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Ver.4.0 ~星々の輝き、揺らめく境界~

ver.4.1-74 ゆるりと過ごす、その時間

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…ミーちゃんが来て翌日、メンテナンス中は会社のほうも休みのためゆっくりとした朝食を食べつつ、テレビのニュースを見ると、あのハイジャック事件に関しての報道が物凄く小さな感じで細々と紹介されてしまい、別のニュースのほうが一面を飾っていたために印象が非常に薄くなっていた。

「色々ごまかしたり、集団幻覚とかいう形で片づけられたりしたから、そこまで大きく報道されないかもしれないとは思っていたけど…これはこれで、納得しづらいような」
「まぁ、そこまで目立たないようになったし、良いんじゃないかな?」

 ミーちゃんはそういうし、報道自体がそこまで目立ったものではないのは良いのだが…代わりに一面を飾ったニュースが、『世界新奇祭特集』ってのはどうなのか。いや、その国々やそこの風習によって新しい祭りができるのは理解できるけど、一番最初に紹介されたのがあのロリコン大量の国のところのってどうなのか。
 そっちの方がハイジャックよりインパクトあるのかと思ったが、モザイクが多すぎるので、違う意味でインパクトはありそうだ。放送コードの問題とか、あとでテレビ局に大量クレームが入りそうだけど、何を思って選んだのだろうか…


 そんな朝からテンションが少々下がるような話題があったが、本日はどうするかと話を切り替えることにした。
 会社も休みだし、ミーちゃんもしばらくいるみたいだし…せっかくだから、どこかへ遊びに行きたいところである。こういう時にオンラインが使えないのは残念なんだよなぁ。

「というか、ミーちゃんっていつまでいるんだ?伯母さんのついでに来ているような気がするけど、ずっと滞在するとかはないんだよね?」
「あ、滞在期間に関しては問題ないよ。お母さん、全都道府県を回ってくるらしくて…たぶん、一月ほどかかるかなぁ」
「何のためにそんなことをしているの?」
「なんでも、知り合いに付き添っての旅行だって。お母さんの友人と巡り歩くらしいよ」

 なるほど。まぁ、一月ぐらいなら問題はないとは思うけど、そこまで休む友人というのはちょっときになるかな?
 このご時世、有休を使って長期的な休みを…難しいような?でも、やれなくもないのか?


「とりあえず、時間はあるようだし…メンテナンスが終わったら一緒にログインしようか」
「うん。でも、そこまでの時間つぶしで、何かあるかな?」

 うーんっとお互いに本日やりたいことを考えるが、中々良い案が出ない。
 久しぶりに一緒に遊ぶのなら、楽しみたいのだが…そんな都合のいい遊び場がこの周辺にあっただろうか?

「カラオケ、ゲームセンター、公園…周辺の施設を検索すると、そこそこは出るけどね」
「これぞ!と言えるようなのが、中々ないよね」
「遊ぶとき、外で駆け回っていたことが多いから運動する方がいいかもしれないけど…」

 選択肢はあれども、どれが一番いいのか悩むところがある。
 ならば、どうすればいいのか…考えてもきりがないか?


「時間があるし、この際全部回ってみようか?」
「そうしようか」

 幸いなことに、遊ぶ軍資金ならたくわえがある。
 特に飲みに行くようなこともないし、オンライン内で事足りることが多かったし、そもそも無駄遣いとかそんなにしないので、節約をしなくとも多少はたまりやすい。
 そのため、全部めぐっても余裕はあるだろう…たぶん。

 過去のゲームセンター襲撃不良リアル格ゲー事件を思い出すと、万が一の弁償金なども備えておくべきかなという不安も多少はあるが、流石にそんなことはそうそうないだろうと思い、僕らは行動に移すのであった。






…そんな会話が春とミントの間でなされていたそのころ。
 街中のとある路地裏で、集う者たちがいた。

「本当か、一般人の家にいるだと?」
「ああ、間違いないだろう。どうやら従兄…血のつながりもないようだが親しい仲のものがいたようで、そちらの家に滞在しているらしい」
「仲のいい幼馴染のような関係か…うらやましいな」
「今そんなことを思う必要はないだろう」

 何やらずれたものが混ざっているようだが、一蹴するものたち。

「それで、どうする?今から襲撃するか?」
「いや、ダメだ。あの家を軽く調べたが、どうやら例の会社の使用人システムが導入されているらしい。近隣の空き巣などがすでに逮捕されているらしい」
「それは厳しいな。セキュリティの難易度が一気に上がるぞ」
「だが、どうやら今日は遊びに出かけるらしい。室内への襲撃は厳しいが、外ならばいくらでもやりようがあるだろう」

 情報を集める中で、下手をすれば絶望的になりかねない脅威も確認できたが、外に出てきてくれるのであれば都合がいいと彼らは安堵の息を吐く。
 襲撃をかけるにしてもできるだけ被害を出したくなく、だからこそリスクが減らせそうであれば可能な限りしておきたいのだ。

「だが、あの女自身も相当強いと聞く。油断すれば、反撃されるぞ」
「だからこそ、薬も必要だ。ただの眠り薬は効き目が薄いとも聞くが…猛獣用の麻酔に使用されるレベルのものを用意しなければな」
「その情報はどこから?」
「先月、ある国で誘拐をもくらんだ奴らが風上から流したらしいが…まったく効き目がなかったうえに、無臭のはずが何故か嗅ぎつけられて…地元警察が後始末が大変だと説教をかましていたな」
「…何があったんだよ」

 やるからには覚悟を決めるが、それでも不安はある。
 だが、彼らとて仕事へのプライドはあるので、不安をどうにか払拭して挑むことにしたのであった…。


「しかし、ただの研究者の女だろ?そんなに滅茶苦茶強いんかね?」
「強いというか、なんというか、技術を極めているような…まぁ、あれでもまだおとなしい方らしいぞ?むしろ、昔の情報を集めたらよく落ち着いたなと思うほどだ」
「そんなにかよ」
「ああ、いくつかあるが…やばいと思うのは、ヤクザ全面抗争に何をどうしてか巻き込まれたときに、ニトログリセリン(原液そのまま)大量投入とかかな…」
「…何をどうやって、そんなことになった)

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