僕の輝ける伴星

渡辺 佐倉

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本編

確認

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「それでは私の呪いがとけたか確認してみてはいかがですか?」

ルイスがそう言った。
この会場で同じように訝しんだ人間はあと二人、どちらも魔法使いだ。

そのうち一人は解析の魔法を起動しようとしていた。しかし、これからやることの邪魔にしかならないので発動を阻害させてもらった。
二人ともおそらく優秀な魔法使いだ。
全てが終わったら、ルイスを通してどこかに推挙してもらおうと思う。


だから、王妃の代わりに確認のための魔法を起動したものはいない。

王妃はとけるはずの無い魔法に焦っている。
だから、当たり前の様に解析のための魔道具を起動した。

魔道具と言っても、起動にはその人の魔力が必要だ。
そのわずかな魔力だけでも分かることはたくさんある。

「うそよ……。呪いの痕跡が一切ないなんてっ!」

王妃は魔道具で確認して驚いている。
彼女の魔力反応がようやく取れた。

彼女は魔法使いではないという事になっている。
身の回りのことはすべて侍女にやらせてしまうため魔力反応だけは今まで取れなかった。

そして魔法使いではないという事になっている彼女の魔力反応は研究所でも宮廷魔法使いの書類にも何も記録はされていなかった。

記録されているこの国の全ての魔法使いに該当しない。
王族の誰かから呪いを移した人間、呪い自体を構築した人間と比較すればいい。

呪いの解析は完全に終了していたし、そのデータはすべて頭に入っている。
証拠として提出するためのデータも魔道具として今持っている。

彼女の魔力の癖、色を確認していく。

すぐに結果が出て、それをルイスに耳打ちする。
ルイスは一瞬さみし気な表情をしてそれから溜息をついた。

「私に、呪いを移したのはあなたなんですね」

ルイスは静かに王妃に言う。
国王陛下は驚いた様子で、ルイスを見てそれから王妃を見た。

「何を言っている。王妃がおまえに呪いをかける理由が無いだろう」

国王陛下は言う。

「呪いをかける理由がなくとも、わが子にかけられた呪いを避けようとすることはございます」

ルイスは淡々と答えた。
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