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~二人~
食後に
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「…美味しかったね…どれもこれも…」
フルコースも終盤…
最後に、美しい飾り付けのデザートとコーヒーが運ばれ…杉崎さんが満足そうに呟いて私を見る。
「はい…本当に…ピアノ演奏も素敵でしたね…」
食事中、ピアニストの女性がずっと演奏を続けていた…。
素敵な生演奏を聴きながら、優雅な船上でのディナー…そして相手は杉崎さん…まるで…夢のような時間だ。
「これ…食べ終わったらデッキに出てみようか…?まだ、到着には30分ほどあるらしいから…外の景色も楽しみたいよね…風もあって気持ち良さそうだ…」
「はい…是非…」 私は答える。
「こんな場所で話すことでもないけど…ごめんね…、水無月さん…君には拓海くんという、れっきとした彼氏がいるのに… こんなことになって…俺は君より年上で…分別があるべき大人だ…なのに…君に…手を出してしまった…」
杉崎さんが、真っ直ぐに私を見つめて、そんな風に語る。
「いえ…そんな…それは…お互い様ですよ…私だって…もう、子供じゃありません。
あなたに…林さんがいるのを…わかってて…自分の気持ちを…理性を、止められなかった…。
ただ、それだけです…だから杉崎さんが悪いだなんて全く思ってないですから、気にしないでください…」
私も彼を見返す…。
しばらくの間、お互いに見つめ合う…
彼の綺麗な瞳に、ドキリと心臓が鳴る。
「あ…もう、珈琲…飲み終わったみたいだね…?じゃあ、出てみようか…デッキに。」
「はい…」
杉崎さんに促され、私は杉崎さんの広い背中を追いかけるようにして、ついて行く。
不意に…その背中に、背後から抱きつきたい…そんな衝動に駆られる…。
もちろん…人目がつく場所で…そんなことをできるはずもない…。
なんとか耐えたものの…私はもう…杉崎さんに…触れたくて仕方がなかった…。
人を好きになると…こんな感情が芽生えるのか…
七年以上前に…初めて付き合い始めた拓海にも、同様の感情を持っただろうか…
もはやそれすらも、わからなくなる…。
デッキに出ると、もう、あたりは真っ暗で船は…黒い海に包まれていた…
それでも波間に、船が揺れるたびに色とりどりの船上の照明が反射して…その一瞬、一瞬で…キラキラと輝いていて、とても幻想的で…私は思わず、言葉を失う…。
しばらく無言で…
デッキに両手をかけて、海を眺めていると、杉崎さんが私の手をそっと覆うように握り、口を開く。
「… …水無月さん… …好きだ… 」
「…私…も…です…」
なんとか、そう答える…。
「俺は…君に、早く触れたい… あの日から…水無月さんの…白い肌に触れたあの日から…俺は…」
私は杉崎さんの言葉に、息を呑む…
「俺は今…どうしようもなく、君が…欲しい…
…抱きたい…」
杉崎さんの濡れた瞳…
欲情した、男の眼光…
私の身体の深い部分が…ぞくりとした。
私は…
私は…
同じ気持ちだ…杉崎さんに抱かれたい…
拓海とか…林さんとか…まだ、何も…
…なのに…
頭で考えるより先に…
私は無言でコクリと、頷いていた…
フルコースも終盤…
最後に、美しい飾り付けのデザートとコーヒーが運ばれ…杉崎さんが満足そうに呟いて私を見る。
「はい…本当に…ピアノ演奏も素敵でしたね…」
食事中、ピアニストの女性がずっと演奏を続けていた…。
素敵な生演奏を聴きながら、優雅な船上でのディナー…そして相手は杉崎さん…まるで…夢のような時間だ。
「これ…食べ終わったらデッキに出てみようか…?まだ、到着には30分ほどあるらしいから…外の景色も楽しみたいよね…風もあって気持ち良さそうだ…」
「はい…是非…」 私は答える。
「こんな場所で話すことでもないけど…ごめんね…、水無月さん…君には拓海くんという、れっきとした彼氏がいるのに… こんなことになって…俺は君より年上で…分別があるべき大人だ…なのに…君に…手を出してしまった…」
杉崎さんが、真っ直ぐに私を見つめて、そんな風に語る。
「いえ…そんな…それは…お互い様ですよ…私だって…もう、子供じゃありません。
あなたに…林さんがいるのを…わかってて…自分の気持ちを…理性を、止められなかった…。
ただ、それだけです…だから杉崎さんが悪いだなんて全く思ってないですから、気にしないでください…」
私も彼を見返す…。
しばらくの間、お互いに見つめ合う…
彼の綺麗な瞳に、ドキリと心臓が鳴る。
「あ…もう、珈琲…飲み終わったみたいだね…?じゃあ、出てみようか…デッキに。」
「はい…」
杉崎さんに促され、私は杉崎さんの広い背中を追いかけるようにして、ついて行く。
不意に…その背中に、背後から抱きつきたい…そんな衝動に駆られる…。
もちろん…人目がつく場所で…そんなことをできるはずもない…。
なんとか耐えたものの…私はもう…杉崎さんに…触れたくて仕方がなかった…。
人を好きになると…こんな感情が芽生えるのか…
七年以上前に…初めて付き合い始めた拓海にも、同様の感情を持っただろうか…
もはやそれすらも、わからなくなる…。
デッキに出ると、もう、あたりは真っ暗で船は…黒い海に包まれていた…
それでも波間に、船が揺れるたびに色とりどりの船上の照明が反射して…その一瞬、一瞬で…キラキラと輝いていて、とても幻想的で…私は思わず、言葉を失う…。
しばらく無言で…
デッキに両手をかけて、海を眺めていると、杉崎さんが私の手をそっと覆うように握り、口を開く。
「… …水無月さん… …好きだ… 」
「…私…も…です…」
なんとか、そう答える…。
「俺は…君に、早く触れたい… あの日から…水無月さんの…白い肌に触れたあの日から…俺は…」
私は杉崎さんの言葉に、息を呑む…
「俺は今…どうしようもなく、君が…欲しい…
…抱きたい…」
杉崎さんの濡れた瞳…
欲情した、男の眼光…
私の身体の深い部分が…ぞくりとした。
私は…
私は…
同じ気持ちだ…杉崎さんに抱かれたい…
拓海とか…林さんとか…まだ、何も…
…なのに…
頭で考えるより先に…
私は無言でコクリと、頷いていた…
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