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Ver.6.0 ~揺らぎと蕩けと混ざる世界~

ver.6.0-24 星の瞬きは一瞬で

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…星が寿命を終える時、その姿は様々なものがある。
 他の天体が衝突したり、大きくなってから小さくなったり、爆発したり、それに飲み込まれたりなど、何かと理由があって終わりを迎えるだろう。

 その中でも、太陽よりもはるかに重い星が起こす超新星爆発は、トップクラスにド派手だとは思うのだが…流石に、そこに追加のものが加わると、よりやばいものになったようである。







ドッゴォォォォォォォォォウ!!

 女神の力+宝石獣による模写された女神の力が混ざったエネルギーが追加され、超新星爆発を起こす寸前だった星は、予定されていた爆発よりもさらに大きな爆発生みだす。

 周囲一帯に集まっていた青い獣たちはその爆発に飲み込まれ、失われていく。

「凄まじい爆発だけど、これ本当に大丈夫!?」
【想定よりもやや上回ってマスね…グレイ号のシールドは大丈夫ですが、艦体制御が難しいデス!!】

 対閃光・対ショック用の保護防壁も働き、艦橋の窓にもしっかりとシャッターが張り巡らされて、まばゆい光は入ってこないし、グレイ号自体に傷がつくことはないらしい。
 だが、それでも流石に超新星爆発クラスのものだと完全ではないようで、衝撃波によって船が大きく揺れ動かされる。


【重力場の生成を確認!!ブラックホール出現しマス!!】
【姿勢制御バランサーレベル3へ!!誤ってブラックホールに突っ込まないように、方向制御!!】

 ちょっとばかり衝撃が緩くなったところで、ブラックホールができたようだ。
 これで爆発に飲み込まれなかった分も吸い込まれるだろうが、こちらもこのまま何もしなかったら運命を共にしていただろう。

 だが、そうはいかないようにしているのだ。

「脱出経路確認、メインエンジン全開!!現宙域から全速力で離脱せよ!!」
【了解!!出力上昇、補助エンジン及びブースターも作動!!】

 ごごぅっと唸りをあげ、エンジンが全力で稼働する。
 以前、別件で全力逃走時にも酷使した時があったが、その時のデータも活かされており、多少の限界稼働状態でも耐えられるようになっている。

【2号艦エネルギー牽引装置接続完了!!オーバーブースターも合わせて、離脱いたしマス!!】

 相当な爆発に見合った、強力なブラックホールの出現により、その超重力圏もかなり広がっていたようだ。

 でも、こちらもそれに対応できるようにある程度の策を講じていたので、すぐにその領域を抜け出すことが出来た。


「モニターに、あいつらの様子を映してくれ」
【了解デス】

 ある程度の距離を取って安全になったところで、ブラックホールの方へ船外カメラを向けた。

 本来、超重力場過ぎて光すら逃さないため観測が難しいようだが…一応ここは、アルケディア・オンラインの中だ。
 多少の融通は現実の世界よりもできるらしく、映像が映し出される。


【…ああ、吸い込まれていく。あのものたちが】
「耐えきれるだけのものもいたようだけど…流石に、あの重力は無理か」

 超新星爆発に耐えきって、残っていた青い宝石獣たちがいたようだ。
 けれども、当初の予定通りにその重力場から逃れることが出来る者はいなかったようで、次々に吸われて行き、この世界から消えていく。

「ロロ、ブラックホールに吸い込まれればあいつらはもう二度と帰ってこれないよね?」
【ハイ。現実世界のブラックホールであれば、まだ多少の逃れるすべがあったとは思うのですが…アレはどうやら、女神の力も作用したことで、変質してより凶悪になったようですネ。重力による圧縮だけではすまず、分解もしっかり行っているようデス】

 女神の力も加わって生まれたブラックホールのせいなのか、本来の性質よりもさらに強化されており、あの青い宝石獣たちは二度と存在が戻ってくることは無いようである。
 なお、他のプレイヤーがうっかり吸い込まれても、デスペナルティ付きで復活できるようだが、そうじゃないからこそ、消滅が運命づけられるのだろう。

【探知レーダーによる反応なし…青い宝石獣たち、全世界から消滅したようデス。世界間の中に隠れた反応もなく、根こそぎ狩り取れたようデス】

 ほんのわずかにでもあの青い宝石獣たちが生き残っていたら、そこからまた増えて切った可能性はあるだろう。
 そうなる可能性も考え、しっかりと根絶を確認できるように探知装置も作ってもらっていたのだが、いなくなったのはほぼ確定のようだ。

【あとは…あなたのほうは、どういたしますカ?グレイ号の三番艦のアナザーコスモレーダーを使えば、元の世界に送り届けることは可能デス】

 宝石獣たちがいなくなった以上、ここに残るのはピンクダイヤの子だけ。
 黒き女神の力をいくらかコピーしているとはいえ、元々は異界の存在。

 帰ってもらうこともできるのだが…どうやらあの宝石獣たちが全てだったようで、逆探知を行ったところ、もうすでに元の世界には同族がいないようだ。

 つまり、最後の一体になってしまった。

 こうなる可能性が分かって覚悟していたのだろうが…帰ってももう、誰もいない。


【もう、何もいなくて他に影響を与えないなら…私たちは…いえ、私は…】






…前々から考えていたのだろうか。
 彼女は答えを口にするのであった。
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