Another world currency

haya

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組み合わせ

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「はぁー! やっと帰って来たー!」


 公爵領での依頼を終えオーライトの街に戻り、マールさんに依頼完了を報告して宿に戻ってきた。
 部屋に入るなりベッドにダイブする。


「ご主人様! ベッドでお休みになるなら部屋着に着替えて下さい!」

「うー・・・」


 まるで母親のように言ってくるリエルに枕に顔を突っ込んだまま適当に返事を返す。

 
「(そう言えばマールさん凄く喜んでいたなぁ・・・)」


 ギルドに報告した時にマールさんが泣いて喜んでいた。これでクビも繋がるからと。
 そして是非お礼にと今度食事に誘っていただいた。


「(あんな美人の人に誘ってもらうなんて、もうたまんないな~! 痛っ!)」


 枕を抱き枕にしてベッドで勢いよくゴロゴロしていたらベッドから落ちてしまった。


「あいたたた・・・ハッ!」

「「じ~~。」」


 腰を擦りながらふと見ると、二人が汚物でも見るかのような視線を向けていた。一体、いつからこんな目をするようになってしまったのだろう。


「あはは・・・ゴホンっ!」


 咳を一つし、緩んだ顔を引き締め再びベッドに腰を掛けようとすると、床に布袋が落ちていた。
 これは先程ギルドで貰った今回の依頼の報奨金で服のポケットに入れていたのだが、ベッドから落ちた時に服から落ちたのだろう。


「これもしまっておかないとだな。【財布】《ウォレット》!!」


 呪文を唱えて財布を出すとレベルが上がったのか財布が変わっていた。
 新しい財布は俺が中学生になった時に買ってもらったマジックテープ付きの物だった。
 向こうの世界でもこちらの世界でもマジックテープなんて久しぶりだから懐かしくてベリベリと付けては剥がしてと少し遊んでいた。


「他のもレベルが上がっているか確認してみるか・・・」


 そう思ってステータス画面を開いた。


ユウジ アスノ


状態:欠魂
職業:恋金術士
レベル:12
HP:225/225
MP:2085/2085
STR:160
VIT:140
AGI:150
MAG:120

恋金魔法
貨幣創造6
財布4
悪魔の借入2
貨幣交換2
限定錬成1

スキル
算術2 家事2 異世界言語


 うーむ。暇な時に【貨幣創造】をしているからMPの伸びが良いな。後は良く使う魔法は良いけど全く使わないと魔法は伸びが悪い。


「あれ? 新しい魔法があるな・・・【限定錬成】?」

「え? ご主人、新しい魔法を覚えたの!? 見せて見せてー!」

「ちょっと待っててな。今、説明を見てみるから。まぁどうせまた微妙な魔法なんだろうけど・・・」


 そう言って期待しないでヘルプマークを押してみる。


【限定錬成】・・・この世界の理を持つ貨幣と同じ金属にのみ使える。対象の金属を自由に形成できる。使用MP100/秒  レベルが上がる度に使用MP減少


 うーん。また何とも言えない魔法だ。材質・質量を変えずに形状だけ変えれるのか。どちらかと言うと等価交換なのだから恋金術師じゃなくて錬金術師に近いな。
 ただ貨幣と同じ金属という事は白金・金・銀・鉄・銅の金属しかダメって事だ。何というか微妙だ・・・


「ねぇねぇ、ご主人。どうだった?」

「ん? あぁ、丁度いいから見せてやるよ。」


 そう言って金貨を1枚取り出す。


「【貨幣交換】《チェンジカレンシー》!!」


 呪文を唱えると金貨は銅貨に変わる。金貨は10000ゴルで銅貨は10ゴルだから1000枚になった。


「じゃあいくぞ。【限定錬成】《リミテッド プロダクション》!!」


 呪文を唱えると銅貨は徐々に溶けていき一つの塊になり始める。


「(これはキツイな! MPがゴッソリ持ってかれる。ちょっと量が多かったか。)」


 銅貨の枚数が多かったせいか、思ったより作るのに時間が掛かる。
 一つの塊になった銅貨は形を変え、一本の短剣になった。


「ほら、出来たぞ。丁度折れてたから新しいの買うまで使ってくれ。」

 俺とキナが使っていた短剣はロックイーター戦で折れてしまったので作った銅剣をキナに渡す。


「わぁ~凄い! お金が銅剣になったよ! ご主人ありがとう!」


 キナは喜んで銅剣をまじまじと眺める。


「あれ? この銅剣・・・魔力が少し宿ってる?」


 魔法で作ったせいなのか、それともこの世界の貨幣は魔力が宿っているから材料で使ったからなのか理由は分からないが魔力が銅剣に宿っているみたいだ。


「おぉ! それじゃあいわゆる魔剣ってヤツか!?」

「いえ、ご主人様。確かに魔剣と同じく魔力はありますが、魔剣にはその力を発揮する魔法式が刻まれています。この剣にはそれが無いのでただ魔力のある剣ですね。」

「何だそうなのか? 残念だな~。」


 やっぱりファンタジーの世界なら魔剣という物に憧れてしまう。


「魔法式を刻める者がいたら頼んでみると良いでしょうね。威力の強い物は難しいでしょうけど・・・」

「分かった。後、こんなのはどうだ?」


 俺は再び金貨を銅貨に変え、今度は矢にする。矢に変えた途端に頭がクラっとする。MPがほとんど無くなったので魔力枯渇の症状が現れたからだ。


「ほらリエル。これならダンジョンとかで矢が無くなっても最悪いけるんじゃないか?」


 そう言って銅矢をリエルに渡す。ダンジョンで矢が全部ダメになって帰る時に魔物に会うなんて良くあるからな。


「残念ですがこれはダメですね。」

「どうしてだ?」

「私がいつも使ってる矢を見て下さい。先端の鏃だけが金属で他は木とか羽とかを組み合わせてますよね? 矢が重たくなると遠くまで飛ばなくなります。全身が銅で出来ているこの重い矢は城壁から下に向けて射つ攻城戦とかなら使えますが・・・」

「そっか~。良いアイデアだと思ったんだがなぁ・・・」

「鏃以外を持っていって現地で組み合わせるのも良いですね。やはり組み合わせは大事ですよ。」

「組み合わせね~。 ん? 組み合わせ?」


 何気ない言葉だったが妙に気になった。そして俺の頭の中でパズルのピースが噛み合ったようにスッキリ感覚になる。


「そうだ! 組み合わせだ! リエルありがとう!」


 嬉しさのあまりリエルを抱き締める。


「あ、あの・・・ ご、ご主人様・・・」

「すまん! 痛かったか?」


 急いでリエルを離す。


「あっ・・・まだ抱き締めて欲しかったのに・・・」


 リエルが小声で何か言っていたがそれどころではない。
 俺は財布から金貨を2枚出し、二人に1枚づつ渡す。


「戻ってきたばかりで悪いんだがお使いを頼まれてくれ。 リエルは地図を。キナは書く物と羊皮紙を何枚か頼む。」


 二人は疲れているだろうに嫌な顔を一つもせず買い物に行ってくれた。


「さぁて・・・忙しくなりそうだな・・・」


 窓の風景を見ながら閃いたを考えを整理していった。
 
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