7 / 20
第2章 森でのさばいばる生活
2−3 はじめての家族
しおりを挟む
第2章 森でのさばいばる生活
2-3 はじめての家族
目をさましたとき、そこは見たことのない天井でした。
ふわふわの白い天蓋(てんがい)に、やわらかいレースのカーテン。
ひんやりしたシーツが肌にふれて、
“草のベッド”とはまるでちがう感触です。
「……ここ、どこですの?」
リリアナはきょろきょろとあたりを見回しました。
おおきな窓から光がさして、
鳥の声が聞こえます。
部屋には花の香りがただよっていて、
ベッドの横には小さな机と、
水の入ったコップが置かれていました。
その水を見て、リリアナはほっとしました。
「森じゃなくても、水はあるのですのね……」
起き上がろうとした瞬間、
「まあ! お目ざめになりましたのね!」
と声がして、女の人がかけ寄ってきました。
昨日、森で会ったあの人――公爵夫人でした。
やさしい笑顔で、リリアナの手を取ります。
「ここは、ルフェール公爵家の屋敷ですの。
あなたを森から連れてきたのですよ。」
「ルフェール……?」
「わたくしはイザベラ・ルフェール。あなたを見つけたとき、
神さまが導いてくださったと思いましたの。」
リリアナはぽかんと口をあけました。
昨日まで木の葉のベッドで寝ていたのに、
いきなり“貴族の屋敷”のベッドに寝ているなんて、
夢みたいですの。
「……わたし、しんでませんの?」
「まぁ! 生きてますわよ、元気にね!」
イザベラ夫人はくすくす笑いました。
リリアナも、つられて小さく笑いました。
***
部屋の外では、夫の公爵が話をしていました。
「まさか、あのローゼリア家の娘がこんな姿で……。」
「ええ。きっと何かあったのですわ。」
「国境の報告にも出しておこう。
あの家の仕打ちは、決して見逃せぬ。」
そんなことを言っているとは知らずに、
リリアナはテーブルの上のパンを見つめていました。
「……これ、たべていいのですの?」
「もちろんよ。あなたの朝ごはんですの。」
ふわふわのパンに、あたたかいスープ。
こんなごちそう、いつぶりでしょう。
リリアナは手を合わせて、
「いただきますの!」
ひとくち食べて――
「おいしいですのぉぉぉ!」
思わず大きな声が出てしまいました。
スープの中の野菜が甘くて、
パンは口の中でやわらかくとけます。
森で拾ったドングリより、
何倍も何倍もおいしい。
「ゆっくり食べなさいね。」
「はいですの!」
その返事の元気さに、イザベラ夫人は思わず笑顔になりました。
***
食事が終わると、夫人はリリアナの髪をゆっくりとかしてくれました。
森の枝に引っかかっていた髪はボサボサで、
手ぐしでまとめたような状態。
でも、夫人のブラシは魔法みたいにやさしくて、
一度なでるたびに髪がさらさらになっていきます。
「こんなにきれいな髪、森にいたなんてもったいないですわ。」
「そうですの? けいぼさまは、
“ぼさぼさでみっともない”って言いましたの。」
「まあ……そんなことを……。」
イザベラ夫人の目が一瞬だけ鋭く光りました。
けれどすぐに笑顔を取り戻して、
「あなたは、うつくしい子ですのよ。誰に何を言われてもね。」
と言って、髪の先にリボンを結んでくれました。
それは、ミーナさんがくれた“お母さまの形見のリボン”と同じ色。
「ぴったりですわね。」
「ほんとうに……ぴったりですの!」
リリアナは鏡の中の自分を見て、
思わず目を丸くしました。
鏡の中には、
森の泥だらけの子ではなく――
まるでおとぎ話の中の“ちいさな令嬢”がいました。
「これ……わたし、ですの?」
「ええ。あなたですわ。」
リリアナは頬を押さえて、少し照れくさそうに笑いました。
***
夕方になると、公爵が部屋に入ってきました。
「体調はどうだ?」
「はい、げんきですの!」
