転生先はミミックでしたよ

志位斗 茂家波

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騎士王国ナイトガーデン編

VSガルティア女王 その2

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 ガルティア女王の剣から解き放たれる遠距離攻撃手段の破壊力を目にして、ディーはこの模擬戦を早期に終わらせようと素早く動き出す。

 さすがにあんなものを喰らいたくない。

 魔法とかで一応防げるものはあるんだろうけど、直撃の恐怖が怖ろしい。




 幸いにして、床はまだカッチカチに凍り付いているので、すぐにガルティア女王がその場を動けるわけではないのだ。


 その為、このまま勢いで場外負けに持ち込もうかと考えていた‥‥‥んだけどね。



「なんの!!この程度の氷結であるならば滑ったほうが有利なのじゃ!!」

 ガルティア女王がそう叫ぶと、なにやら懐から隠し持っていたらしいナイフを取り出し、足元に置いて、その上に足をセット。

 刃を立てている状態にしてバランスを取って‥‥‥って、えええええ!?

「必殺!!氷上歩行術なのじゃぁぁぁぁ!!」
「スケートじゃん!!」

 まさかの異世界にして、スケートの誕生を見てしまった。

 いや、もしかしたら以前から別の場所でもあるかもしれないが、こちらが創り出した環境を利用するとは、何たる適応能力。

 しかも、スピードスケートのような動きをして、鎧を着こなしているのでがっちゃがっちゃとなって何かしらの恐怖心を煽って来た。

「『炎槍フレイムランス』!!『氷槍アイスランス』!!」

 すばやく炎と氷で形成した槍の形の魔法を形成し、何本も創り出して撃ちだす。

 狙うは足元であり、直撃を避けてバランスを崩したところを狙いたかったのだが‥‥‥

「効かぬ存ぜぬ一直線なのじゃ!!」

 ズバズバズバッと、直撃を避けているはずの槍をすべて切り捨て、左右へ分けてしまうガルティア女王。

 少なくとも、高速で飛ばした魔法を剣でぶった切るとか人間業じゃねぇだろ!?


 いや、人間じゃないミミックの俺が言うのもなんだけどさ!!


「こうなったら真っ向勝負!!」
「おもしろい!!受けて立つのじゃ!!」

 さすがにこのままではらちが明かないので、本気の本気で体当たりをして場外負けにするという賭けに俺は出た。

 全身を魔法で固め、自身の固有特製でもガッチガチに固めて衝撃に備える。


 ミミックボディなこの身体の重量と強度、そして今出している速度を考えるのであれば相当な凶器と化しているのはわかる。

 一応、ガルティア女王は鎧を着こんでいるし、あれだけの無茶苦茶な人だから何があろうともたいした怪我にはならないだろう。

‥‥‥モンスターであるミミックの俺にそう思わせること自体、とんでもない人にしか思えないけどな。



「『ミミックフルストライク本気の体当たり』!!」
「居合切り!!」

 日本刀ではない剣での居合切りはどうかとは思うが、互いに激突しあった。

 ミミックの強度なボディの耐久性能を信じての体当たりの結果‥‥‥足元の差と言うか、滑る勢いを利用して動いた女王に対して、こちらは浮いて動いているミミック。

 互いに踏ん張りがききにくい状況だが、ここでダメ押しの一手を使用する!!


「この状況でも魔法が使えるんだよ!!『水大砲アクアブラスター』!!」
「なんじゃと!?」

 口を(箱のふた)をガパッと開けて、そこから魔法から生まれた水を俺は噴出した。

 魔法だが、これって実は予備動作無しで俺は使用することが可能である。

 と言うか、女王の基本的な攻撃は剣からであり、今はこのミミックボディを正面から受け止めているのですぐさまぶった切るという事が出来ない。


 なお、安全性を考慮して勢いで流せる水魔法にしたのである。


ドドドドドドドドドド!!

 鉄砲水のごとくあふれ出る激流に流され、あれよあれよという間にガルティア女王は場外にでた。

「勝者!!ディー!!」
「よっしゃぁぁぁぁ!!」

 審判の判決が出され、なんとかディーは勝利を収めたのであった。


‥‥‥え?ここは普通女王に勝たせるようなもんじゃないかって?

 手抜きとか八百長のようにわざと負けたら本気で襲ってこられそうなんだよな‥‥‥
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