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第30話 誤解が解けた?
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リビングでの授業はいつも通り。
「京太お兄ちゃん。ここなんだけど」
「どれどれ」
優美ちゃんが質問をしてくれたので、ノートに顔を近づける。
その時に、目の前にいる優乃と目が合った。
「むぅ……」
その目は明らかにこちらを威嚇するような目つき。
痛い男から妹を守らんとする睨みつけ。
や、やりにくい……。
「……で……こうなる」
「わぁ。やっぱり京太お兄ちゃんってすごーい。頭良いー!」
「いやいやー」
小学生の問題を教えただけで良い気になるなって思われるかもしれないが、どんなことでも褒められると素直に嬉しくなってしまう。
「あ、京太お兄ちゃん。ゆうみ、便所」
そう言うと、優美ちゃんは席を外してリビングを出て行った。
姉妹揃って同じ表現とは、見た目も中身もそっくりだな。
目の前の姉の方を見ると。
「むむむぅ」
睨みは続いていた。
俺が優美ちゃんに痛い話をしないように監視しているようだが、2人っきりになれて好都合だ。
「優乃」
睨みつける彼女を呼ぶと、少しだけピクッとなる。話しは聞いてくれるみたいだ。
「その、だな……」
しかし、どう言い訳したものか。
痛い発言をした後に、俺は痛くない奴だと言っても意味はない。
取り消しができない言葉。だったら言葉の本気度を知ってもらうしかない。
痛い発言だったが、その言葉は本物。冗談で言ったわけでは決してない。
何事も本気だとわかってもらえれば認知が変わる。
かつて、テレビゲームは害悪だと言われた時代があったが、今ではすっかり脳のトレーニングに良いと認知されている。
それと同じ。多分。
「なんですか?」
名前を呼んだのに黙り込んでしまったので、優乃が不機嫌に聞き返して来る。
「今日学校に行って思ったけどさ。やっぱり誰よりも、優乃がキラキラ輝いて見えてるよ」
どうだ?
1番痛そうなセリフをチョイスした。
キラキラ輝いて見えるなんて高校生からすると相当痛いけど、これを改めて真剣に言う事により本気度が増すだろ。
てか、ガチで思ってることだけど。
優乃は真っすぐと俺を見つめてくる。
反応は薄い。
だめか……?
ガタッ。
彼女が席を立つ。
そのまま無言でリビングを出て行こうとする。
「あ、おい。優乃?」
こちらの呼びかけに、ピタッと立ち止まる。だが、振り返ることなく優乃はリビングを出て行った。
「だめ……だったか。くそぉ……」
俺は、へなへなとダイニングテーブルに座る。
そして、「くぉぉぉぉ……」と悶絶してしまった。
この技は諸刃の剣。失敗した時の悶絶具合は軽く5倍となる。
あかん。
優乃の中で俺の痛い奴レベルが振り切り、気持ち悪くなってどっかに行ってしまった。
これはもう言い訳もできないやつ。
「京太お兄ちゃん? 今、お姉ちゃんが物凄いスピードで部屋に上がって行ったんだけど……」
「優美ちゃん……。くっ……」
俺は彼女へ泣き言を漏らす。
「俺にはもう、優美ちゃんしかいない……」
「えっと……。この一瞬でなにがあったのかわからないけど」
優美ちゃんが俺の頭を撫でてくれる。
「京太お兄ちゃんにはゆうみがいるから大丈夫だよ」
「優美ちゃん……」
天使のような彼女の言葉が俺の心を癒してくれた。
「よし。さっさと勉強を終わらして、ゲームをしよう」
「うんっ」
早速と勉強を再開しようとしたところ。
バンッ!
勢いよくドアが開いた。
「別に先輩の面倒なんて見るんだからね! 感謝します!」
メイド服の上にジャージーを着た優乃が言い放つ。
「本当にこの一瞬でなにがあったの?」
「優美ちゃん……。俺も聞きたい」
♢ (東堂優乃視点に変わります)
ドタドタドタ。
階段を勢いよく上がり、わたし、東堂優乃は自室のドアを開けて、そのままプールの飛び込みみたいな勢いでベッドへダイブする。
「すぅぅぅ」
まるで水中にもぐる前みたいに大きく息を吸って、枕に顔を埋める。
「すきいいいいいい!」
あー! もー! 京太くん好きー!
