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Ver.6.0 ~揺らぎと蕩けと混ざる世界~
ver.6.0-23 獣に対しての回答は
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…流石に、その案は現実の世界のほうの宇宙では、アウトだった。
遠い場所を選んだとしても、将来的に地球に及んだら最悪な結果になるだろう。
だからこそ、選ばれたのはオンラインの世界の宇宙フィールドであり…
「アレが、超新星爆発寸前の恒星か…見るからに、やばそうな感じだね」
【このあたりの宙域では現在、運営の方より避難命令を出しており、他プレイヤーたちがいない状況デス。現実世界とは異なり、ある程度の光年で超新星爆発による衝撃波等をカットして他に影響を及ば差ないようにしていますが、それでもカットしきれない宙域は危険なのデス】
超新星爆発…それは、とんでもない質量をもつ星の最後の花と言える凄まじい爆発。
その爆発の後にはブラックホールができるようで、このオンラインの世界でも現実世界で起りえるようなものが用意されているらしい。
そして今、僕らは最後の特大花火となろうとしている星の近くに、グレイ号で訪れていた。
【一応、衝撃波等はグレイ号の防壁でどうにかなりますが…流石に、ブラックホールの重力場は危険デス。グレイ号のエンジン出力でも逃れられない部分がありマス】
「オンラインの世界だから、最悪のほうはデスペナルティで済むけど…流石に、現実世界でやるわけにはいかなかったからなぁ」
過信はしない。船に流石の限度はある。
世界を超えることが出来るような船でさえも、逃れられないものはある。
まぁ、いざとなればワープ航法で逃亡する手段もあるが…超重力の影響も受けるようなので、万全とはいかないだろう。
とにもかくにも、こんな危険宙域に来た理由はある。
それは、この超新星を利用して、宝石獣たちをまとめて葬り去るためだ。
「危険すぎる場所にわざわざ飛び込むような真似をする馬鹿はいないとは思うけど…美味しいエサがあれば、やってくるだろうしね」
この宙域で、女神の力を全開にする。
都合よく他のプレイヤーがいないのであれば、安心して全力を出しやすいだろう。
それに…
「一緒にやってくれるようだけど、本当に良いの?青い奴らに利用されているようなものとはいえ、仲間のようなものなのにさ」
【…大丈夫。私たちがこれ以上、他を傷つけないためにも、やらなければいけない。一番、責任のある…私が】
ピンクダイヤの子…黒き女神の姿を模した彼女がぐっとこぶしを握り締め、そう口にする。
大きな力という餌だけではなく、奴らが求めるものもここにある。
【あの青いの、多分もう、手遅れ。全部、この世界に来た子に広がった。だからこそ、ここで全て終わらせる】
宝石獣たちを利用しているような、青い者たち。
以前に捕獲したやつを徹底的に分析した結果が出てきたようだが、取りつかれたら二度と分離が孵化ということが分かり、ここで消すしかなくなってしまった。
【ごめんね、私たちの問題なのに、迷惑をかけて】
「いや、別に良いよ。今後、もっと大きな厄介ごとに至る前に、潰す機会が得られたのだから」
可能であれば、多少はまともな部分だけを分離させたりする手段を模索したかったが…これ以上放置していたら、どんどん脅威が大きくなるだろう。
ゆえに、ここで今、全てを消さなければいけない。
だからこそ、この作戦は失敗が許されない。
ここで全力をもって、脅威を消し去るのだ。
「グレイ号、艦首砲門解放。特殊装置接続し、供給管を出してくれ」
【誤差修正、+2、-0.09…特殊エネルギー供給管、出しマス】
がごんっと音を立て、床から出てきたのは一つのトリガー。
本来、このグレイ号の切り札に使う艦首砲用のものとは異なり、こちらは今回のために特別に作られた特殊なもので、握るだけで女神のエネルギーが流れていく。
ピンクダイヤの子の元にも来ており、女神の力を模しているがゆえに同じようにエネルギーが流れ始め、同時に宝石獣の統率者としての特殊なエネルギーも一緒に注がれていく。
