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初冒険②
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街の外を出た俺は街道を道なりに進みながら左右を見渡して薬草を探す。
王都付近は平原みたいだったが、街道をから離れれば多少は草も生い茂っていた。
「王都から近いからか俺と同じような初心者らしき冒険者を見かけるなぁ。少し離れるか・・・」
ちらほら冒険者を見かけるので取り合いにならないように少し街道を歩く。
「この辺でいいかな。」
先ほど通った外壁が小さく見えるくらい進んだので、街道から逸れて道なき道を進む。
「さてと、それじゃあ探しますか~。」
フランさんに教えてもらったシイヤ草を思い出しながら辺りを探す。
「お、あったあった。これだな。ちょこちょこ生えてるんだな。」
本当は鎌が欲しいところだが先ほど買ったばかりの短剣しかないので、腰から短剣を抜き出し丁寧にシイヤ草を刈り取る。
もちろん、成長しきっていないものは刈り取らないように注意した。
「うん、順調順調~♪」
刈り取ったシイヤ草を背負った籠に入れて、次の獲物を探す。
「クゥイ、クゥイ。」
「ん?」
採取に熱中してたら鳴き声が聞こえてきたので音の方に視線を向けると、そこには赤い目をした青いウサギがいた。
「あれがフランさんの言っていたウサギの魔物か~。体は小型犬くらいかな? 元の世界の一般的なウサギより一回り大きいくらいか。しかし可愛いなぁ。」
魔物と聞いていたから少し怖がっていたが、思ったより全然普通のウサギだった。
「クゥイ~!!」
プラボラビットは大きな鳴き声を上げてこちらに走ってくる。
思ったよりプラボラビットは早く、シイヤ草を採取中で座っていた俺は反応できず、そのまま勢いよく体当たりされる。
「ぐはっ!!」
小さい体にしては大人の体を吹き飛ばすくらいの力はあるらしく、座っていた場所から1mくらい転がり飛ばされてしまった。
「おー!いってー!。力も速さも結構あるじゃないか!」
フランさんにあれほど気を付けるように言われていたのに、すっかり見た目で油断してしまった。
ステータス画面を見るとHPが半分近く減っている。しかし今ので半分近くって・・・俺はどんだけ弱いんだ・・・
プラボラビットは再度突撃しようと前屈みになっていたので、短剣を強く握りしめる。
「そこそこ速いようだが、それくらいのスピードだったらまだ仕事帰りに行くバッティングセンターの球のが速いぜ!」
剣術なんてものは習った事は無いが右手で短剣を構え、体当たりを喰らわないように体を外に向ける。
プラボラビットの動きを見失わないように視線を常に向け続けた。
「クゥイ~!!」
プラボラビットは鳴き声を上げながら走って来て、こちらの腹を目掛けて飛び掛かってくる。
「ハッ、甘いぜ!!」
体当たりが当たらない程度に少し体を右に避け、プラボラビットとすれ違い様にプラボラビットの横腹を目掛けて短剣を横一文字に振る。
短剣は嫌な肉の感触を伝えながらプラボラビットの腹を裂いていった。
「クゥイ~」
さっきとは真逆にか細い声で鳴きながら、すれ違ったプラボラビットはヨロヨロと歩き、すぐに倒れた。
「はぁはぁ、やったか?」
恐る恐る警戒しながら倒れたプラボラビットの所に行き、短剣でツンツンしながら生死を確めた。
「ふぅ。なんとか倒したみたいだな。ホッとしたら腰が抜けた・・・。」
初めての戦闘で気が抜けたせいか、その場に座り込んだ。
「しかし、コレどうしよう? 確か買い取りしてくれるって言ってたから持って帰るのが一番だよな・・・」
未だに裂いた横腹からは少し血が出ているので籠に入れてしまえば折角集めたシイヤ草が汚れてしまう。
「こういう時にアイテムボックスがみたいな収納スキルがあれば便利なのになぁ・・・ しょうがない、手で持って帰るか。」
持って帰る事にしたプラボラビットの首を右手で掴み持ち上げた。
「体当たりされた所も痛いし、今日はこの辺で帰るか。最初だし無理は止めておこう。」
