BUZZER OF YOUTH

Satoshi

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第3章 最初で最後の国体

第167話 勝利へのボーダー

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第1Q終了

神奈川   32
石川    12









中嶋「まずは優勝候補の一角・神奈川が上々の滑り出し…北陵学園単独の石川がチームでどう対抗してくるのか…」





山下「石川のような単独チームはもちろんだけど…混成チームでも決して個々がバラバラにプレーせずチームとしてプレイしてる気がするわ、神奈川は」




中嶋「確かに…まあ、北条君は元々東裁大相模にいたし、それぞれの学年でジュニアオールスターでも共闘したメンバーが多いから息を合わせやすいのかもしれませんね」














ブーッ!!!






第2Qが開始される。







神奈川

#11 平井 圭太郎 181㎝ 湘洋大付属 3年
#14 櫻田 祥人  184㎝ 桐神学園  1年
#17 北条 涼真  190㎝ 星垓    1年
#12 村越 悠聖  188㎝ 東裁大相模 3年
#8 中西 岳   203㎝ 湘洋大付属 3年



石川

#5 鎌田 颯太 179㎝ 北陵学園 3年
#7 村井 貴生 182㎝ 北陵学園 3年
#6 本庄 正幸 185㎝ 北陵学園 3年
#4 武井 遥輝 188㎝ 北陵学園 3年
#10 森田 泰登 202㎝ 北陵学園 2年










山下「神奈川はメンバーを入れ替えてきた!」







中嶋「湘洋大付属の内外の2人に得点源のルーキー、相模の村越…北条と櫻田を除けばディフェンシブなメンバー構成ですね」












第2Qは石川のスローインから始まる。













ビッ!













ビッ!











神奈川のディフェンスはマンツーマン。











石川はボールを回すが、リングに向かいアタックする動きが出来ていない。









鎌田(さっきまでより明らかに攻めづらい…)







「時間ないぞ!!」








石川ベンチから声が飛ぶ。












鎌田(やべ、ボール止まってた)








24秒タイマーも残り6秒。








どうにかこうにかインサイドの森田にボールを入れる。








ダム!







森田、ワンドリブルで中西を押し込みゴールを狙うも









バゴッ!









中西に呆気なくブロックされる。














ブーッ!!!









レフェリー「24秒オーバータイム!」












石川、攻めきれず終わる。







中西「舐めてんのか?」







森田「くっ…」
(さっきの髙木とはパワーが桁違いに強い…全力でも微塵も押し込めなかった)










続く神奈川のオフェンス。

















スパァッッ!!!










「また櫻田だー!」





「もう何本目だよ!?あいつのスリー!?」




「あいつ外すとかないのかよ!?」














櫻田、平井と村越のスクリーンでマークを外してのスリー。









アシストは中西。
インサイドアウトの、最もアウトサイドシュートを打ちやすい形で決めた。






中西「ナイス」




村越「ほんとよく入るな」





櫻田「パスとスクリーンが良かったんであれは外れませんよ」









涼真「よし、ディフェンス!」








メンバーが変わりディフェンシブになっても、神奈川は変わらず石川を押した。










ガードポジションでは平井が相手ガードを厳しいマークで動きを大きく制限する。











バチッ!!










鎌田「やべ…」









ボールを叩かれるもなんとかキープする鎌田。







時折こうして積極的にボールを叩きに行く為、ゲームメイクが滞る。










バゴォッ!!















「またあの8番のブロックだ!」











インサイドに侵入しても、中西がゴール下で脅威となり、イージーバスケットを許さない。













そして…

















スパァッ!!











「12番がスリー!!」











村越、このQだけで3本のスリーをゲット。













涼真、櫻田にマークが集まる中、逆サイドで動きパスを受けてのスリーが高確率で決まる。














またこれにより、ディフェンスの意識が外にも向きやすくなった為、櫻田や涼真がペイントエリアを自在に切り裂くドライブ。

























ブーッ!!





















前半終了

神奈川   58
石川    21














森田「つ…」









武井「強え…」


















神奈川は、前半で勝負をほぼ決めた。















後半、涼真や櫻田がベンチに下がる。









神奈川

#18 中山 慎太郎 169㎝ 星垓    1年
#9 阿部 理人  186㎝ 東裁大相模 3年
#10 長崎 健正  187㎝ 桐神学園  3年
#16 織田 雄太  198㎝ 湘洋大付属 1年
#15 梅村 聡紀  198㎝ 東裁大相模 1年



石川

#5 鎌田 颯太 179㎝ 北陵学園 3年
#7 村井 貴生 182㎝ 北陵学園 3年
#6 本庄 正幸 185㎝ 北陵学園 3年
#4 武井 遥輝 188㎝ 北陵学園 3年
#10 森田 泰登 202㎝ 北陵学園 2年













ドガァァァアアア!!!!











阿部のパスから梅村のボースハンドダンク。















森田「く…」
(テクニックの髙木、パワーとディフェンスの中西とも違う…!足も速えし身体能力が半端じゃねえこのセンター…)















石川は、試合終了まで点差を離され続けた。














第4Qには真田、長谷川も出場し、全員が出場した神奈川。























ブーッ!!!















スパァッ!!!













