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Ver.4.0 ~星々の輝き、揺らめく境界~
ver.4.2-0.4 ミステリートレイン
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…カジノでの激闘は、春とミントの互角の戦いとなった。
スロットマシンでジャックポット、トランプでロイヤルストレートフラッシュ、ルーレットでは一点賭け…は流石にやらず、地道にいくつか保険を賭けてやりつつ、稼ぎに稼ぐ。
これが本当のお金であれば、相当な金額になっただろうが、残念ながらこのミステリートレイン用に設けられた通貨なので、稼いでもそこまでの利用価値は微妙なところだろう。
そもそも賭け事を勝負にした場合、どこで区切りをつけるのかということが問題になるが、そこはとりあえず日が沈むまでとしておいて…ようやく、結果が出たのであった。
「…それで、勝負に勝ったのは…ミーちゃんかぁ…」
出た結果にがっくりしつつ、春はお風呂に入っていた。
先ほど示された、儲けた金額。
結構自信があったのだが、最後のほうの怒涛のロイヤルストレートフラッシュ10を喰らってしまったのが効いてしまったようで、惜しいところでミーちゃんに負けてしまった。
スロットマシンとかでは稼げていたのだが、それでも足りず敗北。
結果としてミーちゃんが勝利したわけだが…まぁ、楽しかったから良しとしよう。
それに、カジノで遊ぶ人も結構多かったので、そこそこ交流ができてだれがどういう人なのかおおよそ掴めたところでもある。
どうも、このミステリートレインに乗っている人の半数がアルケディア・オンライン内の各惑星であったイベントで偶然入手した人が多いようで、プレイヤーと言える人ばかり。
残りに関しては、企業の付き合いのよしみで譲ってもらったり、友人が獲得したが何らかの事情で行けなかったので代わりにというものや、期間限定ネット販売でもやっていたところがあったらしい。
「そう考えると、色々な事情を持った人が集まっているけれども…みんな、このツアーを楽しんでいるなぁ」
行き先不明のミステリートレイン。その先がどこなのかわからずとも、楽しめるものならとことん楽しんでしまえというような人ばかり。
一人、夫婦、カップル、友人同士など様々で、組み合わせもばらばらだけどこのツアーを面白く思っている人が多いだろう。
まぁ、娯楽施設にはまってしまったせいなのか、奥さんにパイルドライバーを決められて引きずられて連れていかれた人もいたが…うん、旅は長いし、程々にしてもらえばいいだろう。しかしあれ、見事な一撃だったな…聞いたら夫婦でプロレスラーらしいけど、奥さんの方はチャンピオンまであと一歩ところまで上り詰めたこともあるらしい。
「それにしても、この温泉の湯に浸かれる風呂場も良いなぁ…」
はふぅっと安堵の息を吐き、体の力を抜いてゆったりと浸かる。
列車内だからもうちょっと揺れたりしてお湯がこぼれるなどのハプニングがありそうなものなのだが、そういうものに備えて揺れの対策が施されているらしく、穏やかに浸かることができる。
そこそこ広いし、足を思いっきり延ばせる風呂場というのも良いだろう…あ、サウナも見つけた。
ゆったりと過ごしながら外の方を見れば、いつの間にか日が沈んできたようで、暗くなりつつある。
ミステリートレインの初日は勝負で敗北の味を味わいつつも、楽しめそうだなと思うのであった…
『---こちら、スカルワン、スカルワン、本部応答せよ』
『繰り返す、作戦は続行。地下部隊がやられたが、それでも続行せよ』
【…盗聴対策はしているようですが、この程度なら大丈夫ですネ】
あたり一帯が真っ暗になり、月明かりが照らし始める真夜中。
ロロは先ほどから家を狙ってきている者たちの動向を探るために、相手の無線などの通信手段を確認し、情報をしっかりと抜き取っていた。
【大まかな作戦内容としては、神系スキルの持つプレイヤー狙い…暗殺とかではなく、誘拐目的のほうで動いているようですネ】
ここでの盗聴やその他の情報収集から、相手の目的もだいぶ探ることができてきた。
どうやら、相手のおおざっぱな目的としては誘拐がメインのようである。