俺は籠を背負い直し、来た道を歩き始めた。
※※※※※
「フランさん、ただいま。」
街に戻り、今日の戦果をギルドに持って来た。
「ユウジさん、お帰りなさい。初めての外はどうでしたか?」
「うーん・・・まずまずでしたかね。それと油断するのはイケナイと勉強になりました。」
「ふふ。早速、痛い目を見たようですね。でも生きて帰って来たのは何よりです。無茶はしても無理はしませんようにね。では取ってきた物はカウンター横にある、あちらの査定場で査定してもらって下さいね。」
フランさんに教えてもらった場所に行くと査定係のオジサンがいた。
「すみません、査定お願いします。」
「あいよ。どれどれ? シイヤ草が20本にプラボラビットが1匹か。そうだなぁ・・・シイヤ草は銀貨2枚、プラボラビットは銀貨1枚に鉄貨5枚かな。これで良いかい?」
「はい、それでお願いします。」
うーむ。正直相場が分からないので言い値で受け取るしかないな。まぁ銀紙3枚と鉄貨5枚なら3500ゴルって事だから、まだ陽も落ちてないし、掛かった時間にしてはまずまずかな。
「プラボラビットの状態が良ければもうちょっと値が良くなるんだがな。皮に大きな傷が付いてるから値が落ちちまった。アンタ初心者だろ? 次回からは首を狙うといいぜ。」
「なるほど~。 査定アップするには状態も気を付けて戦わないとなんですね! 分かりました。」
「まぁ、死んでしまったら元も無いからな。出来る範囲で構わんぞ。じゃあ、この受取証をフランの嬢ちゃんに渡して金を受け取ってくれや。」
オジサンはガハハと笑いながら受取証を渡した。オジサンに礼を言って査定場を後にした。
「フランさん、お願いします。」
先ほど貰った受取証をフランさんに渡す。
「はい、畏まりました。えっと・・・ではこちらが今回のお金になります。薬草採取の依頼は一旦完了にはなりますが常時依頼ですので、また採取してくれれば買い取りします。プラボラビットだけではなく、魔物は高い安いはありますが基本的には買い取りしてますのでお持ち下さいね。」
「はい、分かりました。」
フランさんから説明を受けてお金を受け取る。早速、財布を魔法で呼び出しお金を入れる。
「よぉ、終わったみたいだな。」
「やぁ、ポド。何とかね。」
「冒険者が依頼を終えたらどうするか知ってるか?」
ニヤニヤしながらポドが聞いてくる。何だろ?武器の整備かな?
「それはな・・・手に入れた金で飲むんだよ!! よし、そこの酒場で飲むぞ!」
「え!? ちょっとポド!? 俺、酒は好きだけどそんなには飲めないぞ!?」
流石にBランク冒険者の力は強く、抵抗も虚しいまま俺は気を失うまで飲まされるのであった。
王都付近は平原みたいだったが、街道をから離れれば多少は草も生い茂っていた。
「王都から近いからか俺と同じような初心者らしき冒険者を見かけるなぁ。少し離れるか・・・」
ちらほら冒険者を見かけるので取り合いにならないように少し街道を歩く。
「この辺でいいかな。」
先ほど通った外壁が小さく見えるくらい進んだので、街道から逸れて道なき道を進む。
「さてと、それじゃあ探しますか~。」
フランさんに教えてもらったシイヤ草を思い出しながら辺りを探す。
「お、あったあった。これだな。ちょこちょこ生えてるんだな。」
本当は鎌が欲しいところだが先ほど買ったばかりの短剣しかないので、腰から短剣を抜き出し丁寧にシイヤ草を刈り取る。
もちろん、成長しきっていないものは刈り取らないように注意した。
「うん、順調順調~♪」
刈り取ったシイヤ草を背負った籠に入れて、次の獲物を探す。
「クゥイ、クゥイ。」
「ん?」
採取に熱中してたら鳴き声が聞こえてきたので音の方に視線を向けると、そこには赤い目をした青いウサギがいた。
「あれがフランさんの言っていたウサギの魔物か~。体は小型犬くらいかな? 元の世界の一般的なウサギより一回り大きいくらいか。しかし可愛いなぁ。」
魔物と聞いていたから少し怖がっていたが、思ったより全然普通のウサギだった。
「クゥイ~!!」
プラボラビットは大きな鳴き声を上げてこちらに走ってくる。
