418 / 673
Ver.5.0 ~世界の焔と、導きの篝火~
er.5.0-8 混浴ではないのだけれども
しおりを挟む
「黒き女神、第二形態…水着バージョンかぁ…久しぶりだけど、やっぱりちょっと恥ずかしい…」
「あれ?第一形態と第三形態、前に見たことがある特殊形態とかじゃないんだね。しかも、恥ずかしいって言うけど、滅茶苦茶真っ黒に燃える炎のマントのせいで、中身が見えないよ」
「中のほうがしっかり水着になっているから、ブラックフレイムの特性を生かして炎でごまかしているんだよ!!」
…しぶしぶしくしく諦めつつ心で泣きつつ、再びなった黒き女神での水着姿。
第二形態を選択している理由としては、こちらの形態のほうが他の形態よりも動かしやすさや加減のしやすさがあり、泳いで水球の真ん中にある島へ向かうには都合が良いからである。
なお、第三形態だけは絶対に水着でやる気はない。ここまでまだ許容範囲で、第三形態だと余計にえぐくなる…形態に合わせて水着が自動的に変化する特性もあったようで、既に試着して確認しているのだ。
「何にしても、これで泳いでいけば問題ないかな…うん、炎のマントを纏っているから、素肌を晒すよりもさらに耐性が高くなっているようだしね」
「うーん、でもちょっと残念かも。もうちょっと堂々と水着を見せても面白いのに。せっかく、女神の名が付くだけあってスタイルが良いからねぇ…何だろう、ハルがもともと男の子なのに、女の子の姿になってよりスタイルが良いのを見ると、ちょっと嫉妬するのはなぜだろう」
それは知らない。
嫉妬しようがしまいが、この姿になるスキルに文句を言ってほしい。前にランプで分身みたいになったときに自動的に動かせたから、文句を言うような真似もできるはずである。
とにもかくにも、この形態かつ水着を着こなせば、問題なくあの水球の奥に見える島へたどり着き、目的のプロテニアフラワーの蜜を採取できるはずである。
「それじゃ、飛び込んでみて…ああ、息に関してはこっちも大丈夫か」
じゃぼんっと思い切って入ってみたところ、どうやら溺れる心配はなさそうである。
水の中にいるのに炎のスリップダメージはあるようだが耐性が上がっていることで微々たるものになっているし、溺れるかと思っていたのだがどうも空気の中にいるのと同じで呼吸が普通にできる様子。
息が持たないようであれば、酸素ボンベ代わりにと思って錬金術で作った空気飴…なめると水中で呼吸ができるようになるアイテムを使うことも考えていたが、この様子ならば必要ないだろう。
「試しに泳いでみると…うん、こっちは普通に水の感触で出来るし、わけわからない感じがするよなぁ…」
空中を泳いでいるような気分だが、そうじゃない感触もする。
けれども、泳いでいることには変わりはなく、地道に前へ進んでいく。
見たところ水球内は中央の島以外は何もない様なので、このまま何もぶつからずに辿り着くことが出来るだろう。
だがしかし、経験上こういう場所こそ何かが仕込まれているのは確実であり、そう簡単に行かないことはよく知っている。
だからこそ、機動力が見込める第二形態になっているというのも理由であり…そして、予想できるのであれば冷静に対処しやすい。
「っ!!」
女神の姿になるとあらゆるステータスが上がっているのだが、テイムモンスターからの力を借りることはそのままできており、警戒のためにリンの警戒能力を借りていた。
そのおかげで、この状況下ですぐに何が起きるか気が付き、行動に移せる。
「そこだ!!」
メッゴォォォォォス!!
【ザメェェェェェェ!?】
体を回転させ、勢いに乗せて拳を繰り出せばぐしゃりと潰す感覚があり、見えざる何かが悲鳴を上げたのを確認した。
どうやら何もいないように見えていた水球の中だったが…透明な敵は仕込まれていたようである。
「リンの警戒能力で周囲をより注意深く見てよかった…一瞬だけ、後方の水の流れがおかしかったからね」
今の一体はこの一撃で潰したようだが…それでも、周囲に改めて警戒を向けてみれば、まだまだこれで終わってはいない様子。
バレたのが分かっているのか隠すことをやめたようで、大きな水の揺らぎが伝わってくる。
「見えないのを良いことに囲んでいたか…なるほど、ただの採取クエストなら楽だったけど、そうはいかないって奴かな」
最初から楽に取らせる気はなく、不可視の相手が用意されていたのだろう。
水中でかつ大勢に囲まれている状況は、普通であれば不利な状況なのかもしれない。
「でも、残念だね。水中では陸地よりも戦いにくそうだけど…こちら、ちょうど水中で動きやすい水着姿なうえに、水中戦対応の力もあるんだよ!!」
燃え上がる炎のマントの熱量が上がったのか、ごぼごぼと周囲の水が沸騰し始める。
炎の性質を持つような水であっても沸騰するのかと思いつつ、蒸発させる勢いで解放していく。
【【【ザメザメザメェェェェ!!】】】
「姿が見えないような相手だけど、見過ごされるようおとなしくしていたほうが良かったかもね!!」
不可視の大人数相手に対して女神になっていない状態で戦いを挑んだら、すぐにデスペナルティ一直線の、ver.5になって追加されたという『冥界』とやらに堕ちたかもしれないが、黒き女神としての力を最初から使っているのであれば問題はない。
周囲から距離を詰めて突撃してくる相手の気配を感じ取りつつ、水中戦を開始するのであった…
…冥界とやらも気になるけど、それはまた別の機会があったら向かってみよう。噂だと、冥界のフィールドも何やら面白いものがあるという話だしね。
