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番外編
変人の家族は美形揃いでした
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車は自動で開いた城門(鉄柵)を越えて出入口まである数段の階段から少し離れた場所に横付けされました。
扉が運転席から降りたポールによって開かれ、ジークが先に、そして、彼が私の方に手を差し出してきたので、それを取って降りるとそこにはポールと同僚だろう男女がずらりと並び、その前には数人の男女が笑みを浮かべて立っていた。
「家族揃っているなんて珍しいね。姉さんは特に毎年まだ仕事している時期だろう。」
「あら?そんなことはないわ。それにこんなおもし・・・・じゃなくて、楽しいことに参加しないわけないじゃない。」
言い換えの意味なくない??
内心突っ込んでしまったが、彼女は確かにジークの姉らしいほどに彼に似通った容姿をしており、美の女神のようだった。思わずその容姿と纏っている空気にぼうっと見ていると、見過ぎてしまったのか彼女はこちらを見てニッコリと笑った。
先ほどから日本語で会話している姉弟、そして、おそらくこれから私がいるとこでそんな風に気遣われると思うと、申し訳なさでいっぱいになった。早急に彼らが使用しやすい英語かフランス語をマスターしなければならない。私のマスターリストに追加項目が増えた。
「それにしても、ジークはやっぱり面食いだったのね?」
「僕が好きになったのは容姿ではないよ。彼女の内面だから。」
「ええ、分かっているわ。あの女とは比べられないほどなのは。」
「それならいいけど。」
あの女って元婚約者のことでしょうか?
そんなに姉である人が嫌悪感を抱くほどのことをしたんですか?
内心はすでに野次馬の気分で突っ込んでいた。
姉弟の会話は一旦決着が着いたようで、ジークは1人1人紹介していた。
「こっちが祖父母で、こっちが両親、あと、姉の隣が姉の夫だ。あれ?ウォーリーは?」
「ウォーリーなら庭で遊んでいるわ。」
彼の祖父母、両親、義兄に当たる人を順に紹介していた。
ウォーリーというのは、姉夫婦の子供、つまり、ジークの甥で4歳らしい。今は待ちくたびれて庭で使用人と遊んでいるようだ。
使用人??あなた方は何時代の人?
私からすれば、使用人なんていうのは、かの有名な『ベルサイ〇の○○』という漫画の名作ぐらいしか耳にしたことがなかったので困惑していた。
「いらっしゃい。郁美。ここが今日から君の家だ。そう思ってくつろいでくれると嬉しい。」
「そうね。そして、いつか私たちのことを家族として受け入れて、親しく呼んでもらいたい。」
白髪だが2人とも造形は美形の老夫婦に手を取られた。
そして、それに便乗して彼の両親や姉夫婦までもがそんな雰囲気を醸し出していた。私はそれらに答えることができずにずっと固まっており、人形のようにされるがままだった。
「そう焦ることはないと思うよ。郁美はこれからずっとここにいるからね。そうだ、僕らあとで街に買い物に行くから。」
「買い物?何か物入りなの?もしかして、荷物が多いからクローゼットとか?」
母親がいち早く反応して尋ねていた。
買い物って言ったら、家具なんですか?
