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6 婚約者がわからない
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あれから無事に村に帰ったが頭がボーッとする。赤ずきんとのキスを思い返すと何故か下半身がムズムズした。
「あーだめだ。今日はもう寝よう」
俺は深く布団を被った。
翌朝。いつもどおり日が昇るのと同時に目が覚めた。
「ふぁーぁ」
入浴を済ませると、朝食の野菜を収穫しに庭へと出た。
自給自足がメインの狼族にとっては畑作業が仕事だ。庭で大切に育てた豆や葉、根菜などは貴重な食料だった。
地面にしゃがんで豆の回収をしていると、ふと頭上から嫌な視線を感じた。顔をあげるとそこにはやはりリアーが立っていた。
「うわっ」
彼は手にチーズとパンを持っている。いつものことだ。今日もうちで朝食を食べるのだろう。なんでこう毎朝一緒に食事をしたがるのか謎だ。
「ちんたらしてんじゃねーよ」
「ご、ごめん…」
今日は一体何をされるのだろうか。本当は家に招きたくないけど断れば殴られるかもしれない。
俺は怯えながら彼をダイニングに通すと、庭で育てた野菜や森の果物を机の上においた。
ナイフで皮をむいて…。ってあれ?
いつも腰にぶら下げている果物ナイフがない。あぁ、そういえば赤ずきんに取られたんだった。
「あの…な、ナイフかりてもいい?」
恐る恐るリアーに頼むと彼は仏頂面でこちらに果物ナイフを差し出した。
「ありがと…」
「なくしたのか?」
「うん、昨日森に行って落としたみたい」
「お前…昨日夕方まで森になにしに行ってたんだよ」
そんなのリアーには関係ないだろ…。彼はいつも俺の行動を把握したがる。どこに行くんだ。今日は何をするんだって。正直うっとうしい。
「探検だよ…」
そう言うと彼は尚の事眉間にシワを寄せた。
「危ないからやめとけ。のろまで運動神経も悪いんだから怪我すんだろ」
「ん…」
そうは言っても今日もまたカーマインに会いにいくつもりだ。昨日約束したし。
俺は静かにりんごを齧った。ピリピリした朝食会は胃が痛い。
「ごちそうさまでした。じゃあ、俺は先に行くから」
「どこいくんだよ」
「川、川に魚捕りに行く」
「あーなら俺も行く。今日はリリと川遊びの予定だったし」
リリというのは村一番の美女でこの前リアーがキスしてた女の子だ。
あの子と遊びに行くのに俺も誘うのか。考えただけで気まずくて吐きそうだ。
「いいよ。二人で楽しんできなよ。俺は別のところ行くからさ」
気を利かせてそう告げると彼は眉をピクリと動かした。
そして突如立ち上がり俺の胸ぐらを掴む。
やばいっ殴られ…。そう思って目を瞑ると唇に柔らかい感触がした。
びっくりして肩を押し返すと思いっきり突き飛ばされた。
「うわっ」
ガンッと木でできた床に強く後頭部を打ち付けた。いてて…。これはたんこぶになるな。
「チッ」
床に横たわる俺を見てリアーは舌打ちをした。本当に彼がわからない。
リアーが触れたところがなぜか気持ち悪くて俺は唇を手で拭った。
そして瞬時に立ち上がると逃げるようにして家を飛び出した。
「あーだめだ。今日はもう寝よう」
俺は深く布団を被った。
翌朝。いつもどおり日が昇るのと同時に目が覚めた。
「ふぁーぁ」
入浴を済ませると、朝食の野菜を収穫しに庭へと出た。
自給自足がメインの狼族にとっては畑作業が仕事だ。庭で大切に育てた豆や葉、根菜などは貴重な食料だった。
地面にしゃがんで豆の回収をしていると、ふと頭上から嫌な視線を感じた。顔をあげるとそこにはやはりリアーが立っていた。
「うわっ」
彼は手にチーズとパンを持っている。いつものことだ。今日もうちで朝食を食べるのだろう。なんでこう毎朝一緒に食事をしたがるのか謎だ。
「ちんたらしてんじゃねーよ」
「ご、ごめん…」
今日は一体何をされるのだろうか。本当は家に招きたくないけど断れば殴られるかもしれない。
俺は怯えながら彼をダイニングに通すと、庭で育てた野菜や森の果物を机の上においた。
ナイフで皮をむいて…。ってあれ?
いつも腰にぶら下げている果物ナイフがない。あぁ、そういえば赤ずきんに取られたんだった。
「あの…な、ナイフかりてもいい?」
恐る恐るリアーに頼むと彼は仏頂面でこちらに果物ナイフを差し出した。
「ありがと…」
「なくしたのか?」
「うん、昨日森に行って落としたみたい」
「お前…昨日夕方まで森になにしに行ってたんだよ」
そんなのリアーには関係ないだろ…。彼はいつも俺の行動を把握したがる。どこに行くんだ。今日は何をするんだって。正直うっとうしい。
「探検だよ…」
そう言うと彼は尚の事眉間にシワを寄せた。
「危ないからやめとけ。のろまで運動神経も悪いんだから怪我すんだろ」
「ん…」
そうは言っても今日もまたカーマインに会いにいくつもりだ。昨日約束したし。
俺は静かにりんごを齧った。ピリピリした朝食会は胃が痛い。
「ごちそうさまでした。じゃあ、俺は先に行くから」
「どこいくんだよ」
「川、川に魚捕りに行く」
「あーなら俺も行く。今日はリリと川遊びの予定だったし」
リリというのは村一番の美女でこの前リアーがキスしてた女の子だ。
あの子と遊びに行くのに俺も誘うのか。考えただけで気まずくて吐きそうだ。
「いいよ。二人で楽しんできなよ。俺は別のところ行くからさ」
気を利かせてそう告げると彼は眉をピクリと動かした。
そして突如立ち上がり俺の胸ぐらを掴む。
やばいっ殴られ…。そう思って目を瞑ると唇に柔らかい感触がした。
びっくりして肩を押し返すと思いっきり突き飛ばされた。
「うわっ」
ガンッと木でできた床に強く後頭部を打ち付けた。いてて…。これはたんこぶになるな。
「チッ」
床に横たわる俺を見てリアーは舌打ちをした。本当に彼がわからない。
リアーが触れたところがなぜか気持ち悪くて俺は唇を手で拭った。
そして瞬時に立ち上がると逃げるようにして家を飛び出した。
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