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〜余韻〜
夜食
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「…水無月さん、眠くない?とりあえず少しだけ頼んだけど、良かったらこっちにおいで?」
「はい…」
窓際にあるテーブルに銀のトレイを置いて、杉崎さんが私を呼ぶ。
時々杉崎さんが口にする、おいで…という言葉。
なんだか、好きだな…
慈しみを帯びた、愛情深い言葉のように感じるのは私だけだろうか…。
まるで、親が、愛する子供を呼ぶように…
「失礼します。」
私は窓際の椅子に、ゆっくりと腰掛ける。
「ハーブティーと…チョコレートとフルーツ盛り合わせみたいなの、頼んだんだけど、もし食べられるなら食べて、無理なら冷蔵庫に入れておいて、明日の朝、食べようか」
明日の朝…
朝…というキーワード…
まさか、杉崎さんと朝を…迎えることになるなんて、今朝の時点では、想像すらしていなかった。
確かにクルーズディナーはとても楽しみにしていた。
服装だって、いつもより気合が入っていたのは否めない…
職場では絶対に着用しないような…
それこそ人事の細野さんが毎日職場に着てくるような、女性らしい服装…。
揺らめくスカート。
全体的に明るい色使いの洋服…
少し恥ずかしさはあったものの、非日常のクルーズディナーだ…
こんな時くらいはいいかと思い切って…
杉崎さんもお世辞かもしれないが可愛いと褒めてくれて…嬉しくなった。
でもまさか…
杉崎さんと一緒に、
朝を迎えることになるなんて…
しかも今思えば…とんでもないことだ…
シャワーすら…浴びずに、自分の欲望のままに…杉崎さんに抱かれた私…
今更ながらに羞恥心が溢れてくる…
もう、全てのことが…
本当に、信じられない…
しかも、こんな風に拓海を裏切って…
私は…
私はこの先…
「水無月さん…、大丈夫…?…疲れているなら、やっぱり無理しないで休むかい?全然いいよ、俺は少し食べてから横になるから…」
ハッとする。
また、一人の世界に入っていた…
杉崎さんの優しい目が、私を包み込む。
私はこの人に…
ああ…駄目だ
考えが、まとまらない…
「いえ、すみません…いただきます。」
私は杉崎さんに微笑みを返して、
注いでくれたハーブティーを、口に運んだ。
「はい…」
窓際にあるテーブルに銀のトレイを置いて、杉崎さんが私を呼ぶ。
時々杉崎さんが口にする、おいで…という言葉。
なんだか、好きだな…
慈しみを帯びた、愛情深い言葉のように感じるのは私だけだろうか…。
まるで、親が、愛する子供を呼ぶように…
「失礼します。」
私は窓際の椅子に、ゆっくりと腰掛ける。
「ハーブティーと…チョコレートとフルーツ盛り合わせみたいなの、頼んだんだけど、もし食べられるなら食べて、無理なら冷蔵庫に入れておいて、明日の朝、食べようか」
明日の朝…
朝…というキーワード…
まさか、杉崎さんと朝を…迎えることになるなんて、今朝の時点では、想像すらしていなかった。
確かにクルーズディナーはとても楽しみにしていた。
服装だって、いつもより気合が入っていたのは否めない…
職場では絶対に着用しないような…
それこそ人事の細野さんが毎日職場に着てくるような、女性らしい服装…。
揺らめくスカート。
全体的に明るい色使いの洋服…
少し恥ずかしさはあったものの、非日常のクルーズディナーだ…
こんな時くらいはいいかと思い切って…
杉崎さんもお世辞かもしれないが可愛いと褒めてくれて…嬉しくなった。
でもまさか…
杉崎さんと一緒に、
朝を迎えることになるなんて…
しかも今思えば…とんでもないことだ…
シャワーすら…浴びずに、自分の欲望のままに…杉崎さんに抱かれた私…
今更ながらに羞恥心が溢れてくる…
もう、全てのことが…
本当に、信じられない…
しかも、こんな風に拓海を裏切って…
私は…
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ハッとする。
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