またしても疑問が浮かんだが、他は不思議に思っていないのでお金持ちの価値観だろうと結論付けた。
「違うよ。郁美、こっちの冬は初めてで生まれてずっと雪のあまりない地域で住んでいたんだ。だから、防寒具がなくて、唯一持っているのは裏起毛のジャンバーなんだ。だから、こっちでも耐えられるようなコートを買いに行こうと思ってね。」
「まあ、それなら、わざわざ買いに行く必要ないわ。私も新しいコートを買おうと思っていたところなのよ。外商が来てくれるから若い方用のものもいくつか見繕ってくれるように連絡しておくわ。」
ジークの説明に飛び跳ねる勢いではしゃいだのは彼の祖母だった。
ちょうどいい、と言わんばかりに手を叩いていた。
外商で買い物なんですか?そうなんですね。
もうどうにでもなれと投げやりで、彼らの会話は耳を通り抜けるだけだった。
自分の話ではあるが、ファッションに疎いので口を挟むことができない。
だから、ジークの家族を観察していると、彼の髪は姉と同じ色で母親譲り、目は父親譲りのようで男性陣は全員碧眼だった。祖母は青い目で母と姉は若葉色の瞳だった。そして、顔の造形は父親より母親に似ていたが、笑う顔は父親に似ていた。
「エレナ様、エレナ様」
そこへ1人の使用人の女性が駆け込んできた。尋常ではない憔悴している女性にかけよったのは彼の姉だった。
ジークの姉、エレナは彼女に落ち着くように諭すものの、その女性は本当に困惑していた。
「*******」
「***********」
英語でもドイツ語でもないのでおそらくフランス語、彼らの母国語だろう、で女性から話を聞いた彼女は真っ青にして慌てて家の中に入った。
「僕らも入ろう。」
それにつられて楽しい雰囲気が一瞬で吹き飛び、誰もが慌てて彼女を追うように中に入っていき、事態がいまいち飲み込めない私もジークに促されて中に入った。
「どうしたのですか?」
廊下を歩きながらジークに尋ねると彼は困ったような顔をした。
「実は、さっき話していたウォーリーのことで、少しトラブルが起きたようなんだ。」
「トラブル?」
「ああ、木を登って降りられなくなったらしい。その木が結構高いようで使用人は誰も登れるものがいないようで。」
「ジークさんも登れないんですか?」
「昔は登っていたと思うけど、最近は全く。」
「そうなんですか。では、私がやってみましょうか?」
「え??」
彼の驚いた顔は初めてなので、私は噴出してしまった。
「登れるかどうか分かりませんが、一度その場所まで連れて行ってください。」
「分かった。今から皆もそこに向かうから、それで登れそうならやってみてくれる?」
「はい。」
彼らとともに向かった先には確かに10メートルはありそうな大きな木があった。単純計算で私5人分というところだろうか。
「****」
何を言っているか分からないが、泣きながら男の子が叫んでいた。
恐怖で下りられないのだろう。木登りは登るのは簡単だけど、下りるのは結構勇気がいるから。
木のすぐ傍では母親である姉が心配そうに声をかけていた。
「私が行きますよ。えっと、言葉が通じないので、不安ですが。」
「そこはたぶん大丈夫。ドイツ語なら分かるはずだ。」
「分かりました。」
私は木に手を付いてそれから登り始めた。
頂上近くの幹に猫を抱え震えて涙目になっている小さな男の子がいたので、笑みを浮かべてあげた。
「Gut?(大丈夫?)」
「Ya.(うん。)」
拙いドイツ語が通じたようだ。
彼は安心したように差し伸べた手に自分の手を重ねてくれたので、そのまま彼の体ごと抱え込んで片手でなんとか木から下りれた。姉が駆け寄り男の子を抱きしめると、彼も安心したように、うわーん、と泣きだした。
「お疲れ。助かったよ。洋服汚れてしまったね。」
「これぐらい大したことないです。ただの土汚れですから。それより、あの子、結構衰弱した猫を抱えているので、獣医に早く見せた方がいいかもしれません。」
「そうだね。君は怪我はないの?4歳とはいえ、結構重かったし、そんな子を連れて木から下りてきたよね。」
「ええ、私は特には。後で筋肉痛が出るぐらいですよ。」
「そうなったら、マッサージしてあげるから気にしないで。」
冗談?と思うほど、彼の口は滑らかに単語が出てくる。
そのあと、彼の家族にすごく感謝をされてしまい、私の方が困惑してしまった。
「Danke(ありがとう)」
「Bitte(どういたしまして。)」
男の子、ウォーリーは小さな言葉だったけど感謝を伝えてきたので、気にしないで、と伝えるために私は返した。
「君が木登り得意って知らなかった。」
「私も初めてしましたよ。」
「え?よくしようと思ったね。万が一ってこともあるんだけど。」
「そうですね。ただ、遊具で少し太めの棒を登っていく遊びがあって、それが大体この木の半分ぐらいの高さなんです。その遊び、自慢ではないですが、昔はまってしまって、他の男子にだって負けたことはありません。」
「そうなんだ。」
彼は苦笑していた。
猫を獣医に見せてひと段落し、ウォーリーも揃ったところでリビング?にあたる部屋に通されて昼食までお茶をすることになった。
美形一家だ。華麗なる○○って感じ。
私1人浮いてない??いや、分かっていたことだけど。
元母親の家も派手な顔をしていた人が多かったが、この家の顔は派手という感じはしなくて、品がいいって感じだった。自分の目がどんどん肥えていくのが恐ろしかった。
これからこの人達とうまく付き合っていけるだろうか。
初日なのにすでに大きな不安を抱えてしまった。
扉が運転席から降りたポールによって開かれ、ジークが先に、そして、彼が私の方に手を差し出してきたので、それを取って降りるとそこにはポールと同僚だろう男女がずらりと並び、その前には数人の男女が笑みを浮かべて立っていた。
「家族揃っているなんて珍しいね。姉さんは特に毎年まだ仕事している時期だろう。」
「あら?そんなことはないわ。それにこんなおもし・・・・じゃなくて、楽しいことに参加しないわけないじゃない。」
言い換えの意味なくない??
