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【最終章】溺愛攻防、ついに決着
33.病みつきになっちゃいそうです
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(温かい――)
まどろみのなか、俺は腕に力を込める。ふわりと漂う甘い香りに思わず笑みが漏れた。
「クラルテ……」
目を開けて、真っ先に飛び込んでくる愛しい人の顔。いつもは見下される側なのに、今朝は俺が見下ろす側だ。
(いいな……こういうの。幸せだ)
ダメだ……口元がニヤけてしまう。
クラルテの寝顔は驚くほどに可愛かった。
化粧を落とした素肌は透明感に溢れていてついつい吸い寄せられてしまうし、眉毛もまつ毛も美しく、ついつい隅々まで観察したくなってしまう。薔薇色の頬に鮮やかな唇は言うまでもなく、俺の心を惹きつけてやまない。触れたくて触れたくて――けれど、そんなことをすれば起こしてしまうだろう。穏やかな睡眠を邪魔したくない。昨晩は相当無茶をさせたし――――と思ったところで自主規制。熱を逃すためにため息をつく。
(本当に、こんなことがあっていいんだろうか?)
幸せすぎて怖い。クラルテの頭を撫でながら、俺は静かに目をつぶる。
ロザリンデの一件以降、俺には結婚など無理だと思っていた。一度婚約をした相手に対して操を立てたい――ということもあったが、彼女に浮気をされ、愛想を尽かされたのは紛れもない事実で。きっと心のどこかで『他の女性とも同じことが起きる』と思っていたのだと思う。
(もしも今、クラルテを誰かにとられたら――――俺はどうするだろう?)
クラルテのまっすぐすぎる愛情が、笑顔が、他の誰かに向けられてしまったら? 彼女の愛らしい頬に、唇に、他の誰かが触れたら? 今俺がいる場所に他の誰かがいたとしたら?
――――ゾッとする。自分のなかに、こんなにもドロドロと黒い感情が存在しうることに。
大切にしたい。笑顔にしたい。幸せにしたい。……そう思うのと同じぐらい、クラルテを閉じ込めてしまいたくなる。誰にも見えないように仕舞い込んで、自分だけのものにしたくなる。
(怖い)
クラルテを失うことが。
自分自身が。とても、とても。
「おはようございます、ハルト様」
クラルテの声。ふと見れば、彼女は俺を見上げながら笑っていた。
(……可愛い)
本当に。可愛くて、眩しくて、俺にはもったいないとわかっている。……けれど、絶対に手放すことはできない。
「おはよう、クラルテ」
思い切り抱きしめて、頬に、額に口づける。クラルテは嬉しそうに笑いながら、俺のことを抱きしめ返した。
「これ……病みつきになっちゃいそうです」
「え?」
ドキッとしつつ聞き返せば、クラルテはいたずらっぽく笑った。
「朝起きたらハルト様が隣にいるってめちゃくちゃ幸せですね。思い切り抱きしめてもらえて、撫でてもらえて、わたくしもうすぐ死んじゃうんじゃないかってぐらい。このぬくもりを知っちゃったら、離れるとか無理じゃないですか?」
俺の胸にコテンと顔を預け、クラルテは俺を見上げてくる。小悪魔め……相変わらず俺を煽るのが恐ろしいほどに上手い――そんなことを思ったのは、クラルテを押し倒して、何度もキスをしたあとだった。感覚が完全にバグっている。恋というのは人をどこまでも愚かにするらしい。
「だけど、わたくしは少しだけ残念です」
「え? ……なにがだ?」
先程とは違った意味でドキドキしながら尋ねると、クラルテはえへへと首を傾げる。
「本当はわたくしのほうが先に起きて、思う存分ハルト様の寝顔を観察させていただこうと思ってたんです。だって、ハルト様の寝顔ってとっても可愛くて、わたくし大好きなんですもの」
俺の頬を突きながら、クラルテはふにゃっと笑った。
(ダメだ。完全に翻弄されている)
可愛い。可愛い。可愛すぎる!
こんなにドキドキさせられて、俺ばかり好きになって、あまりにも悔しい――――が、クラルテに勝つすべが俺にはわからない。これが惚れた弱みというものなのだろうか?