そうだよね。そうだよね!! 今日、たまたまクラスメイトに話しかけられただけだよね。それに、優美と引っ付くのもいつものことだし。
もやもやしてたのがバカらしい。
京太くんは誰よりもわたしを見てるって言ってくれた。間違いじゃないよね! 間違いじゃないよね!?
きゃー! うふぇー! ふゅー!
やばい、やばい、やばい。
心のモヤモヤ全部消えた。京太くん最高、好き。
バタバタとバタ足をするのをやめて、寝返りをうつ。
そこで少し冷静になった。
「今日、京太くんのこと、睨みつけてしかない……。それは失礼だ」
ここは、睨みつけてしまったお詫びをしないと。
そうなると……。京太くんは後輩メイドが好きだ。
マスターからもらったメイド服がある。
そして、わたしの好きな後藤になを混ぜ合わせよう。そうすることにより、お詫び感が強くなる。
早速と行動に出る。京太くんは行動する人が好きだからね。
メイド服に着替えると、その上から寝間着代わりの後藤になのジャージーの上を羽織り、ドタドタとリビングへ向かう。
バンッ。
勢い良くドアを開けた。
「別に先輩の面倒なんて見るんだからね! 感謝します!」
後輩メイドキャラ&後藤になのツンデレ&わたしの思いを混ぜたエクストラドリーム。
「本当にこの一瞬でなにがあったの?」
優美の困惑した顔。
「優美ちゃん……。俺も聞きたい」
京太くんも困惑した様子。
「あ、あはは。あひゃひゃひゃ!」
そして冷静になったわたしは壊れるしかなかった。
一体、わたしはなんでこんな奇行に走ったのか。
それは多分、彼に恋してるからだろう。
「着替えた方が良くない?」
「はい」
わたしは京太くんの言葉に素直に従い、部屋着に着替えた。
「京太お兄ちゃん。ここなんだけど」
「どれどれ」
優美ちゃんが質問をしてくれたので、ノートに顔を近づける。
その時に、目の前にいる優乃と目が合った。
「むぅ……」
その目は明らかにこちらを威嚇するような目つき。
痛い男から妹を守らんとする睨みつけ。
や、やりにくい……。
「……で……こうなる」
「わぁ。やっぱり京太お兄ちゃんってすごーい。頭良いー!」
「いやいやー」
小学生の問題を教えただけで良い気になるなって思われるかもしれないが、どんなことでも褒められると素直に嬉しくなってしまう。
「あ、京太お兄ちゃん。ゆうみ、便所」
そう言うと、優美ちゃんは席を外してリビングを出て行った。
姉妹揃って同じ表現とは、見た目も中身もそっくりだな。
目の前の姉の方を見ると。
「むむむぅ」
睨みは続いていた。
俺が優美ちゃんに痛い話をしないように監視しているようだが、2人っきりになれて好都合だ。
「優乃」
睨みつける彼女を呼ぶと、少しだけピクッとなる。話しは聞いてくれるみたいだ。
「その、だな……」
しかし、どう言い訳したものか。
痛い発言をした後に、俺は痛くない奴だと言っても意味はない。
取り消しができない言葉。だったら言葉の本気度を知ってもらうしかない。
痛い発言だったが、その言葉は本物。冗談で言ったわけでは決してない。
何事も本気だとわかってもらえれば認知が変わる。
かつて、テレビゲームは害悪だと言われた時代があったが、今ではすっかり脳のトレーニングに良いと認知されている。
それと同じ。多分。
「なんですか?」
名前を呼んだのに黙り込んでしまったので、優乃が不機嫌に聞き返して来る。
「今日学校に行って思ったけどさ。やっぱり誰よりも、優乃がキラキラ輝いて見えてるよ」
どうだ?
