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特訓する間もなく本番で、また回復されてしまいました。

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さて。
特訓、と言っても。何をすればいいのかわからない。


何しろ、魔術に関し、俺は全くのド素人である。

魔術どころか、モンスターすら存在しない世界から来たのだ。
今まで、聖なる力とやらも使ったことがない。

どういう仕組みで力が出ているのか、やり方も理解できてない。
理論もわからなくては、使えようもないのではないか。
そう言うと。

レオナルドが助言をしてくれた。


『前に御力を出された時と同じような感じで、されてみれば良いのでは? 同じだと、また倒れられてしまうかもしれないので、今度はもっと、軽い感じで』


◆◇◆


なるほど。
前にやった通りにして、試してみるのか。それは一理ある。

しかし。
何もない空間に向かい、手をかざすのか。……”波ー”と言って? 皆が見てる前で?

……とてつもなく恥ずかしいのだが。


まるで、必殺技を出すようではないか。
ヒーローごっこするような子供ではあるまいし。

そういうのは小学校低学年で卒業するもので。真顔でそんな真似、できるか。
いや、もうすでに、やってしまったわけだが。

あの時は、そんなつもりではなかった。
だが、今は。


「あまり、見ないで欲しいんだが……」

『見てないと判断できないし倒れたときの対処が遅れる』
腕を組み、城壁に背中を預けて見学しているワルターが言った。

ワルターは35歳で、千名にもなる戦士たちを一人で束ねている男だ。
その判断は信頼できよう。

ちなみに、テオは23歳で国王とレオナルドは26歳。神官のクラークはなんとあの顔で35歳、ワルターと同い年らしい。


しかし。
見物人がいつもの3名だけならともかく。

レオナルドの直属の部下……副団長3名、騎士隊長らが20名、国王とその側近10名まで、何故か見学に来ているのだ。とても期待に満ちた顔で。
剣道の試合で、観客から注目されることに慣れているはずの俺でも、これはさすがに緊張してしまう。


万一、空振りした時の空気を考えると……。空恐ろしい。


◆◇◆


『これでも厳選したのです。我がエリノア騎士団千余名、全てから見学希望があったのですが』
騎士、そんなにいるのか……。

練習だし、特に面白いこともない。
緊張するので帰って欲しい、と言おうとした時であった。


『伝令! 東の空からゴーストの群れが! 総数、約5千!』

どうやって数を確認してるのかと思ったら、四角い箱の中に何体いるか数え、大体の空間で算出してるそうだ。
年末年始、初詣に来る大勢の参拝客を算出する方法に似ている。あれは一平方に何人いるかで数えるものだが。

などと感心している場合ではない。


そんな大量の悪霊が、この地に足を踏み入れること、断じて赦さん。
足があるかどうかは知らないが。

何の未練があってこちらに彷徨い出ているかは俺の与り知らぬことだが。死者がこの世の生者に迷惑をかけるな。
迷わず成仏しろと言いたい。


「……消えろ!」
悪霊の成仏を念じて。

暗雲立ち込める東の空に手をかざすと。
本当に、俺の手から光が溢れたのだ。


暗雲は、瞬時に掻き消えた。


『ゴースト、全て消失!』
『お見事です!』

成功か。
ほっとする。


……ぐらり、と眩暈が。


ああ。
また、やってしまったのか。全力で。

薄れゆく意識の中。
ゼンショーを讃える歓声が聞こえた。


◆◇◆


「っく、……ん、」

揺さぶられて。
自分が気を失っていたことに気付く。

……またやってしまった。それも、出力最大で。
あれだけの悪霊を目の前にして、出力を抑えようなんて、まるで頭になかったからな。


裸の背に、手を回されている感覚。

目を開けると。
テオは俺を膝に乗せ、腰を突き上げていた。

精気の供給をしてくれているのだ。


「っ、あう、」
体勢のせいか、身体の奥深くまで、貫かれている。

「んむ、」
口を塞がれる。

もう、大丈夫だ。と伝えたくて背を叩くが。

「ん、んぅ、」
口を塞がれたまま、ズンズンと腰を突き上げられて。ぞくぞくしてしまう。


……もう、達きたい。
自分のものを擦りたいのに。逞しい腕にぎゅっと抱き締められていて、動けない。


「……っは、」
口が離れた、と思えば。

すぐにベッドに押し倒され。
テオの陰茎が、ぐちゅぐちゅと音がするほど、激しく出し入れされる。


「ぅあ、あ、あっ、……っく、や、もう、」

両手は、テオに掴まれて。
手を繋いだ状態で、尻を犯されている。


抗おうにも、腹の中をめちゃくちゃに掻き回されているため、丹田に力が入らない。
どのみち、抵抗しても、力では敵わないような気がするが。


◆◇◆


どうして。
……こんな、直腸を、中から擦られているだけだというのに。

内臓には、痛覚などはないはずだ。それが。
何故、こんなに。


『……声で鳴いてるけど。気持ちいいんだ?』

気持ちが良いのは事実だったので、頷いてみせると。
テオはにんまりと笑った。

『良かった。前の時は、俺も体力尽きかけてたし、急を要したせいで、ちゃんとできなくてごめんな?』

……ちゃんと?


『邪魔なギャラリーもいないし、めちゃくちゃ可愛がってやるからな』
そういえば、レオナルドもワルターもいない。

可愛がってやる、というのは。
どういう意味だ。
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