BUZZER OF YOUTH

Satoshi

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第1章 入学〜インターハイ予選

第13話 ゾーン攻略

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ボールを奪った法帝大三。

長谷川卓治「走れ!」

阿部「戻れ!」

必死で戻る中、梅村は先ほど周りを見回した際に違和感を感じ、その正体を考えていた。

両チームが相模側のゴールになだれ込む。
だがまだ相模はディフェンスが整い切ってない。
そこに相馬のスクリーンを使い一瞬大崎がゴール下でフリーになる。
そしてそれを竹前が見逃さずボールを入れる。

シュートモーションに入る大崎。
スクリーンにかかりながらも必死で追って来た村越。
村越はシュートを防ごうと必死に跳ぶ。

クイッ!

大崎は跳んでいなかった。
フェイクを1つ入れた大崎、空中で村越に身体をぶつけながらシュート。

ピーッ!

審判がファウルを告げる。
そして

バサッ!

シュートも決まる。

審判「ファウル!青8番!プッシング!バスケットカウントワンスロー!」

※ファウルを受けてかつシュートが入った場合、得点は認められさらにボーナスで1本のフリースローとなる。


オフィシャルには「3」の数字が灯っている。

「村越が3つ目のファウル!」

「これは痛い!」

村越と交代で1年生の岸が入ってくる。

※ファウルは5つで退場となり出場できなくなる。この場合村越は前半が終わってないのに3つ目のファウルをしてしまったため


法帝大付属三

G    #7  竹前 祐悟  3年 177㎝
G/F  #4  長谷川 卓治 3年 183㎝
F    #14 長谷川 祥紀 1年 183㎝
C/F  #5  大崎 和哉  3年 189㎝
C/F  #8  相馬 遼也  2年 191㎝


東裁大相模

G  #11 今野 正志 2年 174㎝
G  #14 椿 卓馬 1年 182㎝
F  #4  阿部 理人 3年 185㎝
F  #13 岸 治憲  1年 188㎝
C  #15 梅村 聡紀 1年 195㎝


椿「ごめん、今のターンオーバーは俺のせいだ、無駄に迷わせちまったな」

梅村「いや、大丈夫だ、それよりさっき声をかけたのって…」

何やら話し込む2人。

梅村「…ってことで合ってるか?」

椿「うん、それであってる。頼んだぜ梅村」


バスケットカウントのフリースロー。

ガッ!

しかし惜しくもリングに嫌われる。
拾ったのは交代で入った岸。
前線にボールを放るが…

「ダメだ!法帝大三は戻りが早い!」

速攻を止められ、相模が立て直す間にゾーンを組む。

梅村「椿!」

梅村がミドルポストに走り込みボールを受けんとする。

椿(頼むぞ、梅村)


先ほどと同じく、ミドルポストで梅村がボールを受けたのに対し、3人がすかさず寄ってくる。

梅村はボールを取られないよう注意しつつ、ボールを受けながら周りを見る。

梅村「ここだ!」

梅村、ボールを受け取ってすぐに逆サイドのウイングに大きく、素早くボールをスキップパス。

長谷川卓治「!!」

そこにはほぼノーマークでボールを受ける今野。

竹前は椿の前にいる。
長谷川、大崎、相馬は梅村の周りにいる。

長谷川祥紀が急いでカバーに向かうも、今野は落ち着いてコーナーにボールを落とす。

そこには、完全フリーでボールを受けた阿部。

長谷川卓治(やられた)

阿部、ドノーマークでスリーポイント。


ザシュッ!!

東裁大相模メンバー「イェース!!」



観客席

須川「おお…いい形で決めたな」

真田「さっきまで止めてたのに」

唐沢「ゾーンを崩すにはああやってディフェンスのいないギャップにボールを入れ、ディフェンスが寄ってきたところでしっかりボールをさばくのが大切なんです。
フィニッシュまでボールの流れも止まりませんでした。理想的なゾーンの崩し方です」

新城「かといって、逆サイドを万全にケアしたとしても…」

唐沢「梅村くんがそのまま決めてしまう」


ドガアアアアアアアァ!