「莫大なエネルギーを集中させ、星にぶつける前に索敵されて見つけられやすいようにしているけど…エネルギー値が凄まじいな」
【正直言って、あまり好ましくない方法なんですけれどネ。切り札に使えるように、ある程度のエネルギーならば耐えられるようにしているのですが、大きすぎるのも困りものなのデス。この一発で、やらかした後は、当分使えなくなると思ってくだサイ】
グレイ号自身に相当な負担がかかるだろうが、どうやらそれだけのエネルギーが集中し始めたことで、相手が餌にかかり始めたようである。
レーダー内にどんどん反応が出てきており、こちらへ接近する様子がうかがえるだろう。
「限界まで引き寄せて、超新星へ放出…強制的にエネルギー干渉をさせて、超新星爆発をより強化して発生。運が良ければそのまますぐにブラックホールが形成されて、超重力場による一斉掃除機吸引ができるだろうけれども…さて、うまくいくか」
爆発なら耐えられるそうなので、その後の吸引のほうに注意したほうが良さそうだ。
計算したところ、かなり早い段階でブラックホールが形成されるようで、爆発に耐えきった残党を余すことなく吸い取れるだろうが、グレイ号がこの宙域から逃亡する際に重力から逃れられなくなったらアウトである。
事前に計算して、この位置からの放出でどうにかギリギリらしいが…世の中には想定外ということが多くあり、どれほどの辛酸をなめさせられたのか分からないが、備えておくに越したことはない。
【グレイ号の2番艦も、準備予定宙域にワープ後いたしました。最悪の事態に備えて、強制連結装置も準備完了デス】
「個人的には、いつの間に建造をしていたと言いたいけど…気にしないほうが良いか」
この宝石獣騒動を終えた後に、建造したことに関して色々と問いただすとして、今はこれを終えることに集中させよう。
うまくいってほしいと願いつつ、レーダーから目を離さないようにして、タイミングをうかがうのであった…
「…しかし、グレイ号に姉妹艦か…こちらも無茶苦茶な船なのが予想しやすいのがなぁ」
【一応、現在4番艦まで建造してますけれどネ。5番艦はまだ設計図段階デス】
…ちょっと待て、さらにとんでもないことを言わなかったか。
遠い場所を選んだとしても、将来的に地球に及んだら最悪な結果になるだろう。
だからこそ、選ばれたのはオンラインの世界の宇宙フィールドであり…
「アレが、超新星爆発寸前の恒星か…見るからに、やばそうな感じだね」
【このあたりの宙域では現在、運営の方より避難命令を出しており、他プレイヤーたちがいない状況デス。現実世界とは異なり、ある程度の光年で超新星爆発による衝撃波等をカットして他に影響を及ば差ないようにしていますが、それでもカットしきれない宙域は危険なのデス】
超新星爆発…それは、とんでもない質量をもつ星の最後の花と言える凄まじい爆発。
その爆発の後にはブラックホールができるようで、このオンラインの世界でも現実世界で起りえるようなものが用意されているらしい。
そして今、僕らは最後の特大花火となろうとしている星の近くに、グレイ号で訪れていた。
【一応、衝撃波等はグレイ号の防壁でどうにかなりますが…流石に、ブラックホールの重力場は危険デス。グレイ号のエンジン出力でも逃れられない部分がありマス】
「オンラインの世界だから、最悪のほうはデスペナルティで済むけど…流石に、現実世界でやるわけにはいかなかったからなぁ」
過信はしない。船に流石の限度はある。
世界を超えることが出来るような船でさえも、逃れられないものはある。
まぁ、いざとなればワープ航法で逃亡する手段もあるが…超重力の影響も受けるようなので、万全とはいかないだろう。
とにもかくにも、こんな危険宙域に来た理由はある。
それは、この超新星を利用して、宝石獣たちをまとめて葬り去るためだ。
「危険すぎる場所にわざわざ飛び込むような真似をする馬鹿はいないとは思うけど…美味しいエサがあれば、やってくるだろうしね」
この宙域で、女神の力を全開にする。
都合よく他のプレイヤーがいないのであれば、安心して全力を出しやすいだろう。
それに…