内心突っ込んでしまったが、彼女は確かにジークの姉らしいほどに彼に似通った容姿をしており、美の女神のようだった。思わずその容姿と纏っている空気にぼうっと見ていると、見過ぎてしまったのか彼女はこちらを見てニッコリと笑った。
先ほどから日本語で会話している姉弟、そして、おそらくこれから私がいるとこでそんな風に気遣われると思うと、申し訳なさでいっぱいになった。早急に彼らが使用しやすい英語かフランス語をマスターしなければならない。私のマスターリストに追加項目が増えた。
「それにしても、ジークはやっぱり面食いだったのね?」
「僕が好きになったのは容姿ではないよ。彼女の内面だから。」
「ええ、分かっているわ。あの女とは比べられないほどなのは。」
「それならいいけど。」
あの女って元婚約者のことでしょうか?
そんなに姉である人が嫌悪感を抱くほどのことをしたんですか?
内心はすでに野次馬の気分で突っ込んでいた。
姉弟の会話は一旦決着が着いたようで、ジークは1人1人紹介していた。
「こっちが祖父母で、こっちが両親、あと、姉の隣が姉の夫だ。あれ?ウォーリーは?」
「ウォーリーなら庭で遊んでいるわ。」
彼の祖父母、両親、義兄に当たる人を順に紹介していた。
ウォーリーというのは、姉夫婦の子供、つまり、ジークの甥で4歳らしい。今は待ちくたびれて庭で使用人と遊んでいるようだ。
使用人??あなた方は何時代の人?
私からすれば、使用人なんていうのは、かの有名な『ベルサイ〇の○○』という漫画の名作ぐらいしか耳にしたことがなかったので困惑していた。
「いらっしゃい。郁美。ここが今日から君の家だ。そう思ってくつろいでくれると嬉しい。」
「そうね。そして、いつか私たちのことを家族として受け入れて、親しく呼んでもらいたい。」
白髪だが2人とも造形は美形の老夫婦に手を取られた。
そして、それに便乗して彼の両親や姉夫婦までもがそんな雰囲気を醸し出していた。私はそれらに答えることができずにずっと固まっており、人形のようにされるがままだった。
「そう焦ることはないと思うよ。郁美はこれからずっとここにいるからね。そうだ、僕らあとで街に買い物に行くから。」
「買い物?何か物入りなの?もしかして、荷物が多いからクローゼットとか?」
母親がいち早く反応して尋ねていた。
買い物って言ったら、家具なんですか?