「そうか。……本当に、よく頑張ったな。」
公爵は手を伸ばし、
リリアナの頭を軽くなでました。
大きな手。
やさしいけど、どこか“おとうさま”を思い出す手でした。
「あなたがいてくれて、うれしいわ。」
イザベラ夫人も微笑みます。
「リリアナ、わたしたちはね、ずっと子どもがいなかったの。
だから、神さまがあなたをここへ送ってくれたのかもしれない。」
「かみさま……?」
「ええ。だからね、あなたを娘として迎えたいの。」
リリアナの目がまんまるになりました。
「……むすめ?」
「そう。リリアナ・ルフェールとして、
この家で生きていくの。」
その言葉を聞いても、リリアナはすぐに答えられませんでした。
だって“家族”という言葉を、
久しく聞いていなかったから。
でも、胸の奥がじんわりあたたかくなって、
ほっぺたが勝手にゆるんでしまいました。
「……わたし、ここにいてもいいのですの?」
「もちろんよ。」
イザベラ夫人がリリアナを抱きしめました。
公爵も笑って、その頭をやさしくなでます。
リリアナは目をぎゅっと閉じました。
あたたかい。
やさしい。
森の火のぬくもりより、もっとやさしい。
「……ありがとう、ですの。わたし、がんばって……いい子になりますの。」
「そのままでいいのよ。」
「そうだ。もう“がんばらなくていい”。
君は、もう一人じゃない。」
その言葉を聞いた瞬間、
リリアナの涙が、こぼれ落ちました。
でも、それは悲しい涙ではなく――
生まれてはじめて流した、“しあわせの涙”でした。
***
夜。
リリアナはふかふかのベッドの中で、
小さな声でつぶやきました。
> 「こんなので まけない。がんばって……しあわせになるぞー!」
月の光がカーテンからこぼれて、
その笑顔をやさしく照らしていました。
こうして――
“森の幼女”リリアナは、
“ルフェール公爵家の娘”として、新しい人生を歩きはじめたのです。
---
2-3 はじめての家族
目をさましたとき、そこは見たことのない天井でした。
ふわふわの白い天蓋(てんがい)に、やわらかいレースのカーテン。
ひんやりしたシーツが肌にふれて、
“草のベッド”とはまるでちがう感触です。
「……ここ、どこですの?」
リリアナはきょろきょろとあたりを見回しました。
おおきな窓から光がさして、
鳥の声が聞こえます。
部屋には花の香りがただよっていて、
ベッドの横には小さな机と、
水の入ったコップが置かれていました。
その水を見て、リリアナはほっとしました。
「森じゃなくても、水はあるのですのね……」
起き上がろうとした瞬間、
「まあ! お目ざめになりましたのね!」
と声がして、女の人がかけ寄ってきました。
昨日、森で会ったあの人――公爵夫人でした。
やさしい笑顔で、リリアナの手を取ります。
「ここは、ルフェール公爵家の屋敷ですの。
あなたを森から連れてきたのですよ。」
「ルフェール……?」
「わたくしはイザベラ・ルフェール。あなたを見つけたとき、
神さまが導いてくださったと思いましたの。」
リリアナはぽかんと口をあけました。
昨日まで木の葉のベッドで寝ていたのに、
いきなり“貴族の屋敷”のベッドに寝ているなんて、
夢みたいですの。
「……わたし、しんでませんの?」
「まぁ! 生きてますわよ、元気にね!」
イザベラ夫人はくすくす笑いました。
リリアナも、つられて小さく笑いました。
***
部屋の外では、夫の公爵が話をしていました。
「まさか、あのローゼリア家の娘がこんな姿で……。」
「ええ。きっと何かあったのですわ。」
「国境の報告にも出しておこう。
あの家の仕打ちは、決して見逃せぬ。」
そんなことを言っているとは知らずに、
リリアナはテーブルの上のパンを見つめていました。
「……これ、たべていいのですの?」