「一緒にやってくれるようだけど、本当に良いの?青い奴らに利用されているようなものとはいえ、仲間のようなものなのにさ」
【…大丈夫。私たちがこれ以上、他を傷つけないためにも、やらなければいけない。一番、責任のある…私が】
ピンクダイヤの子…黒き女神の姿を模した彼女がぐっとこぶしを握り締め、そう口にする。
大きな力という餌だけではなく、奴らが求めるものもここにある。
【あの青いの、多分もう、手遅れ。全部、この世界に来た子に広がった。だからこそ、ここで全て終わらせる】
宝石獣たちを利用しているような、青い者たち。
以前に捕獲したやつを徹底的に分析した結果が出てきたようだが、取りつかれたら二度と分離が孵化ということが分かり、ここで消すしかなくなってしまった。
【ごめんね、私たちの問題なのに、迷惑をかけて】
「いや、別に良いよ。今後、もっと大きな厄介ごとに至る前に、潰す機会が得られたのだから」
可能であれば、多少はまともな部分だけを分離させたりする手段を模索したかったが…これ以上放置していたら、どんどん脅威が大きくなるだろう。
ゆえに、ここで今、全てを消さなければいけない。
だからこそ、この作戦は失敗が許されない。
ここで全力をもって、脅威を消し去るのだ。
「グレイ号、艦首砲門解放。特殊装置接続し、供給管を出してくれ」
【誤差修正、+2、-0.09…特殊エネルギー供給管、出しマス】
がごんっと音を立て、床から出てきたのは一つのトリガー。
本来、このグレイ号の切り札に使う艦首砲用のものとは異なり、こちらは今回のために特別に作られた特殊なもので、握るだけで女神のエネルギーが流れていく。
ピンクダイヤの子の元にも来ており、女神の力を模しているがゆえに同じようにエネルギーが流れ始め、同時に宝石獣の統率者としての特殊なエネルギーも一緒に注がれていく。
「莫大なエネルギーを集中させ、星にぶつける前に索敵されて見つけられやすいようにしているけど…エネルギー値が凄まじいな」
【正直言って、あまり好ましくない方法なんですけれどネ。切り札に使えるように、ある程度のエネルギーならば耐えられるようにしているのですが、大きすぎるのも困りものなのデス。この一発で、やらかした後は、当分使えなくなると思ってくだサイ】
グレイ号自身に相当な負担がかかるだろうが、どうやらそれだけのエネルギーが集中し始めたことで、相手が餌にかかり始めたようである。
レーダー内にどんどん反応が出てきており、こちらへ接近する様子がうかがえるだろう。
「限界まで引き寄せて、超新星へ放出…強制的にエネルギー干渉をさせて、超新星爆発をより強化して発生。運が良ければそのまますぐにブラックホールが形成されて、超重力場による一斉掃除機吸引ができるだろうけれども…さて、うまくいくか」
爆発なら耐えられるそうなので、その後の吸引のほうに注意したほうが良さそうだ。
計算したところ、かなり早い段階でブラックホールが形成されるようで、爆発に耐えきった残党を余すことなく吸い取れるだろうが、グレイ号がこの宙域から逃亡する際に重力から逃れられなくなったらアウトである。
事前に計算して、この位置からの放出でどうにかギリギリらしいが…世の中には想定外ということが多くあり、どれほどの辛酸をなめさせられたのか分からないが、備えておくに越したことはない。
【グレイ号の2番艦も、準備予定宙域にワープ後いたしました。最悪の事態に備えて、強制連結装置も準備完了デス】
「個人的には、いつの間に建造をしていたと言いたいけど…気にしないほうが良いか」
この宝石獣騒動を終えた後に、建造したことに関して色々と問いただすとして、今はこれを終えることに集中させよう。
うまくいってほしいと願いつつ、レーダーから目を離さないようにして、タイミングをうかがうのであった…
「…しかし、グレイ号に姉妹艦か…こちらも無茶苦茶な船なのが予想しやすいのがなぁ」
【一応、現在4番艦まで建造してますけれどネ。5番艦はまだ設計図段階デス】
…ちょっと待て、さらにとんでもないことを言わなかったか。
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