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【1章】断食魔女、森で隠遁生活を送る
13.いつも笑顔の人ほど、怒るととても怖いらしいです(1)
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たっぷりと時間をかけて身支度をしたあと、マリアが部屋に帰ってきた。
「ジャンヌさん、おはよう!」
「――――よくわたしが起きてるってわかったわね」
「わかるよ~~。だって、セドリックがお部屋の外で丸くなって座ってたもん」
「ああ……なるほど」
どうやらあの男は、未だ、誰からも助けてもらえないらしい。普段キラキラとカッコつけた神官様の情けない姿を、どれぐらいの人間が見たのだろう? 防音をしていたからわからないけど、実にいい気味である。
「サイリックを待っていたらしいんだけどね、可哀想だからあたしが助けてあげたの!」
「余計なことを」
くそう……マリアめ。ついこの間まで普通の女の子だったくせに! どうやら聖女っていうのは魔女と似て非なる力を持っているようだ。
「それで? 可哀想な神官様はどこへ行ったの?」
「えっとね、朝ごはんの準備をするって言ってたよ! 普段は食堂で食べるんだけど、今日はこのお部屋で食べていいよって!」
「は……」
「お食事の時間ですよ~~~~!」
上機嫌な神官様の声とともに、扉が勢いよく開く。
後には昨日見た数人の侍女が続いた。
「出た! 性懲りもなく、また来たのね……!」
っていうか、術を解かれたのは数分前でしょう! 早すぎっ。
「そんな、人を魔物みたいに言わなくても良いじゃありませんか!」
神官様はニコニコと微笑みつつ、テーブルに朝食をセッティングしていく。
「あなた、あんな目にあわされたのに、どうしてニコニコしていられるの⁉」
「あんな目? 私のモットーはキープスマイリング! 笑っていられないようなことは、何もありませんでしたよ?」
キョトンと目を丸くし、神官様が首を傾げる。
ダメだ。わたしにはこの男のことが、全く理解できない。
プライドをずたずたにしてやったつもりだったのに! 全く効いていないどころか、こっちがダメージを受けているじゃない!
もう嫌だ……ポジティブすぎて怖い。
本当に関わりたくないんだけど。
「ジャンヌさん、おはよう!」
「――――よくわたしが起きてるってわかったわね」
「わかるよ~~。だって、セドリックがお部屋の外で丸くなって座ってたもん」
「ああ……なるほど」
どうやらあの男は、未だ、誰からも助けてもらえないらしい。普段キラキラとカッコつけた神官様の情けない姿を、どれぐらいの人間が見たのだろう? 防音をしていたからわからないけど、実にいい気味である。
「サイリックを待っていたらしいんだけどね、可哀想だからあたしが助けてあげたの!」
「余計なことを」
くそう……マリアめ。ついこの間まで普通の女の子だったくせに! どうやら聖女っていうのは魔女と似て非なる力を持っているようだ。
「それで? 可哀想な神官様はどこへ行ったの?」
「えっとね、朝ごはんの準備をするって言ってたよ! 普段は食堂で食べるんだけど、今日はこのお部屋で食べていいよって!」
「は……」
「お食事の時間ですよ~~~~!」
上機嫌な神官様の声とともに、扉が勢いよく開く。
後には昨日見た数人の侍女が続いた。
「出た! 性懲りもなく、また来たのね……!」
っていうか、術を解かれたのは数分前でしょう! 早すぎっ。
「そんな、人を魔物みたいに言わなくても良いじゃありませんか!」
神官様はニコニコと微笑みつつ、テーブルに朝食をセッティングしていく。
「あなた、あんな目にあわされたのに、どうしてニコニコしていられるの⁉」
「あんな目? 私のモットーはキープスマイリング! 笑っていられないようなことは、何もありませんでしたよ?」
キョトンと目を丸くし、神官様が首を傾げる。
ダメだ。わたしにはこの男のことが、全く理解できない。
プライドをずたずたにしてやったつもりだったのに! 全く効いていないどころか、こっちがダメージを受けているじゃない!
もう嫌だ……ポジティブすぎて怖い。
本当に関わりたくないんだけど。
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