1番痛そうなセリフをチョイスした。
キラキラ輝いて見えるなんて高校生からすると相当痛いけど、これを改めて真剣に言う事により本気度が増すだろ。
てか、ガチで思ってることだけど。
優乃は真っすぐと俺を見つめてくる。
反応は薄い。
だめか……?
ガタッ。
彼女が席を立つ。
そのまま無言でリビングを出て行こうとする。
「あ、おい。優乃?」
こちらの呼びかけに、ピタッと立ち止まる。だが、振り返ることなく優乃はリビングを出て行った。
「だめ……だったか。くそぉ……」
俺は、へなへなとダイニングテーブルに座る。
そして、「くぉぉぉぉ……」と悶絶してしまった。
この技は諸刃の剣。失敗した時の悶絶具合は軽く5倍となる。
あかん。
優乃の中で俺の痛い奴レベルが振り切り、気持ち悪くなってどっかに行ってしまった。
これはもう言い訳もできないやつ。
「京太お兄ちゃん? 今、お姉ちゃんが物凄いスピードで部屋に上がって行ったんだけど……」
「優美ちゃん……。くっ……」
俺は彼女へ泣き言を漏らす。
「俺にはもう、優美ちゃんしかいない……」
「えっと……。この一瞬でなにがあったのかわからないけど」
優美ちゃんが俺の頭を撫でてくれる。
「京太お兄ちゃんにはゆうみがいるから大丈夫だよ」
「優美ちゃん……」
天使のような彼女の言葉が俺の心を癒してくれた。
「よし。さっさと勉強を終わらして、ゲームをしよう」
「うんっ」
早速と勉強を再開しようとしたところ。
バンッ!
勢いよくドアが開いた。
「別に先輩の面倒なんて見るんだからね! 感謝します!」
メイド服の上にジャージーを着た優乃が言い放つ。
「本当にこの一瞬でなにがあったの?」
「優美ちゃん……。俺も聞きたい」
♢ (東堂優乃視点に変わります)
ドタドタドタ。
階段を勢いよく上がり、わたし、東堂優乃は自室のドアを開けて、そのままプールの飛び込みみたいな勢いでベッドへダイブする。
「すぅぅぅ」
まるで水中にもぐる前みたいに大きく息を吸って、枕に顔を埋める。
「すきいいいいいい!」
あー! もー! 京太くん好きー!
そうだよね。そうだよね!! 今日、たまたまクラスメイトに話しかけられただけだよね。それに、優美と引っ付くのもいつものことだし。
もやもやしてたのがバカらしい。
京太くんは誰よりもわたしを見てるって言ってくれた。間違いじゃないよね! 間違いじゃないよね!?
きゃー! うふぇー! ふゅー!
やばい、やばい、やばい。
心のモヤモヤ全部消えた。京太くん最高、好き。
バタバタとバタ足をするのをやめて、寝返りをうつ。
そこで少し冷静になった。
「今日、京太くんのこと、睨みつけてしかない……。それは失礼だ」
ここは、睨みつけてしまったお詫びをしないと。
そうなると……。京太くんは後輩メイドが好きだ。
マスターからもらったメイド服がある。
そして、わたしの好きな後藤になを混ぜ合わせよう。そうすることにより、お詫び感が強くなる。
早速と行動に出る。京太くんは行動する人が好きだからね。
メイド服に着替えると、その上から寝間着代わりの後藤になのジャージーの上を羽織り、ドタドタとリビングへ向かう。
バンッ。
勢い良くドアを開けた。
「別に先輩の面倒なんて見るんだからね! 感謝します!」
後輩メイドキャラ&後藤になのツンデレ&わたしの思いを混ぜたエクストラドリーム。
「本当にこの一瞬でなにがあったの?」
優美の困惑した顔。
「優美ちゃん……。俺も聞きたい」
京太くんも困惑した様子。
「あ、あはは。あひゃひゃひゃ!」
そして冷静になったわたしは壊れるしかなかった。
一体、わたしはなんでこんな奇行に走ったのか。
それは多分、彼に恋してるからだろう。
「着替えた方が良くない?」
「はい」
わたしは京太くんの言葉に素直に従い、部屋着に着替えた。
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