「だったら、明日も競争する?」
せめてこのぐらいは勝たせてもらわなければ……そう思って尋ねたら、クラルテは頬を真っ赤に染め、両手で顔を覆い隠した。
「~~~~わたくし、ハルト様には勝てる気がしません」
思わぬ返事。目を丸くしつつ、俺はふっと笑ってしまう。
「だったら次も俺が勝たせてもらう」
――本当はもうずっと、クラルテに負けっぱなしだけれど。俺たちは顔を見合わせつつ、声を上げて笑った。
***
とはいえ、呆けてばかりもいられない。
クラルテが好きになってくれたのは、真面目に仕事をしている俺のはずだ。そもそも、公私混同するなんて言語道断だし、きっちり仕事をこなさなければならない。
「――今日は普段の数倍気合が入ってるねぇ、ハルト。……わかりやすい」
そのとき、背後から声をかけられ、俺は思わずムッとした。プレヤさんだ。
「いいことがあったんでしょ? 卒業おめでとう……っと!」
ニヤニヤと口の端を上げて笑う彼に、俺は思わず魔法を飛ばす。プレヤさんはひらりとそれをかわしつつ、おどけたように両手を上げた。
「――プレヤさん、ゲスいです」
俺はともかくクラルテに対して失礼だろう。というか、そういう想像をされたと思うとナチュラルに殺意がわいてしまう。
「待て、ハルト! 大丈夫だから。さすがに想像とかしてないから!」
俺の本気を察したのだろう。プレヤさんは「どうどう」と口にしつつ、静かに息をついた。
「しかし、感慨深いなぁ。男の遊び心というものを全く理解できなかったハルトがねぇ」
「いえ。今もそんなものはまったく理解できませんけど」
彼の言う遊び心というのはつまり、色ごと――俺が女性に興味をまったく示さず、娼館に足を運ぶのすら拒否してきたことを言っているのだろう。
「正直僕、ハルトは新種の生き物なのかなぁって思ってたよ。僕が何度誘っても、そういう店にはついてきてくれなかったし」
「当然です。俺はクラルテだから触れたいのであって、他の女性にはまったく興味ありません」
「……男の付き合いって大事だと思わない?」
「思いません。そんな付き合いがなければ上手くいかないような関係なら、容赦なく切り捨てます」
「つまらないなぁ。今なら誘ったらついてきてくれると思ったのに」
プレヤさんはブツブツ言いつつ、遠くを見つめている。
「……しかし、相手がお前じゃなくてよかったよ」
「は? なにがです?」
「ううん、こっちの話」
俺の問いかけにプレヤさんは首を横に振ると「頑張れよ」と言って去っていくのだった。
まどろみのなか、俺は腕に力を込める。ふわりと漂う甘い香りに思わず笑みが漏れた。
「クラルテ……」
目を開けて、真っ先に飛び込んでくる愛しい人の顔。いつもは見下される側なのに、今朝は俺が見下ろす側だ。
(いいな……こういうの。幸せだ)
ダメだ……口元がニヤけてしまう。
クラルテの寝顔は驚くほどに可愛かった。
化粧を落とした素肌は透明感に溢れていてついつい吸い寄せられてしまうし、眉毛もまつ毛も美しく、ついつい隅々まで観察したくなってしまう。薔薇色の頬に鮮やかな唇は言うまでもなく、俺の心を惹きつけてやまない。触れたくて触れたくて――けれど、そんなことをすれば起こしてしまうだろう。穏やかな睡眠を邪魔したくない。昨晩は相当無茶をさせたし――――と思ったところで自主規制。熱を逃すためにため息をつく。
(本当に、こんなことがあっていいんだろうか?)
幸せすぎて怖い。クラルテの頭を撫でながら、俺は静かに目をつぶる。
ロザリンデの一件以降、俺には結婚など無理だと思っていた。一度婚約をした相手に対して操を立てたい――ということもあったが、彼女に浮気をされ、愛想を尽かされたのは紛れもない事実で。きっと心のどこかで『他の女性とも同じことが起きる』と思っていたのだと思う。
(もしも今、クラルテを誰かにとられたら――――俺はどうするだろう?)
クラルテのまっすぐすぎる愛情が、笑顔が、他の誰かに向けられてしまったら? 彼女の愛らしい頬に、唇に、他の誰かが触れたら? 今俺がいる場所に他の誰かがいたとしたら?