またしても疑問が浮かんだが、他は不思議に思っていないのでお金持ちの価値観だろうと結論付けた。
「違うよ。郁美、こっちの冬は初めてで生まれてずっと雪のあまりない地域で住んでいたんだ。だから、防寒具がなくて、唯一持っているのは裏起毛のジャンバーなんだ。だから、こっちでも耐えられるようなコートを買いに行こうと思ってね。」
「まあ、それなら、わざわざ買いに行く必要ないわ。私も新しいコートを買おうと思っていたところなのよ。外商が来てくれるから若い方用のものもいくつか見繕ってくれるように連絡しておくわ。」
ジークの説明に飛び跳ねる勢いではしゃいだのは彼の祖母だった。
ちょうどいい、と言わんばかりに手を叩いていた。
外商で買い物なんですか?そうなんですね。
もうどうにでもなれと投げやりで、彼らの会話は耳を通り抜けるだけだった。
自分の話ではあるが、ファッションに疎いので口を挟むことができない。
だから、ジークの家族を観察していると、彼の髪は姉と同じ色で母親譲り、目は父親譲りのようで男性陣は全員碧眼だった。祖母は青い目で母と姉は若葉色の瞳だった。そして、顔の造形は父親より母親に似ていたが、笑う顔は父親に似ていた。
「エレナ様、エレナ様」
そこへ1人の使用人の女性が駆け込んできた。尋常ではない憔悴している女性にかけよったのは彼の姉だった。
ジークの姉、エレナは彼女に落ち着くように諭すものの、その女性は本当に困惑していた。
「*******」
「***********」
英語でもドイツ語でもないのでおそらくフランス語、彼らの母国語だろう、で女性から話を聞いた彼女は真っ青にして慌てて家の中に入った。
「僕らも入ろう。」
それにつられて楽しい雰囲気が一瞬で吹き飛び、誰もが慌てて彼女を追うように中に入っていき、事態がいまいち飲み込めない私もジークに促されて中に入った。
「どうしたのですか?」
廊下を歩きながらジークに尋ねると彼は困ったような顔をした。
「実は、さっき話していたウォーリーのことで、少しトラブルが起きたようなんだ。」
「トラブル?」
「ああ、木を登って降りられなくなったらしい。その木が結構高いようで使用人は誰も登れるものがいないようで。」
「ジークさんも登れないんですか?」
「昔は登っていたと思うけど、最近は全く。」
「そうなんですか。では、私がやってみましょうか?」
「え??」
彼の驚いた顔は初めてなので、私は噴出してしまった。
「登れるかどうか分かりませんが、一度その場所まで連れて行ってください。」
「分かった。今から皆もそこに向かうから、それで登れそうならやってみてくれる?」
「はい。」
彼らとともに向かった先には確かに10メートルはありそうな大きな木があった。単純計算で私5人分というところだろうか。
「****」
何を言っているか分からないが、泣きながら男の子が叫んでいた。
恐怖で下りられないのだろう。木登りは登るのは簡単だけど、下りるのは結構勇気がいるから。
木のすぐ傍では母親である姉が心配そうに声をかけていた。
「私が行きますよ。えっと、言葉が通じないので、不安ですが。」
「そこはたぶん大丈夫。ドイツ語なら分かるはずだ。」
「分かりました。」
私は木に手を付いてそれから登り始めた。
頂上近くの幹に猫を抱え震えて涙目になっている小さな男の子がいたので、笑みを浮かべてあげた。
「Gut?(大丈夫?)」
「Ya.(うん。)」
拙いドイツ語が通じたようだ。
彼は安心したように差し伸べた手に自分の手を重ねてくれたので、そのまま彼の体ごと抱え込んで片手でなんとか木から下りれた。姉が駆け寄り男の子を抱きしめると、彼も安心したように、うわーん、と泣きだした。
「お疲れ。助かったよ。洋服汚れてしまったね。」
「これぐらい大したことないです。ただの土汚れですから。それより、あの子、結構衰弱した猫を抱えているので、獣医に早く見せた方がいいかもしれません。」
「そうだね。君は怪我はないの?4歳とはいえ、結構重かったし、そんな子を連れて木から下りてきたよね。」
「ええ、私は特には。後で筋肉痛が出るぐらいですよ。」
「そうなったら、マッサージしてあげるから気にしないで。」
冗談?と思うほど、彼の口は滑らかに単語が出てくる。
そのあと、彼の家族にすごく感謝をされてしまい、私の方が困惑してしまった。
「Danke(ありがとう)」
「Bitte(どういたしまして。)」
男の子、ウォーリーは小さな言葉だったけど感謝を伝えてきたので、気にしないで、と伝えるために私は返した。
「君が木登り得意って知らなかった。」
「私も初めてしましたよ。」
「え?よくしようと思ったね。万が一ってこともあるんだけど。」
「そうですね。ただ、遊具で少し太めの棒を登っていく遊びがあって、それが大体この木の半分ぐらいの高さなんです。その遊び、自慢ではないですが、昔はまってしまって、他の男子にだって負けたことはありません。」
「そうなんだ。」
彼は苦笑していた。
猫を獣医に見せてひと段落し、ウォーリーも揃ったところでリビング?にあたる部屋に通されて昼食までお茶をすることになった。
美形一家だ。華麗なる○○って感じ。
私1人浮いてない??いや、分かっていたことだけど。
元母親の家も派手な顔をしていた人が多かったが、この家の顔は派手という感じはしなくて、品がいいって感じだった。自分の目がどんどん肥えていくのが恐ろしかった。
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