「もちろんよ。あなたの朝ごはんですの。」
ふわふわのパンに、あたたかいスープ。
こんなごちそう、いつぶりでしょう。
リリアナは手を合わせて、
「いただきますの!」
ひとくち食べて――
「おいしいですのぉぉぉ!」
思わず大きな声が出てしまいました。
スープの中の野菜が甘くて、
パンは口の中でやわらかくとけます。
森で拾ったドングリより、
何倍も何倍もおいしい。
「ゆっくり食べなさいね。」
「はいですの!」
その返事の元気さに、イザベラ夫人は思わず笑顔になりました。
***
食事が終わると、夫人はリリアナの髪をゆっくりとかしてくれました。
森の枝に引っかかっていた髪はボサボサで、
手ぐしでまとめたような状態。
でも、夫人のブラシは魔法みたいにやさしくて、
一度なでるたびに髪がさらさらになっていきます。
「こんなにきれいな髪、森にいたなんてもったいないですわ。」
「そうですの? けいぼさまは、
“ぼさぼさでみっともない”って言いましたの。」
「まあ……そんなことを……。」
イザベラ夫人の目が一瞬だけ鋭く光りました。
けれどすぐに笑顔を取り戻して、
「あなたは、うつくしい子ですのよ。誰に何を言われてもね。」
と言って、髪の先にリボンを結んでくれました。
それは、ミーナさんがくれた“お母さまの形見のリボン”と同じ色。
「ぴったりですわね。」
「ほんとうに……ぴったりですの!」
リリアナは鏡の中の自分を見て、
思わず目を丸くしました。
鏡の中には、
森の泥だらけの子ではなく――
まるでおとぎ話の中の“ちいさな令嬢”がいました。
「これ……わたし、ですの?」
「ええ。あなたですわ。」
リリアナは頬を押さえて、少し照れくさそうに笑いました。
***
夕方になると、公爵が部屋に入ってきました。
「体調はどうだ?」
「はい、げんきですの!」
「そうか。……本当に、よく頑張ったな。」
公爵は手を伸ばし、
リリアナの頭を軽くなでました。
大きな手。
やさしいけど、どこか“おとうさま”を思い出す手でした。
「あなたがいてくれて、うれしいわ。」
イザベラ夫人も微笑みます。
「リリアナ、わたしたちはね、ずっと子どもがいなかったの。
だから、神さまがあなたをここへ送ってくれたのかもしれない。」
「かみさま……?」
「ええ。だからね、あなたを娘として迎えたいの。」
リリアナの目がまんまるになりました。
「……むすめ?」
「そう。リリアナ・ルフェールとして、
この家で生きていくの。」
その言葉を聞いても、リリアナはすぐに答えられませんでした。
だって“家族”という言葉を、
久しく聞いていなかったから。
でも、胸の奥がじんわりあたたかくなって、
ほっぺたが勝手にゆるんでしまいました。
「……わたし、ここにいてもいいのですの?」
「もちろんよ。」
イザベラ夫人がリリアナを抱きしめました。
公爵も笑って、その頭をやさしくなでます。
リリアナは目をぎゅっと閉じました。
あたたかい。
やさしい。
森の火のぬくもりより、もっとやさしい。
「……ありがとう、ですの。わたし、がんばって……いい子になりますの。」
「そのままでいいのよ。」
「そうだ。もう“がんばらなくていい”。
君は、もう一人じゃない。」
その言葉を聞いた瞬間、
リリアナの涙が、こぼれ落ちました。
でも、それは悲しい涙ではなく――
生まれてはじめて流した、“しあわせの涙”でした。
***
夜。
リリアナはふかふかのベッドの中で、
小さな声でつぶやきました。
> 「こんなので まけない。がんばって……しあわせになるぞー!」
月の光がカーテンからこぼれて、
その笑顔をやさしく照らしていました。
こうして――
“森の幼女”リリアナは、
“ルフェール公爵家の娘”として、新しい人生を歩きはじめたのです。
---
11
あなたにおすすめの小説
戦う聖女さま
有栖多于佳