神系スキルの所持者であるプレイヤーの現実世界での居場所を探し、そこから連れ去って何かをしでかそうとしているようだ。
【ゲーム内での神系スキル所持者狙い…今はまだ現実では意味がないのに、狙おうとしてくるとは、現実での誘拐というリスクの高さに対して大胆に動きますネ】
誘拐した先でどうするのかまでは調査中だが、ひとまずは相手の狙いの一部が分かっただけでも十分である。
運営会社のほうも動いているようで、先ほどハッキング先を突き止めたらしく、逆ハッキングを仕掛けて目的を更に引きずり出そうとして動いているという連絡もあった。
いくつかダミーが用意されていたり、トラップもあるようだがそんなものは関係ない。
相手の情報がわずかでも集まってくれば、そこからすぐに辿り着くことが可能なので、現時点で相手は気が付かずに追い詰められていっている状態である。
【敵対企業名『アロンガスフロンティア』…メーゼ・イワド社に対して、先月あたりから情報強奪を狙って動いていた企業ですネ。ああ、潰れたユニコーンx社と近い立場にいて、そこからも情報を抜き取って動いていたのですカ】
いつぞやか仕掛けてきて、いつの間にか潰れていた滅亡企業。
その企業と近い立場にあった敵対企業が今回の一件を引き起こしたようで、情報がどんどん集まってくる。
【なるほど、電子頭脳システムなどの情報も得つつ、裏社会でハックツールなども出しており…AIシステムの過剰進化も行い、ハッキングを仕掛けられるだけの技術を得たのですカ】
運営会社のセキュリティも相当強化されているはずだが、まだまだ発展途上な面もあり、その弱い部分を突くだけの力を得ていたらしい。
会社の経営方針もコンピュータ任せにしているところがあるようで、この襲撃もその判断によるものらしいが…いかんせん、現場との乖離もあるせいか、未熟さが見えてくる。
【本当なら、徹底しておくのが良いのですが…ああ、異常をきたしてますネ。外部からの情報収集で得た中に、悪いものもあって暴走に近いのでしょウ】
相手の頭がちょっとゆであがっている状態のようで、お粗末な部分が見えてくる。
だが、どういう事情があろうとも敵対してきた以上、手を抜く気はない。
【他のスキル所持者宅は…ええ、大丈夫ですネ。どの家もしっかり仲間が守っているようデス。なら、気にしなくてもいいでしょウ。とりあえず…空から来そうなので、こちらも仕掛けておきましょウ】
地下からの相手であれば、潰したり押し出したりして、周囲への被害は抑えられる。
だが、空からの相手の場合、どこかに墜落すれば普通に大惨事になることが目に見えているので、関係のない人たちへの被害は避けたくあり…そのため、通常火器による対空砲一斉砲撃は使えない。
パルスレーザー、電磁ネット、対空ミサイル、人工雷雲発生装置などの機能は備えているが、それらも厳しいところがあるだろう。
ならば、どうするか?
単純なことだ。相手をこの空域から吹っ飛ばして、安全な場所で墜落してもらえばいい。。
【超反発磁界生成砲装填。照準固定…ファイヤ】】
がごんっと屋根が開き、出てきたのは巨大なパラボラアンテナのような装置。
発射の合図とともにバチバチと妙な音を立てながら光線のようなものを撃ちだし、上空にいた敵へ照射する。
【マルチロックオン完了…続けて第2、3照射。全ターゲットに照射後、対極電磁玉を上空へ発射し、機動。傾斜20度ほど上に向けて反発させ、目標地点まで吹っ飛ばすのデス】
飛行機だろうとヘリコプターだろうと、空を飛ぶ敵に対して砲撃して磁力を纏わせ、続けて撃つ球で反発させて吹っ飛ばすだけの簡単な兵装。
火薬武器などではないので爆発してその場で木っ端みじんにすることなどはできないが、代わりに対象のみに対してすさまじい電磁波を送ることができ、計器類を使い物にならなくすることぐらいはできる。
使いようによっては現代社会にとってかなりの脅威になりかけない特殊な攻撃だが、今はただ、敵対する相手のみに振るわれまくるのであった…
【…さて、後は地上部隊の方ですがこちらはどう対応しましょうカ?空や地下なら、他の人に見られないでやりやすいのですが、地上がちょっと厄介ですネ】