観客「きたぁ!今度は梅村だ!」

「すげぇボースハンドダンクだ!リング壊れるぞ!」


そして

ピピーッ!

審判「前半終了!」


第2Q終了

法帝大付三 29
東裁大相模 27


涼真「残り3分で相模が10点も取った…」


そしてコートでは湘洋大付属と藤宮東のアップが行われている。


慎太郎「なんか湘洋大付属って長身揃いに見えるな」

武蔵「のまれるなよ慎太郎、強豪ってのはそう見えるもんさ」
(とはいっても県内でも平均身長で最大クラスのサイズを持ってるのは湘洋大付属なんだよな…)


-湘洋大付属

第7話でも説明したが、神奈川県において全国大会の最多出場を誇る超名門。全国大会では「神奈川といえば湘洋大付属」と言えるほどお馴染みの常連校である。
現在12年連続インターハイ出場、インターハイ予選では神奈川県を7連覇中。昨年はインターハイで全国ベスト8にも入っている。
ウィンターカップ予選では7年連続で優勝、全国に出場していたが昨年、星垓に不覚を取った。


髙木「確かにみんなデカかったよな…センターなんて俺より全然デカくてさ」

中澤「長身揃いで走ってくるんだよな、生で見るとわかると思うがさすがに王者って感じがする」

涼真「でも来週、湘洋大だろうと相模だろうと法帝大三だろうと桐神だろうと倒さなきゃいけないんすよね。早いか遅いかの違いだ」

新城「その通りだ」

矢島は大会の選手登録の書かれたプログラムを読んでいる。

矢島「湘洋大にも3人、1年がメンバー入りしてるな…てかルーキーなのにでけえ…1人は175くらいだが、残りの2人の1年は髙木と同じくらい背がありやがる」

小宮山「名前は?」

矢島「175くらいの14番が山本、13番の1番でかいのが田口…199㎝、んで15番の織田ってのが196㎝」

涼真「織田!?」

矢島「知ってんのか?」

涼真「織田って…織田雄太ですか?」

矢島「ああ、そう書いてあるけど」

涼真「そいつは全中で当たったことあります、新潟の柴丸中学にいました」

朝「どんなやつ?」

涼真「190超えてたくせにミドルからもガンガン打ってくるしドライブも鋭い。
何よりパワーで梅村が苦戦しまくってました」

福島「そ、そんな化け物がよりによって湘洋大付属に…」

慎太郎「しかもそれだけインサイドで圧倒的ながら…あいつは本来センターじゃなくてフォワードです」

三石「すげぇスペックだな…」


そうこうしてるうちに、コートではハーフタイムのアップが終わり、法帝大三vs東裁大相模の第3Qが始まろうとしていた。


法帝大付属三

G    #7  竹前 祐悟  3年 177㎝
G/F  #4  長谷川 卓治 3年 183㎝
F    #14 長谷川 祥紀 1年 183㎝
C/F  #5  大崎 和哉  3年 189㎝
C/F  #8  相馬 遼也  2年 191㎝


東裁大相模

G  #5  北田 剛毅 3年 180㎝
G  #14 椿 卓馬 1年 182㎝
F  #4  阿部 理人 3年 185㎝
F  #8  村越 悠聖 3年 188㎝
C  #15 梅村 聡紀 1年 195㎝


新城「お、北田が戻ってる」

中澤「3ファウルしてる村越も」

髙木「ベンチにいる間やハーフタイムに頭も冷えて冷静になって、ゾーンの攻略の仕方も確認しただろう、やる気に満ちてる感じがする」

小宮山「法帝大三はどうするんだろうな、マンツーマンで相模をディフェンスするのは、梅村をなかなか止められないから難しいはずだし、ゾーンも攻略されてきてる」

矢島「後半、どうなるかな」


To be continued…
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