恋愛
エニウェア大陸にある聖教国で、千年ぶりに行われた聖女召喚。
聖女として呼ばれた魂の佐藤愛(さとうめぐみ)は、魂の器として選ばれた孤児の少女タビタと混じり、聖教国を聖教皇から乗っ取り理想の国作りをしながら、周辺国も巻き込んだ改革を行っていく。
佐藤愛は、生前ある地方都市の最年少市長として改革を進めていたが、志半ばで病に倒れて死んでしまった。
やり残した後悔を、今度は異世界でタビタと一緒に解決していこうと張り切っている。悩んだら走る、困ったらスクワットという筋肉は裏切らない主義だが、そこそこインテリでもある。
タビタは、修道院の門前に捨てられていた孤児で、微力ながら光の属性があったため、聖女の器として育てられてきた。自己犠牲を生まれた時から叩き込まれてきたので、自己肯定感低めで、現実的でシニカルな物の見方もする。
東西南北の神官服の女たち、それぞれ聖教国の周辺国から選ばれて送り込まれた光の属性の巫女で、それぞれ国と個人が問題を抱えている。
小説家になろうにも掲載してます。
見捨ててくれてありがとうございます。あとはご勝手に。
有賀冬馬
恋愛
「君のような女は俺の格を下げる」――そう言って、侯爵家嫡男の婚約者は、わたしを社交界で公然と捨てた。
選んだのは、華やかで高慢な伯爵令嬢。
涙に暮れるわたしを慰めてくれたのは、王国最強の騎士団副団長だった。
彼に守られ、真実の愛を知ったとき、地味で陰気だったわたしは、もういなかった。
やがて、彼は新妻の悪行によって失脚。復縁を求めて縋りつく元婚約者に、わたしは冷たく告げる。
で、お前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか?
Debby
恋愛
ヴェルトが友人からの手紙を手に辺境伯令嬢であるレィディアンスの元を訪れたのは、その手紙に「詳細は彼女に聞け」と書いてあったからだ。
簡単にいうと、手紙の内容は「学園で問題を起こした平民──エボニーを妻として引き取ってくれ」というものだった。
一方その話を聞いてしまった伯爵令嬢のオリーブは動揺していた。
ヴェルトとは静かに愛を育んできた。そんな自分を差し置いて、言われるがまま平民を妻に迎えてしまうのだろうか。
そんなオリーブの気持ちを知るはずもないエボニーは、辺境伯邸で行儀見習いをすることになる。
オリーブは何とかしてヴェルトを取り戻そうと画策し、そのことを咎められてしまう。もう後は無い。
オリーブが最後の望みをかけてヴェルトに自分を選んで欲しいと懇願する中、レィディアンスが静かに口を開いた。
「で、そろそろお前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか」
「はい?」
ヴェルトは自分が何を言われたのか全く理解が出来なかった。
*--*--*
覗いてくださりありがとうございます。(* ᴗ ᴗ)⁾⁾
★全31話7時19時更新で、全話予約投稿済みです。
★★「このお話だけ読んでいただいてもOKです!」という前提のもと↓↓↓
このお話は独立した一つのお話ですが、「で。」シリーズのサイドストーリーでもあり、第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」の「エボニーその後」でもあります(あるいは「最終話」のその後)。
第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」
第二弾「で、あなたが私に嫌がらせをする理由を伺っても?」
第三弾「で、あなたが彼に嫌がらせをする理由をお話しいただいても?」
どれも女性向けHOTランキングに入り、特に第二弾はHOT一位になることが出来ました!(*´▽`人)アリガトウ
もしよかったら宜しくお願いしますね!
