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二話 カエルの子はカエルにしかなれない
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次の日、案の定彼と彼の両親がうちの屋敷にやってきた。
「アーレンス卿!! うちの息子との婚約を解消するとはどういうことでしょう!?」
彼の両親はまさに鬼の形相といった顔をして私のお父様を問い質した。ベルツ夫人は私を親の仇のように睨みつけてきたが、私は紅茶を飲みながら冷めた表情で彼らを見つめた。お父様も相手をするのも面倒くさいといった表情で答えた。
「手紙にもお書きしましたが、どうやらうちの娘とお宅の息子さんは気が合わなかったようです。ですので婚約を解消した方が良いと私が判断したのです」
「ですが!! この婚約は現皇帝陛下肝入りで行われたものでございます!!! そのような理由で解消していいものではないはずでございますわ!!」
ベルツ夫人は激昂してあーだこーだ言い出した。しかし、お父様は冷めた目をしつつもあくまで冷静に言った。
「確かにそうではありますが、陛下には事前に許可を取ってあります。この婚約はあくまでベルツ家援助を目的としたものであります。たまたま当時、アルベルト君と仲の良かったアデリナが選ばれたにすぎません。それに、陛下肝入りの婚約で解消されている例は山ほどあります」
アルベルトは下を向きながら何も言わない。彼の両親はまだ納得がいかないようだ。
「たとえそうであっても!! 今回はいきなり一方的にそちらが言い出したことです。それはいかがなものかと思います。それに……」
ベルツ卿も色々なことを言っているが、お父様ももう相手をするのも飽きたようでベルツ卿が話し終えるまで壁に飾っている絵画を見つめていた。私もうんざりするなつまらない話をされて紅茶を飲みながら違うことを考えてやり過ごした。
ベルツ卿が話し終えると、お父様が
「ベルツ卿、満足されましたかな。私は度々アルベルト君の振る舞いを報告していたではないですか。お互いに問題点がある場合は改善を施すために。それで今回はアルベルト君が他の女性に懸想しているとのことで、私は娘と話して婚約を解消することにしたのです」
するとアルベルトが
「しかし、僕は別にその女性と結婚したいとかそう言う気持ちがあったわけではなかったのです。僕はあくまでアデリナと結婚したいと思っています!!」
と言い出した。さらにベルツ卿は、
「アルベルトもこう言っています。それに愛人の一人や二人問題ないはずです」
と宣った。
私はあまりの自分勝手な発言にため息をついた。お父様も心底理解できないと言いたげな顔している。
「ベルツ卿、いつの時代の話をされているのかは分かりませんが、それは過去のことです。今では、政略結婚にしてもお互いにそれなりの節度が求められる時代となったのです。だから、昔のように愛人を持ち合うということはありえないのです。それに伴い婚約の解消も昔より容易になりました。そのことを陛下も理解しておられます。ですからすぐに婚約解消の運びとなったのです」
「しかし……」
ベルツ卿も夫人もまだ何か言いたげだったが、お父様が遮り、
「これ以上話すのは、お互いの時間の無駄です。セバスチアン、ベルツ卿方がお帰りだ」
するとセバスチアンはいきなり現れ、どうやっているかわからないがベルツ卿たちをあっさり屋敷から追い出した。
私とお父様はやっと終わったかと言わんばかりにため息を零した。
「アーレンス卿!! うちの息子との婚約を解消するとはどういうことでしょう!?」
彼の両親はまさに鬼の形相といった顔をして私のお父様を問い質した。ベルツ夫人は私を親の仇のように睨みつけてきたが、私は紅茶を飲みながら冷めた表情で彼らを見つめた。お父様も相手をするのも面倒くさいといった表情で答えた。
「手紙にもお書きしましたが、どうやらうちの娘とお宅の息子さんは気が合わなかったようです。ですので婚約を解消した方が良いと私が判断したのです」
「ですが!! この婚約は現皇帝陛下肝入りで行われたものでございます!!! そのような理由で解消していいものではないはずでございますわ!!」
ベルツ夫人は激昂してあーだこーだ言い出した。しかし、お父様は冷めた目をしつつもあくまで冷静に言った。
「確かにそうではありますが、陛下には事前に許可を取ってあります。この婚約はあくまでベルツ家援助を目的としたものであります。たまたま当時、アルベルト君と仲の良かったアデリナが選ばれたにすぎません。それに、陛下肝入りの婚約で解消されている例は山ほどあります」
アルベルトは下を向きながら何も言わない。彼の両親はまだ納得がいかないようだ。
「たとえそうであっても!! 今回はいきなり一方的にそちらが言い出したことです。それはいかがなものかと思います。それに……」
ベルツ卿も色々なことを言っているが、お父様ももう相手をするのも飽きたようでベルツ卿が話し終えるまで壁に飾っている絵画を見つめていた。私もうんざりするなつまらない話をされて紅茶を飲みながら違うことを考えてやり過ごした。
ベルツ卿が話し終えると、お父様が
「ベルツ卿、満足されましたかな。私は度々アルベルト君の振る舞いを報告していたではないですか。お互いに問題点がある場合は改善を施すために。それで今回はアルベルト君が他の女性に懸想しているとのことで、私は娘と話して婚約を解消することにしたのです」
するとアルベルトが
「しかし、僕は別にその女性と結婚したいとかそう言う気持ちがあったわけではなかったのです。僕はあくまでアデリナと結婚したいと思っています!!」
と言い出した。さらにベルツ卿は、
「アルベルトもこう言っています。それに愛人の一人や二人問題ないはずです」
と宣った。
私はあまりの自分勝手な発言にため息をついた。お父様も心底理解できないと言いたげな顔している。
「ベルツ卿、いつの時代の話をされているのかは分かりませんが、それは過去のことです。今では、政略結婚にしてもお互いにそれなりの節度が求められる時代となったのです。だから、昔のように愛人を持ち合うということはありえないのです。それに伴い婚約の解消も昔より容易になりました。そのことを陛下も理解しておられます。ですからすぐに婚約解消の運びとなったのです」
「しかし……」
ベルツ卿も夫人もまだ何か言いたげだったが、お父様が遮り、
「これ以上話すのは、お互いの時間の無駄です。セバスチアン、ベルツ卿方がお帰りだ」
するとセバスチアンはいきなり現れ、どうやっているかわからないがベルツ卿たちをあっさり屋敷から追い出した。
私とお父様はやっと終わったかと言わんばかりにため息を零した。
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