――――ゾッとする。自分のなかに、こんなにもドロドロと黒い感情が存在しうることに。
大切にしたい。笑顔にしたい。幸せにしたい。……そう思うのと同じぐらい、クラルテを閉じ込めてしまいたくなる。誰にも見えないように仕舞い込んで、自分だけのものにしたくなる。
(怖い)
クラルテを失うことが。
自分自身が。とても、とても。
「おはようございます、ハルト様」
クラルテの声。ふと見れば、彼女は俺を見上げながら笑っていた。
(……可愛い)
本当に。可愛くて、眩しくて、俺にはもったいないとわかっている。……けれど、絶対に手放すことはできない。
「おはよう、クラルテ」
思い切り抱きしめて、頬に、額に口づける。クラルテは嬉しそうに笑いながら、俺のことを抱きしめ返した。
「これ……病みつきになっちゃいそうです」
「え?」
ドキッとしつつ聞き返せば、クラルテはいたずらっぽく笑った。
「朝起きたらハルト様が隣にいるってめちゃくちゃ幸せですね。思い切り抱きしめてもらえて、撫でてもらえて、わたくしもうすぐ死んじゃうんじゃないかってぐらい。このぬくもりを知っちゃったら、離れるとか無理じゃないですか?」
俺の胸にコテンと顔を預け、クラルテは俺を見上げてくる。小悪魔め……相変わらず俺を煽るのが恐ろしいほどに上手い――そんなことを思ったのは、クラルテを押し倒して、何度もキスをしたあとだった。感覚が完全にバグっている。恋というのは人をどこまでも愚かにするらしい。
「だけど、わたくしは少しだけ残念です」
「え? ……なにがだ?」
先程とは違った意味でドキドキしながら尋ねると、クラルテはえへへと首を傾げる。
「本当はわたくしのほうが先に起きて、思う存分ハルト様の寝顔を観察させていただこうと思ってたんです。だって、ハルト様の寝顔ってとっても可愛くて、わたくし大好きなんですもの」
俺の頬を突きながら、クラルテはふにゃっと笑った。
(ダメだ。完全に翻弄されている)
可愛い。可愛い。可愛すぎる!
こんなにドキドキさせられて、俺ばかり好きになって、あまりにも悔しい――――が、クラルテに勝つすべが俺にはわからない。これが惚れた弱みというものなのだろうか?
「だったら、明日も競争する?」
せめてこのぐらいは勝たせてもらわなければ……そう思って尋ねたら、クラルテは頬を真っ赤に染め、両手で顔を覆い隠した。
「~~~~わたくし、ハルト様には勝てる気がしません」
思わぬ返事。目を丸くしつつ、俺はふっと笑ってしまう。
「だったら次も俺が勝たせてもらう」
――本当はもうずっと、クラルテに負けっぱなしだけれど。俺たちは顔を見合わせつつ、声を上げて笑った。
***
とはいえ、呆けてばかりもいられない。
クラルテが好きになってくれたのは、真面目に仕事をしている俺のはずだ。そもそも、公私混同するなんて言語道断だし、きっちり仕事をこなさなければならない。
「――今日は普段の数倍気合が入ってるねぇ、ハルト。……わかりやすい」
そのとき、背後から声をかけられ、俺は思わずムッとした。プレヤさんだ。
「いいことがあったんでしょ? 卒業おめでとう……っと!」
ニヤニヤと口の端を上げて笑う彼に、俺は思わず魔法を飛ばす。プレヤさんはひらりとそれをかわしつつ、おどけたように両手を上げた。
「――プレヤさん、ゲスいです」
俺はともかくクラルテに対して失礼だろう。というか、そういう想像をされたと思うとナチュラルに殺意がわいてしまう。
「待て、ハルト! 大丈夫だから。さすがに想像とかしてないから!」
俺の本気を察したのだろう。プレヤさんは「どうどう」と口にしつつ、静かに息をついた。
「しかし、感慨深いなぁ。男の遊び心というものを全く理解できなかったハルトがねぇ」
「いえ。今もそんなものはまったく理解できませんけど」
彼の言う遊び心というのはつまり、色ごと――俺が女性に興味をまったく示さず、娼館に足を運ぶのすら拒否してきたことを言っているのだろう。
「正直僕、ハルトは新種の生き物なのかなぁって思ってたよ。僕が何度誘っても、そういう店にはついてきてくれなかったし」
「当然です。俺はクラルテだから触れたいのであって、他の女性にはまったく興味ありません」
「……男の付き合いって大事だと思わない?」
「思いません。そんな付き合いがなければ上手くいかないような関係なら、容赦なく切り捨てます」
「つまらないなぁ。今なら誘ったらついてきてくれると思ったのに」
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