「あれ?第一形態と第三形態、前に見たことがある特殊形態とかじゃないんだね。しかも、恥ずかしいって言うけど、滅茶苦茶真っ黒に燃える炎のマントのせいで、中身が見えないよ」
「中のほうがしっかり水着になっているから、ブラックフレイムの特性を生かして炎でごまかしているんだよ!!」
…しぶしぶしくしく諦めつつ心で泣きつつ、再びなった黒き女神での水着姿。
第二形態を選択している理由としては、こちらの形態のほうが他の形態よりも動かしやすさや加減のしやすさがあり、泳いで水球の真ん中にある島へ向かうには都合が良いからである。
なお、第三形態だけは絶対に水着でやる気はない。ここまでまだ許容範囲で、第三形態だと余計にえぐくなる…形態に合わせて水着が自動的に変化する特性もあったようで、既に試着して確認しているのだ。
「何にしても、これで泳いでいけば問題ないかな…うん、炎のマントを纏っているから、素肌を晒すよりもさらに耐性が高くなっているようだしね」
「うーん、でもちょっと残念かも。もうちょっと堂々と水着を見せても面白いのに。せっかく、女神の名が付くだけあってスタイルが良いからねぇ…何だろう、ハルがもともと男の子なのに、女の子の姿になってよりスタイルが良いのを見ると、ちょっと嫉妬するのはなぜだろう」
それは知らない。
嫉妬しようがしまいが、この姿になるスキルに文句を言ってほしい。前にランプで分身みたいになったときに自動的に動かせたから、文句を言うような真似もできるはずである。
とにもかくにも、この形態かつ水着を着こなせば、問題なくあの水球の奥に見える島へたどり着き、目的のプロテニアフラワーの蜜を採取できるはずである。
「それじゃ、飛び込んでみて…ああ、息に関してはこっちも大丈夫か」
じゃぼんっと思い切って入ってみたところ、どうやら溺れる心配はなさそうである。
水の中にいるのに炎のスリップダメージはあるようだが耐性が上がっていることで微々たるものになっているし、溺れるかと思っていたのだがどうも空気の中にいるのと同じで呼吸が普通にできる様子。
息が持たないようであれば、酸素ボンベ代わりにと思って錬金術で作った空気飴…なめると水中で呼吸ができるようになるアイテムを使うことも考えていたが、この様子ならば必要ないだろう。
「試しに泳いでみると…うん、こっちは普通に水の感触で出来るし、わけわからない感じがするよなぁ…」
空中を泳いでいるような気分だが、そうじゃない感触もする。
けれども、泳いでいることには変わりはなく、地道に前へ進んでいく。
見たところ水球内は中央の島以外は何もない様なので、このまま何もぶつからずに辿り着くことが出来るだろう。
だがしかし、経験上こういう場所こそ何かが仕込まれているのは確実であり、そう簡単に行かないことはよく知っている。
だからこそ、機動力が見込める第二形態になっているというのも理由であり…そして、予想できるのであれば冷静に対処しやすい。
「っ!!」
女神の姿になるとあらゆるステータスが上がっているのだが、テイムモンスターからの力を借りることはそのままできており、警戒のためにリンの警戒能力を借りていた。
そのおかげで、この状況下ですぐに何が起きるか気が付き、行動に移せる。
「そこだ!!」
メッゴォォォォォス!!
【ザメェェェェェェ!?】
体を回転させ、勢いに乗せて拳を繰り出せばぐしゃりと潰す感覚があり、見えざる何かが悲鳴を上げたのを確認した。
どうやら何もいないように見えていた水球の中だったが…透明な敵は仕込まれていたようである。
「リンの警戒能力で周囲をより注意深く見てよかった…一瞬だけ、後方の水の流れがおかしかったからね」
今の一体はこの一撃で潰したようだが…それでも、周囲に改めて警戒を向けてみれば、まだまだこれで終わってはいない様子。
バレたのが分かっているのか隠すことをやめたようで、大きな水の揺らぎが伝わってくる。
「見えないのを良いことに囲んでいたか…なるほど、ただの採取クエストなら楽だったけど、そうはいかないって奴かな」
最初から楽に取らせる気はなく、不可視の相手が用意されていたのだろう。
水中でかつ大勢に囲まれている状況は、普通であれば不利な状況なのかもしれない。
「でも、残念だね。水中では陸地よりも戦いにくそうだけど…こちら、ちょうど水中で動きやすい水着姿なうえに、水中戦対応の力もあるんだよ!!」
燃え上がる炎のマントの熱量が上がったのか、ごぼごぼと周囲の水が沸騰し始める。
炎の性質を持つような水であっても沸騰するのかと思いつつ、蒸発させる勢いで解放していく。
【【【ザメザメザメェェェェ!!】】】
「姿が見えないような相手だけど、見過ごされるようおとなしくしていたほうが良かったかもね!!」
不可視の大人数相手に対して女神になっていない状態で戦いを挑んだら、すぐにデスペナルティ一直線の、ver.5になって追加されたという『冥界』とやらに堕ちたかもしれないが、黒き女神としての力を最初から使っているのであれば問題はない。
周囲から距離を詰めて突撃してくる相手の気配を感じ取りつつ、水中戦を開始するのであった…
…冥界とやらも気になるけど、それはまた別の機会があったら向かってみよう。噂だと、冥界のフィールドも何やら面白いものがあるという話だしね。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1,941
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる