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Ⅱ
世話係の正体
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「このことを知っているのは?」
さっきからずっと深刻そうな顔をしていたロロが、アンドレに訊いた。
「……陛下と、私だけです」
マジか。
国王とアンドレ、たった二人しか知らないなんて。マジで超極秘任務じゃん。
アンドレってば、凄腕エージェントだったのか?
ただでさえ珍しい黒目黒髪で。更に”完全体”なんて、一人見つかったら世界的に大騒ぎになるほど珍しく、貴重な存在だという。
誘拐されないように、”完全体”であることは内密にして。
メイドや下働きの人間にも俺の身体の秘密を悟らせないように、アンドレが一人で俺の世話を任されていたらしい。
俺が16歳になったら、そういった事情を話して。
このまま男として生きるか、子供を産む雌雄体として生きるかを決めてもらうつもりだったそうだ。
そして。
今まで、国王になった”完全体”は、歴史上存在しないそうだ。
でもって国としては、できたら俺には雌雄体として魔素の強い男と結婚してもらい、より魔素の強い子供を産んで欲しい、という。
ということは。
俺、王様になっちゃダメなの!?
そんなのってないよ、パートⅡ!!
*****
だがしかし。
ショッキングな出来事は、それだけじゃなかった。
「魔素が薄い割には強いから、おかしいとは思ってたんだよな。……あんた、見た目、誤魔化してるだろ?」
ロロは神妙な顔をして、アンドレに言った。
アンドレの見た目?
「髪だけですよ?」
苦笑してそう言ったアンドレの髪が。
キラキラした金髪から、濃い赤茶色に変わった。
魔法で髪の色を変えていたのか。
なるほど、この濃さなら、色々な魔法が使えたのも納得だ。
でも。
この髪の色、どっかで見たような……?
「やっぱりな。その髪の色、陛下の血を引いてる。……行方をくらましたっていう、七番目の王子だな?」
ロロは納得したように頷いている。
「ええっ!?」
アンドレ、まさかの王子様!?
*****
アンドレは、国王の七番目の息子だった。
いや、前から王子様みたいな外見だよな、と思ってたけど。
マジで、本物の王子様でやんの。どひー。
アンドレの精巧な人形みたいな綺麗な顔は、あんまり国王とは似てないな。母親似だったのかな? 王妃は俺が生まれる前に亡くなっているらしいので、顔は知らないけど。相当美人だったに違いない。
アンドレは、髪の色だけは父親に似たものの、他の色が薄かったので。魔素も薄いだろうと思われて、特に期待もされず。自由に育って来たが。
5歳の時、王城に連れて来られた赤ん坊だった俺と出逢って、将来を決めたのだという。
「赤ん坊だったアンリ様に微笑みかけられて、小さな手で指をぎゅっと握られた時。私がこの手で守って差し上げたいと、強く思ったのです」
と言って。
いつもの、優しい微笑みを浮かべた。
愛らしい赤ん坊に心を奪われたアンドレは、父親……国王に「この子の面倒を見させて欲しい」と申し出た。
希少な黒髪黒目の上、大切な”完全体”である。
あまりの重責に国外へ逃げてしまった両親の代わりに、大人になるまでその身を護る人材が必要だった。
立場的にも能力的にも。アンドレなら適役だろう、と承認されて。
髪の色だけを変えて、俺の世話役についたという。
俺の記憶にはないけど。
俺は3歳になるまで、王城で暮らしていたらしい。
元王子のアンドレが世話係としての教育をひととおり済ませたので、今の城に移り住んだとか。
じゃあアンドレ、もうほぼ俺の育ての親じゃん。
なのに俺ってば5歳まで愛想のない子で、申し訳ない……。
アンドレくらい魔力があれば。本人が望めば、公爵にもなれただろうに。
何を好き好んで下働きに身を落としたんだ?