「君はいらない」と捨てられた夜、天敵の冷徹社長に「なら、俺が貰う」と拾われました。――手を出さない約束でしたが、彼の理性が限界のようです
ひふみ黒
恋愛
【婚約破棄から始まる、不器用なライオン(冷徹社長)の猛烈な求愛!】
「俺の妻になるなら覚悟しろ。……もう、指一本逃がすつもりはない」
★あらすじ★
「美月は完璧すぎて、可愛げがないんだよ」
28歳の誕生日。
一流ホテルのウエディングプランナーである相沢美月(あいざわ みつき)は、婚約者の裏切りにより、結婚目前ですべてを失った。
雨の降る路地裏。
ヒールも折れ、心も折れてうずくまっていた美月の前に現れたのは、かつての高校時代の天敵であり、現在は勤務先の冷徹な社長 一条蓮(いちじょう れん)だった。
「捨て猫以下だな」
そう憎まれ口を叩きながらも、彼は泥だらけの美月を躊躇なく抱き上げ、最高級ペントハウスへと連れ帰る。
そして、彼が突きつけたのは、あまりにも強引な提案だった。
「住む場所がないなら、俺の家に来い。その代わり――俺の『婚約者』役を演じろ」
利害の一致した契約関係。
条件は「お互いに干渉しないこと」、そして「決して手を出さないこと」。
……のはずだったのに。
「髪、濡れたままだと風邪を引く」
「あんな男のために泣くな。顔が台無しだ」
同居生活で見えてきたのは、冷徹な仮面の下に隠された、不器用すぎるほどの優しさと独占欲。
美月が作った手料理を誰よりも美味しそうに食べ、元婚約者が復縁を迫ってくれば「俺の女に触れるな」と徹底的に排除する。
天敵だったはずの彼に守られ、凍っていた美月の心は次第に溶かされていく。
しかし、ある雷雨の夜。
美月が不用意に彼に触れた瞬間、一条の理性のタガが外れてしまい――。
「……手を出さない約束? 撤回だ」
「そんな無防備な顔で見つめて、何もしないでいられるほど、俺は聖人君子じゃない」
10年越しの片思いをこじらせたハイスペック社長 × 仕事熱心で恋愛に臆病なプランナー。
契約から始まった二人の関係が、本物の愛(溺愛)に変わるまで。
元婚約者への痛快な「ざまぁ」も収録した、極上の大人のシンデレラストーリー!
【登場人物】
◆相沢 美月(28)
ホテルの敏腕ウエディングプランナー。真面目でお人好しな性格が災いし、「つまらない女」と婚約破棄される。実は家事万能で、酔うと少しだけ甘えん坊になる(本人は無自覚)。
◆一条 蓮(28)
ホテルグループの社長。美貌と才覚を併せ持つが、他人に興味を示さないため「氷の貴公子」と呼ばれる。実は高校時代から美月を一途に想い続けており、彼女のこととなると冷静さを失う。
結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。
「わざわざ始まるまでまたないで、今のうちに手を打ったってよくない?」
イチイ アキラ
恋愛
アスター公爵令嬢エステルは、夢をみる。それは先を映す夢。
ある日、夢をみた。
この国の未来を。
それをアルフレッド王太子に相談する。彼女を愛して止まない婚約者に。
彼は言う。
愛する君とぼくの国のためなら、未来を変えるのも仕方なくない?
悪役令嬢としての役目を果たしたので、スローライフを楽しんでもよろしいでしょうか
月原 裕
恋愛
黒の令嬢という称号を持つアリシア・アシュリー。
それは黒曜石の髪と瞳を揶揄したもの。
王立魔法学園、ティアードに通っていたが、断罪イベントが始まり。
王宮と巫女姫という役割、第一王子の婚約者としての立ち位置も失う。
貧乏人とでも結婚すれば?と言われたので、隣国の英雄と結婚しました
ゆっこ
恋愛
――あの日、私は確かに笑われた。
「貧乏人とでも結婚すれば? 君にはそれくらいがお似合いだ」
王太子であるエドワード殿下の冷たい言葉が、まるで氷の刃のように胸に突き刺さった。
その場には取り巻きの貴族令嬢たちがいて、皆そろって私を見下ろし、くすくすと笑っていた。
――婚約破棄。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる