『婚約もしていないのに婚約破棄ですか? 〜岩塩で殴れば目が覚めます?〜』

「岩を売る田舎娘と婚約?そんなもの破棄だ!」

――そう言い放ったのは、まだ婚約すら成立していないのに“婚約破棄”を宣言した内陸王国の王太子。

塩は海から来るもの。
白く精製された粉こそ本物。
岩塩など不純物の塊に過ぎない。

そう思い込んだ彼は、ハライト公国公爵令嬢ヴィエリチカを侮辱し、交易を軽んじた。

だが――

王都に届くその“白い粉”は、すべてハライト産の岩塩から精製されたものだった。

供給が止まった瞬間、王国は気づく。

塩は保存であり、兵站であり、治療であり、冬越しの生命線であったことを。

謝罪の席で提示された条件はただ一つ。

民への販売価格は据え置き。
だが国家は十倍で買い取ること。

誇りを守るために契約を受け入れた王太子。
守られたのは民。
削られたのは国家。

やがて赤字は膨らみ、担保は差し出され、王国は静かに編入されていく。

処刑はない。
復讐もない。

あるのは――帰結。

「塩は、穢れを流すためのものです」

笑顔で告げるヴィエリチカと、
王宮衛生管理局へ配属された元王太子。

これは、岩塩を侮った物語の、静かな終着点。


---

もしアルファポリス向けにもう少し軽くする版も欲しければ、作ります。

それとも、

・タグもまとめる?
・もっと煽る版にする?
・文学寄りにする?

どの方向で仕上げますか?
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