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2 赤ずきんを倒すには

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俺は悩んでいた。どうにかして強さをアピールしないと。狼なら強いやつに決闘を申し込んで強さを見せつけるのが一般的だ。でも、村の男の中で一番小柄な俺では喧嘩ふっかけても返り討ちにされるのが目に見えている。

「くそぉ…」

そんなとき、村の端の方。ボロい小屋の後ろからヒソヒソ声が聞こえてきた。

「ん?」

こっそりと物陰から覗いてみるとそこには不良狼たちが集まっていた。なにやら話し込んでいるらしい。

「赤ずきん。あいつはやめとけ。あいつを襲うのは割に合わねーよ」

集団の中で一番体格のいいやつが顔をしかめてそう言った。

「…でも…ね…てて」
小柄なやつのセリフは声が遠くてよく聞こえない。

「確かにいっかい成功すれば一生食っていけるだろうけど聞くところによるとやばいらしいぜ」


人を襲うことはこの村の禁忌に触れるが、彼らが山賊まがいのことをしているのを村人はみんな知っている。実際のところ彼らが盗んできた金品や食料で村は潤っているからだ。
奴らは次のターゲットの選定をしているのかもしれない。

赤ずきんといえば、ここ最近、一人で森に出入りし始めた青年だ。
赤い髪に黒い頭巾を被っているからそう呼ばれている。人間が狼の森に入ることはそうそうないから噂になっていた。

「前によぉほら、リュウのやつが仕掛けたときあれは並大抵の動きじゃなかったぜ。数で仕掛けても勝てるかどうか…それよりよ。街に…」

問題児たちの話によると赤ずきんはすごく強いらしい。あいつを襲うのはやめたほうがいいっていってた。

赤ずきんはヤンキーさえも尻込みするほどのやばいやつなのか。
つまり、もしも俺が赤ずきんに勝ったら!そしたらみんな見直してくれるかもしれない。

どんなやつかはわからないけど人間になら流石に勝てるだろう。ハスに勝負を仕掛けるよりもよほど勝率がある。

もしも強さを証明することができれば、こんな形だけの婚約なんて破棄できる。自由になって誰かを本当に愛すことだってきっとできるはずだ。

よし!!そうと決まれば、赤ずきんのところへ行こう!そして襲うんだ。
俺はそう意気込んで村を出た。


で、襲うってどうやるんだ?
    
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