…なお、パラボラアンテナのような装置などは思いっきり目立ちそうなものなのだが、実はちょっとばかり細工を施しており、何も出ていないように周辺の空間を歪めて認識させるように仕掛けているので、このぐらいであればまだ目立たないのであった。
スロットマシンでジャックポット、トランプでロイヤルストレートフラッシュ、ルーレットでは一点賭け…は流石にやらず、地道にいくつか保険を賭けてやりつつ、稼ぎに稼ぐ。
これが本当のお金であれば、相当な金額になっただろうが、残念ながらこのミステリートレイン用に設けられた通貨なので、稼いでもそこまでの利用価値は微妙なところだろう。
そもそも賭け事を勝負にした場合、どこで区切りをつけるのかということが問題になるが、そこはとりあえず日が沈むまでとしておいて…ようやく、結果が出たのであった。
「…それで、勝負に勝ったのは…ミーちゃんかぁ…」
出た結果にがっくりしつつ、春はお風呂に入っていた。
先ほど示された、儲けた金額。
結構自信があったのだが、最後のほうの怒涛のロイヤルストレートフラッシュ10を喰らってしまったのが効いてしまったようで、惜しいところでミーちゃんに負けてしまった。
スロットマシンとかでは稼げていたのだが、それでも足りず敗北。
結果としてミーちゃんが勝利したわけだが…まぁ、楽しかったから良しとしよう。
それに、カジノで遊ぶ人も結構多かったので、そこそこ交流ができてだれがどういう人なのかおおよそ掴めたところでもある。
どうも、このミステリートレインに乗っている人の半数がアルケディア・オンライン内の各惑星であったイベントで偶然入手した人が多いようで、プレイヤーと言える人ばかり。
残りに関しては、企業の付き合いのよしみで譲ってもらったり、友人が獲得したが何らかの事情で行けなかったので代わりにというものや、期間限定ネット販売でもやっていたところがあったらしい。
「そう考えると、色々な事情を持った人が集まっているけれども…みんな、このツアーを楽しんでいるなぁ」
行き先不明のミステリートレイン。その先がどこなのかわからずとも、楽しめるものならとことん楽しんでしまえというような人ばかり。
一人、夫婦、カップル、友人同士など様々で、組み合わせもばらばらだけどこのツアーを面白く思っている人が多いだろう。
まぁ、娯楽施設にはまってしまったせいなのか、奥さんにパイルドライバーを決められて引きずられて連れていかれた人もいたが…うん、旅は長いし、程々にしてもらえばいいだろう。しかしあれ、見事な一撃だったな…聞いたら夫婦でプロレスラーらしいけど、奥さんの方はチャンピオンまであと一歩ところまで上り詰めたこともあるらしい。
「それにしても、この温泉の湯に浸かれる風呂場も良いなぁ…」
はふぅっと安堵の息を吐き、体の力を抜いてゆったりと浸かる。
列車内だからもうちょっと揺れたりしてお湯がこぼれるなどのハプニングがありそうなものなのだが、そういうものに備えて揺れの対策が施されているらしく、穏やかに浸かることができる。
そこそこ広いし、足を思いっきり延ばせる風呂場というのも良いだろう…あ、サウナも見つけた。
ゆったりと過ごしながら外の方を見れば、いつの間にか日が沈んできたようで、暗くなりつつある。
ミステリートレインの初日は勝負で敗北の味を味わいつつも、楽しめそうだなと思うのであった…
『---こちら、スカルワン、スカルワン、本部応答せよ』
『繰り返す、作戦は続行。地下部隊がやられたが、それでも続行せよ』
【…盗聴対策はしているようですが、この程度なら大丈夫ですネ】
あたり一帯が真っ暗になり、月明かりが照らし始める真夜中。
ロロは先ほどから家を狙ってきている者たちの動向を探るために、相手の無線などの通信手段を確認し、情報をしっかりと抜き取っていた。
【大まかな作戦内容としては、神系スキルの持つプレイヤー狙い…暗殺とかではなく、誘拐目的のほうで動いているようですネ】
ここでの盗聴やその他の情報収集から、相手の目的もだいぶ探ることができてきた。
どうやら、相手のおおざっぱな目的としては誘拐がメインのようである。
神系スキルの所持者であるプレイヤーの現実世界での居場所を探し、そこから連れ去って何かをしでかそうとしているようだ。
【ゲーム内での神系スキル所持者狙い…今はまだ現実では意味がないのに、狙おうとしてくるとは、現実での誘拐というリスクの高さに対して大胆に動きますネ】