思ったよりプラボラビットは早く、シイヤ草を採取中で座っていた俺は反応できず、そのまま勢いよく体当たりされる。
「ぐはっ!!」
小さい体にしては大人の体を吹き飛ばすくらいの力はあるらしく、座っていた場所から1mくらい転がり飛ばされてしまった。
「おー!いってー!。力も速さも結構あるじゃないか!」
フランさんにあれほど気を付けるように言われていたのに、すっかり見た目で油断してしまった。
ステータス画面を見るとHPが半分近く減っている。しかし今ので半分近くって・・・俺はどんだけ弱いんだ・・・
プラボラビットは再度突撃しようと前屈みになっていたので、短剣を強く握りしめる。
「そこそこ速いようだが、それくらいのスピードだったらまだ仕事帰りに行くバッティングセンターの球のが速いぜ!」
剣術なんてものは習った事は無いが右手で短剣を構え、体当たりを喰らわないように体を外に向ける。
プラボラビットの動きを見失わないように視線を常に向け続けた。
「クゥイ~!!」
プラボラビットは鳴き声を上げながら走って来て、こちらの腹を目掛けて飛び掛かってくる。
「ハッ、甘いぜ!!」
体当たりが当たらない程度に少し体を右に避け、プラボラビットとすれ違い様にプラボラビットの横腹を目掛けて短剣を横一文字に振る。
短剣は嫌な肉の感触を伝えながらプラボラビットの腹を裂いていった。
「クゥイ~」
さっきとは真逆にか細い声で鳴きながら、すれ違ったプラボラビットはヨロヨロと歩き、すぐに倒れた。
「はぁはぁ、やったか?」
恐る恐る警戒しながら倒れたプラボラビットの所に行き、短剣でツンツンしながら生死を確めた。
「ふぅ。なんとか倒したみたいだな。ホッとしたら腰が抜けた・・・。」
初めての戦闘で気が抜けたせいか、その場に座り込んだ。
「しかし、コレどうしよう? 確か買い取りしてくれるって言ってたから持って帰るのが一番だよな・・・」
未だに裂いた横腹からは少し血が出ているので籠に入れてしまえば折角集めたシイヤ草が汚れてしまう。
「こういう時にアイテムボックスがみたいな収納スキルがあれば便利なのになぁ・・・ しょうがない、手で持って帰るか。」
持って帰る事にしたプラボラビットの首を右手で掴み持ち上げた。
「体当たりされた所も痛いし、今日はこの辺で帰るか。最初だし無理は止めておこう。」
俺は籠を背負い直し、来た道を歩き始めた。
※※※※※
「フランさん、ただいま。」
街に戻り、今日の戦果をギルドに持って来た。
「ユウジさん、お帰りなさい。初めての外はどうでしたか?」
「うーん・・・まずまずでしたかね。それと油断するのはイケナイと勉強になりました。」
「ふふ。早速、痛い目を見たようですね。でも生きて帰って来たのは何よりです。無茶はしても無理はしませんようにね。では取ってきた物はカウンター横にある、あちらの査定場で査定してもらって下さいね。」
フランさんに教えてもらった場所に行くと査定係のオジサンがいた。
「すみません、査定お願いします。」
「あいよ。どれどれ? シイヤ草が20本にプラボラビットが1匹か。そうだなぁ・・・シイヤ草は銀貨2枚、プラボラビットは銀貨1枚に鉄貨5枚かな。これで良いかい?」
「はい、それでお願いします。」
うーむ。正直相場が分からないので言い値で受け取るしかないな。まぁ銀紙3枚と鉄貨5枚なら3500ゴルって事だから、まだ陽も落ちてないし、掛かった時間にしてはまずまずかな。
「プラボラビットの状態が良ければもうちょっと値が良くなるんだがな。皮に大きな傷が付いてるから値が落ちちまった。アンタ初心者だろ? 次回からは首を狙うといいぜ。」
「なるほど~。 査定アップするには状態も気を付けて戦わないとなんですね! 分かりました。」
「まぁ、死んでしまったら元も無いからな。出来る範囲で構わんぞ。じゃあ、この受取証をフランの嬢ちゃんに渡して金を受け取ってくれや。」
オジサンはガハハと笑いながら受取証を渡した。オジサンに礼を言って査定場を後にした。
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