マゾなの? 謎である。
っていうか。
俺ってば王子様にオムツ替えさせたり、毎晩寝る前に足を洗わせたりしてたわけ? アラヤダ!
さっきからずっと深刻そうな顔をしていたロロが、アンドレに訊いた。
「……陛下と、私だけです」
マジか。
国王とアンドレ、たった二人しか知らないなんて。マジで超極秘任務じゃん。
アンドレってば、凄腕エージェントだったのか?
ただでさえ珍しい黒目黒髪で。更に”完全体”なんて、一人見つかったら世界的に大騒ぎになるほど珍しく、貴重な存在だという。
誘拐されないように、”完全体”であることは内密にして。
メイドや下働きの人間にも俺の身体の秘密を悟らせないように、アンドレが一人で俺の世話を任されていたらしい。
俺が16歳になったら、そういった事情を話して。
このまま男として生きるか、子供を産む雌雄体として生きるかを決めてもらうつもりだったそうだ。
そして。
今まで、国王になった”完全体”は、歴史上存在しないそうだ。
でもって国としては、できたら俺には雌雄体として魔素の強い男と結婚してもらい、より魔素の強い子供を産んで欲しい、という。
ということは。
俺、王様になっちゃダメなの!?
そんなのってないよ、パートⅡ!!
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だがしかし。
ショッキングな出来事は、それだけじゃなかった。
「魔素が薄い割には強いから、おかしいとは思ってたんだよな。……あんた、見た目、誤魔化してるだろ?」
ロロは神妙な顔をして、アンドレに言った。
アンドレの見た目?
「髪だけですよ?」
苦笑してそう言ったアンドレの髪が。
キラキラした金髪から、濃い赤茶色に変わった。
魔法で髪の色を変えていたのか。
なるほど、この濃さなら、色々な魔法が使えたのも納得だ。
でも。
この髪の色、どっかで見たような……?
「やっぱりな。その髪の色、陛下の血を引いてる。……行方をくらましたっていう、七番目の王子だな?」
ロロは納得したように頷いている。
「ええっ!?」
アンドレ、まさかの王子様!?
*****
アンドレは、国王の七番目の息子だった。
いや、前から王子様みたいな外見だよな、と思ってたけど。
マジで、本物の王子様でやんの。どひー。
アンドレの精巧な人形みたいな綺麗な顔は、あんまり国王とは似てないな。母親似だったのかな? 王妃は俺が生まれる前に亡くなっているらしいので、顔は知らないけど。相当美人だったに違いない。
アンドレは、髪の色だけは父親に似たものの、他の色が薄かったので。魔素も薄いだろうと思われて、特に期待もされず。自由に育って来たが。
5歳の時、王城に連れて来られた赤ん坊だった俺と出逢って、将来を決めたのだという。
「赤ん坊だったアンリ様に微笑みかけられて、小さな手で指をぎゅっと握られた時。私がこの手で守って差し上げたいと、強く思ったのです」
と言って。
いつもの、優しい微笑みを浮かべた。
愛らしい赤ん坊に心を奪われたアンドレは、父親……国王に「この子の面倒を見させて欲しい」と申し出た。
希少な黒髪黒目の上、大切な”完全体”である。
あまりの重責に国外へ逃げてしまった両親の代わりに、大人になるまでその身を護る人材が必要だった。
立場的にも能力的にも。アンドレなら適役だろう、と承認されて。
髪の色だけを変えて、俺の世話役についたという。
俺の記憶にはないけど。
俺は3歳になるまで、王城で暮らしていたらしい。
元王子のアンドレが世話係としての教育をひととおり済ませたので、今の城に移り住んだとか。
じゃあアンドレ、もうほぼ俺の育ての親じゃん。
なのに俺ってば5歳まで愛想のない子で、申し訳ない……。
アンドレくらい魔力があれば。本人が望めば、公爵にもなれただろうに。
何を好き好んで下働きに身を落としたんだ?
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っていうか。
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