「トドメはシューター・櫻田のブザービート!」












「神奈川強え!強すぎる!」














試合終了

神奈川   118
石川    48










圧勝で難なく初戦突破。










森田「……」
(70点差…)











中学時代から注目され、北信越屈指の強豪・北陵学園のセンター・森田。







3人のセンターにも負けず22得点、8リバウンドを上げるもFG%は33%に抑えられ、ブロックも5発浴びる結果に。








森田「…日本は広いな…」
(この悔しさは…冬にぶつける!)












両チーム、試合後に健闘をたたえ合う。











神奈川では櫻田、北条のルーキーが共に27得点。









そして相手を48点に抑える堅守を見せた。













大会2日目も、激闘は続く。
























大会2日目 結果

少年男女 A会場

第1試合 女子
Aコート 愛知 106 - 78 沖縄
Bコート 山梨 80 - 73 福井

第2試合 男子
Aコート 京都 137 - 70 大分
Bコート 岐阜 83 - 90 高知

第3試合 女子
Aコート 神奈川 116 - 72 岡山
Bコート 福島 62 - 76 京都

第4試合 男子
Aコート 神奈川 118 - 48 石川
Bコート 熊本 67 - 87 宮城

第5試合 女子
Aコート 福岡 85 - 59 山口
Bコート 滋賀 69 - 74 千葉

第6試合 男子
Aコート 滋賀 86 - 58 群馬
Bコート 青森 79 - 100 大阪

第7試合 女子
Aコート 埼玉 102 - 72 佐賀
Bコート 東京 81 - 78 新潟

第8試合 男子
Aコート 愛媛 81 - 66 茨城
Bコート 兵庫 55 - 96 福井




少年男女 B会場

第1試合 女子
Aコート 北海道 84 - 72 茨城
Bコート  奈良 66 - 89 静岡

第2試合 男子
Aコート 福岡 117 - 104 静岡
Bコート 広島 48 - 66 長野

第3試合 女子
Aコート 岐阜 104 - 52 鹿児島
Bコート 広島 56 - 54 高知

第4試合 男子
Aコート 東京 97 - 82 鳥取
Bコート 福島 73 - 80 宮崎

第5試合 女子
Aコート 山形 76 - 60 石川
Bコート 青森 64 - 90 愛媛

第6試合 男子
Aコート 千葉 108 - 63 長崎
Bコート 香川 78 - 80 秋田

第7試合 女子
Aコート 長崎 80 - 63 三重
Bコート 岩手 64 - 99 大阪

第8試合 男子
Aコート 新潟 79 - 70 鹿児島
Bコート 岩手 83 - 140 愛知








男子のトーナメント表は、こうなった。









慎太郎「香川が秋田(屋代工業単独チーム)を凄え追い詰めてんじゃん」




梅村「別会場で見れなかったのが残念だけどな」




織田「特にこれと言って番狂わせは起きてないな」




櫻田「良く言えば順当、悪く言えばつまらない」





涼真「……」
(夏よりも点の入り方が偏ってる。オフェンスが強いチームは90~100点取れてるし、そうじゃないチームと明らかに20点くらい差がある。
んで、勝ってってるのは1部を除いて80点、90点以上安定して稼げてるチーム、そしてディフェンスで相手に80点以上取らせないチームばっかりだ…この辺が勝利のためのボーダーになってきそうな感じはするな)













翌日、3日目の日程は下記の通りとなった。


少年男女 A会場

第1試合 女子(10:00~)
Aコート 愛知  -  山梨
Bコート 神奈川  -  京都

第2試合 男子(12:30~)
Aコート 京都  -  高知
Bコート 神奈川  -  宮城

第3試合 女子(15:00~)
Aコート 福岡  -  千葉
Bコート 埼玉  -  東京

第4試合 男子(17:30~)
Aコート 滋賀  -  大阪
Bコート 愛媛  -  福井



少年男女 B会場

第1試合 女子(10:00~)
Aコート 北海道  -  静岡
Bコート 岐阜  -  広島


第2試合 男子(12:30~)
Aコート 福岡  -  長野
Bコート 東京  -  宮崎


第3試合 女子(15:00~)
Aコート 山形  -  愛媛
Bコート 長崎  -  大阪


第4試合 男子(17:30~)
Aコート 千葉  -  秋田
Bコート 新潟  -  愛知















-宿舎にて-







髙木「宮城ってどんなチームなんだ?」






中西「宮城って言うと…明桜に仙台学院、仙台中央なんかが強いって聞くけど…近年は明桜1強だな」






新城「明桜はたしか…ベスト16で洛阪に負けてたような…」






阿部「まあとにかく、この後のスカウティング見て、話はそれからだな」











そしてミーティングとスカウティング。







宮城代表の先程の試合(宮城vs熊本)と、どうやって入手したのか宮城県大会のビデオを見る事に。










一同、ビデオに見入る。








長崎「…なんつーか…堅実というか、地味と言うか…」






村越「確かにな、超高校級のプレイヤーがいる訳でもないし、派手なダンクやスーパープレイも少ない。その代わり弱点も少なく、圧倒的な運動量と地道な努力で勝ってきてる感じだな」





徳山「明桜は東北でも屈指の強豪だけにプロも幾人も輩出してはいるけど…シューターやポイントガードが多いイメージだな」






白石「ああ、『明桜は』な」






一同「「「?」」」










唐沢「どうやら仙台学院の選手は明桜の選手とは対照的に能力の高さを活かしガンガン攻めてくるタイプが多い。そこを上手くミックスし、1つのチームとして機能している」









新城「なるほど、まだベスト16と言えど楽な戦いじゃ無さそうだ」
















……To be continued
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