁に登用されるには、魔力測定会に参加し、そこで魔力があると判定されることが必要だ。さらにそこからも何度も試験が課され、研修期間もある。そんな正規の手順を全て無視し、いきなりの局長級の要職への抜擢はありえない。
しかし彼の並外れた魔力は、多くの反対の声を封じ込めるのに十分だった。結局オリンド国王の確固とした意志もあり、セストは魔法防衛局長におさまった。
そんなセストと娘ベネデッタとの結婚は、悪い話ではない。セストがベネデッタと結婚すれば、セストの魔力をトリエスタ王国に繋ぎ止めておくことができる。
オリンドがベネデッタのお願いを断ることはほとんどない。しかも利点しかないとセストの結婚だ。それをだめだとオリンドが言うとは。
「こちらにおいで、ベネデッタ」
ウバルドはもう少しこの姪の話に付き合ってやろうと、小姓にお茶をいれさせ、ソファにベネデッタを招き寄せた。ベネデッタは素直に従い、懇願するようにウバルドを見上げた。
「お願いよ、叔父様。叔父様からも、お父様を説得してください。わたしどうしてもセストと結婚したいの」
「もちろん、ベネデッタがそれほど本気ならば私から兄上に口添えするくらいはしよう。しかし兄上はなぜセストとの婚姻を認めなかったのだ?」
「……わかりません。お父様はただ、セストはだめだとしかおっしゃらないの」
「それは、おかしな話だね。彼ならばベネデッタの相手として不足はないと思うがね」
「叔父様もそう思うでしょう? 彼は平民だけれど魔力量はすごいもの。魔力を持つ人は、特別だわ。平民でもなんでも、そんなの関係ない」
「ベネデッタの言う通りだ」
同意してやると、ベネデッタは顔をほころばせた。
「さすが叔父様だわ! いつもわたしの思うことをそうだとおっしゃってくださる。あーあ、叔父様が国王ならよかったのに。そうすれば、セストとの婚姻を認めてくださったでしょう?」
「こらこら、ベネデッタ。私が国王などと、滅多なことを言うものではないよ」
「あら、わたし本気でそう思ってよ? お父様は何でも周りの意見を聞きすぎるのよ。独断力がないっていうのかしら。その点、叔父様はすごいわ。決断力もあるし、お父様のようにわからず屋でもないもの」
「その辺にしておいてくれ、ベネデッタ」
ウバルドが軽くたしなめると、ベネデッタはふふっと笑った。
「そうしておくわ。こんなつまらないことで叔父様の立場を危うくするわけにはいかないものね」
それはそうと、とベネデッタは話を元に戻した。
「セストのこと、ほんとのほんとにお願いね。わたしどうしても狩りに行くまでにはセストと婚約したいの」
「それはまた急だね。なぜ狩りに行くまでとこだわるんだい?」
「それは……」
ベネデッタは言い淀んたが、正直に答えた。
「……負けたくない子がいるからよ」
「ベネデッタが一体誰に負けると言うんだい」
王女として揺るぎない立場にいて、乙女にも選考なしで入り込めるような地位にいて、何を言うのかとウバルドは思ったが、次に続いた言葉に苦笑した。
「ロザリアよ。ロザリア・カルテローニ。セストはその子のことが好きなのよ」
なるほど。恋敵のことらしい。
セストがカルテローニ男爵の次女に夢中だというのは有名な話だ。ウバルドも、小耳に挟んだことはある。魔力もさることながら、あの容貌が並外れているセストが惚れ込む女とはどんなものかと、ウバルドも思ったものだ。
しかし何かの折りに垣間見たロザリアは、どれほどの美人かと思えばさほどではなく、うつむき加減で自信なさげな凡庸な少女だった。
それですぐに興味を失ったのだ。
「なに。ベネデッタの方が美人で器量よしだ。セストもじきに飽きるさ」
ウバルドは本気でそう思ったので、ベネデッタを安心させようと言ったが、ベネデッタは「違うの」と言う。
「もう一年よ。あの子が働き始めてから、セストはすぐにあの子に目をつけた。わたしだってすぐにセストは飽きるって思っていたの。なのにセストはまだあの子のことばっかり」
「しかし噂では、ロザリアはセストの誘いを断り続けているのだろう?」
社交場に出れば、どうでもいいような情報も耳に入る。
「でもロザリアがセストに興味がないなんて、絶対に嘘よ。だってちゃっかり補佐役におさまったり、さっきだって魔力酔いを起こしたとかで、セストがロザリアを抱いていたもの。あれだってきっとロザリアの作戦よ」
それほど器用に立ち回れる娘には見えなかったが、ここで反論しては話がややこしくなる。
ウバルドは適当に相槌を打ち、なおもとつとつと胸の内を語るベネデッタの話を聞きながら、思考はすでに別の方向へと向かっていた。
ウバルドはやはり、オリンド国王がベネデッタとセストととの婚姻を認めなかったことが気になった。
そこには、セストの想い人の話などではなく、もっと別の何かしらの事情があるに違いない。そうでなければ、オリンドがむやみにベネデッタの願いを断るはずもなく、またその理由も告げずにただだめだと言うはずもない。
思えばあの男はこの国の人間とは匂いが違う。何がどうと言葉で説明することはできないが、何か常人とは違うものをあの男には感じる。
魔力の強さゆえにそのように感じるのか。または全く異なる理由があるのか。
何にせよ―――。
ウバルドはまだ不満を漏らしているベネデッタに応じながらも考えた。
セストには気をつけるに越したことはない。国王派であることは間違いなく、また魔力の強さは本物だ。いろいろと施している小細工が、あの男の手によって暴かれる危険は大いにある。
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