誘拐した先でどうするのかまでは調査中だが、ひとまずは相手の狙いの一部が分かっただけでも十分である。
運営会社のほうも動いているようで、先ほどハッキング先を突き止めたらしく、逆ハッキングを仕掛けて目的を更に引きずり出そうとして動いているという連絡もあった。
いくつかダミーが用意されていたり、トラップもあるようだがそんなものは関係ない。
相手の情報がわずかでも集まってくれば、そこからすぐに辿り着くことが可能なので、現時点で相手は気が付かずに追い詰められていっている状態である。
【敵対企業名『アロンガスフロンティア』…メーゼ・イワド社に対して、先月あたりから情報強奪を狙って動いていた企業ですネ。ああ、潰れたユニコーンx社と近い立場にいて、そこからも情報を抜き取って動いていたのですカ】
いつぞやか仕掛けてきて、いつの間にか潰れていた滅亡企業。
その企業と近い立場にあった敵対企業が今回の一件を引き起こしたようで、情報がどんどん集まってくる。
【なるほど、電子頭脳システムなどの情報も得つつ、裏社会でハックツールなども出しており…AIシステムの過剰進化も行い、ハッキングを仕掛けられるだけの技術を得たのですカ】
運営会社のセキュリティも相当強化されているはずだが、まだまだ発展途上な面もあり、その弱い部分を突くだけの力を得ていたらしい。
会社の経営方針もコンピュータ任せにしているところがあるようで、この襲撃もその判断によるものらしいが…いかんせん、現場との乖離もあるせいか、未熟さが見えてくる。
【本当なら、徹底しておくのが良いのですが…ああ、異常をきたしてますネ。外部からの情報収集で得た中に、悪いものもあって暴走に近いのでしょウ】
相手の頭がちょっとゆであがっている状態のようで、お粗末な部分が見えてくる。
だが、どういう事情があろうとも敵対してきた以上、手を抜く気はない。
【他のスキル所持者宅は…ええ、大丈夫ですネ。どの家もしっかり仲間が守っているようデス。なら、気にしなくてもいいでしょウ。とりあえず…空から来そうなので、こちらも仕掛けておきましょウ】
地下からの相手であれば、潰したり押し出したりして、周囲への被害は抑えられる。
だが、空からの相手の場合、どこかに墜落すれば普通に大惨事になることが目に見えているので、関係のない人たちへの被害は避けたくあり…そのため、通常火器による対空砲一斉砲撃は使えない。
パルスレーザー、電磁ネット、対空ミサイル、人工雷雲発生装置などの機能は備えているが、それらも厳しいところがあるだろう。
ならば、どうするか?
単純なことだ。相手をこの空域から吹っ飛ばして、安全な場所で墜落してもらえばいい。。
【超反発磁界生成砲装填。照準固定…ファイヤ】】
がごんっと屋根が開き、出てきたのは巨大なパラボラアンテナのような装置。
発射の合図とともにバチバチと妙な音を立てながら光線のようなものを撃ちだし、上空にいた敵へ照射する。
【マルチロックオン完了…続けて第2、3照射。全ターゲットに照射後、対極電磁玉を上空へ発射し、機動。傾斜20度ほど上に向けて反発させ、目標地点まで吹っ飛ばすのデス】
飛行機だろうとヘリコプターだろうと、空を飛ぶ敵に対して砲撃して磁力を纏わせ、続けて撃つ球で反発させて吹っ飛ばすだけの簡単な兵装。
火薬武器などではないので爆発してその場で木っ端みじんにすることなどはできないが、代わりに対象のみに対してすさまじい電磁波を送ることができ、計器類を使い物にならなくすることぐらいはできる。
使いようによっては現代社会にとってかなりの脅威になりかけない特殊な攻撃だが、今はただ、敵対する相手のみに振るわれまくるのであった…
【…さて、後は地上部隊の方ですがこちらはどう対応しましょうカ?空や地下なら、他の人に見られないでやりやすいのですが、地上がちょっと厄介ですネ】
…なお、パラボラアンテナのような装置などは思いっきり目立ちそうなものなのだが、実はちょっとばかり細工を施しており、何も出ていないように周辺の空間を歪めて認識させるように仕掛けているので、このぐらいであればまだ目立たないのであった。
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