【完結(続編)ほかに相手がいるのに】

もえこ

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~拓海~

ご想像

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「…  拓海君は… 私の… … 」

「… … … …」ゴクリ…  俺は密かに、唾を飲み込む…。

瑠衣が… 大袈裟に両手を広げる姿に、ため息が出そうだ…
完全に面白がっているのではないか…。

「 拓海君は瑠衣の… 大事な…  …とっても大事な… 」

「… … … 」智花の顔を、密かに盗み見る…。

無言のまま、ごく普通の表情で瑠衣を見守ってはいるが、きっと瑠衣のその先の言葉を気にかけているに違いない。

「… 拓海君は、私のだーーいじな… … 」

どれだけ溜めて言うつもりだ…

俺は多少のイラつきもあって、思わず口に出してしまう。

「… 早く、言えよ… 」

「… あっ… は~い。 拓海君は…ですね~  」

瑠衣が、俺と智花の顔を交互に見比べるようにして、にんまりと笑ってやっと口を開いた。

「 私の…  … フレンドです… 」

「… え … フレンド… ?」智花が、キョトンとした顔をする。

「 はい、 ○○フレンド~~」

「…まるまるフレンド…? 」智花が復唱する。 

「そうです!あの…○○の中身は、ご想像にお任せします~とにかく拓海君と私は友達なんです。お隣さんでもあります… ねっ!拓海君っ…友達だよね~ たまに一緒にご飯したり、遊んだり、部屋を気軽に行き来したりする友達~」

瑠衣は酔っている割には、意外と物事を考えて話しているような印象を受けたが、
部屋を行き来…そんなことは敢えて言って欲しくなかったなと、心の隅で思う。

でも、まあ…なんとかセーフにしたい…。

ここで堂々と、瑠衣に、俺と身体の関係がありますなんて智花の前で叫ばれた日には…もう、消えるよりほかなかった…この回答で、良かった…ましだと思おう…。

「 …そう、友達… 」俺は一応、瑠衣の答えになんとなくのっかる。 

智花の、視線に…
目を逸らすことなく俺を見てくるねっとりとした視線にドキリとしつつも、俺は頭で考えるよりも先に口にしていた。

「…そう、ですね…瑠衣は、友達です…最初だって、彼女が酔って自分の部屋と間違って俺の部屋に乱入…して、 きた……くらい、で… 」

「 … … そう、なんですか… 」

しまった…  

聞かれてもいないことを、ペラペラと… 

「そうそう!最初はそう!だったよね~~その時から…仲良くなっちゃた感は、否めないよね…うふふ~」

「ああ…まあ… 」

仲良く、なった…   そうだな、仲良くなった…  

その意味は、あまりにも、深く…とんでもなく、後ろめたいが、俺は表面上、コクリと頷く。

「あ!溶けちゃう溶けちゃう!!とりあえず~アイス~食べよ~ あ…うま!!さすがゴディ〇!!うっま!」

瑠衣の、この場にそぐわない底抜けに明るい声を、聞きながら…

「… いただき、ます… 」

俺と智花は、奇妙なほどに静かに、アイスのスプーンを口に運んだ…。

  

 

 








 


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