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22第22話 おこしやす、修学旅行は事件の香り2:祇園で家族対面?
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:祇園の石畳、舞妓とすれ違う
修学旅行一行は八坂神社で解散後、班別自由行動となった。鸞&あずさ班の同行メンバーは深雪、陽菜、沙耶香、千尋――いわゆる女子グループ六人組。
「まずは祇園白川の写真スポットやろ!」
「さすが陽菜、インスタ映え一直線どすな」
石畳に木造町家が並ぶ花街。その景色に、鸞は目を輝かせた。
「まるで映画のセットみたいや……! ほんまに舞妓さん歩いとるやん!」
ちょうど通りすがった本物の舞妓が会釈すると、鸞はテンションMAX。外国人観光客に混じってシャッターを切りまくる。
:はんなり、恋色舞妓さん体験
「うち、こんなん似合わへんと思うねんけど……」
鏡の前でそわそわと落ち着かない様子のあずさは、真っ白な首筋に指を添えて、不安げに鸞を振り返った。
白塗りの化粧に、真紅の紅、華やかな京友禅の着物にかんざしを挿された姿は、誰がどう見ても本物の舞妓だった。いや、本物以上だったかもしれない。
「めちゃくちゃ似合ってるで。ホンマ、ポスターから抜け出してきたみたいや」
鸞が思わず感嘆の声を漏らすと、あずさは頬を赤らめて視線をそらした。
「鸞かて、町娘姿、よう似合ってますどす。なんや、うちより自然で……」
「そらうち、白塗りは断ったからな。舞妓はあずさ担当や。こっちはボディガードやねん」
「なんでそんな役割分担……」
二人は笑いながら着付け会場を後にし、祇園の石畳へと踏み出す。日差しは優しく、風は初夏の香りを運んでいた。
すると、通りを歩き始めてすぐ、観光客の集団が二人に気づいた。
「Oh! Maiko-san! So beautiful!」
「Kawaii! Kawaii!」
「写真!シャシン、イイデスカ!?」
まるでスターの登場のように、外国人観光客たちがスマホを構えて押し寄せてくる。
とくにあずさは、白塗りに本格的な装いが功を奏してか、本物の舞妓と勘違いされ、大勢に囲まれてしまった。
「えっ……?ええっ!?ちょ、まっ……!うちはそんな有名人やあらしまへん!」
焦るあずさに構わず、観光客たちは「一緒に撮って!」「この子はリアルマイコだ!」と盛り上がり、事態はパニック寸前。
「……しゃーないな!」
鸞はスッと前に出て、手を広げてあずさを庇った。
「Sorry, she is student. No photo! Thank you!」
鸞の関西なまり混じりの英語が炸裂する。
観光客たちは「Ohh, sorry!」と口々に謝り、名残惜しそうにスマホを下げた。
「あ、ありがと……助かったわ、ほんま……」
「おう、ええって。けど、すごかったな、あずさ」
「……なにがどす?」
「うちやったら、あんなに注目されたら立ち尽くしてたわ。けど、あずさ、ちゃんと笑おうとしてたやろ?」
「そ、そんなこと……ないどす……」
「それにな……めっちゃ綺麗やった。そら囲まれるわ。……惚れるで、あんな姿」
鸞の直球の言葉に、あずさの顔がぽっと赤くなった。白粉の下でも、それははっきり分かった。
「うちかて……鸞が前に立ってくれはって、ほんまに心強かった。惚れるか思いましたわ……」
「……おあいこ、やな」
ふと風が吹き、あずさの袖がふわりと舞う。鸞はその袖をそっと掴んで、目を細めた。
そのあとの観光は、まるで夢の中のようだった。八坂神社、花見小路、甘味処での抹茶パフェ。すべてが、どこかきらきらと輝いて見えた。
そして、ふたりの距離もまた――ほんの少し、近づいていた。
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修学旅行一行は八坂神社で解散後、班別自由行動となった。鸞&あずさ班の同行メンバーは深雪、陽菜、沙耶香、千尋――いわゆる女子グループ六人組。
「まずは祇園白川の写真スポットやろ!」
「さすが陽菜、インスタ映え一直線どすな」
石畳に木造町家が並ぶ花街。その景色に、鸞は目を輝かせた。
「まるで映画のセットみたいや……! ほんまに舞妓さん歩いとるやん!」
ちょうど通りすがった本物の舞妓が会釈すると、鸞はテンションMAX。外国人観光客に混じってシャッターを切りまくる。
:はんなり、恋色舞妓さん体験
「うち、こんなん似合わへんと思うねんけど……」
鏡の前でそわそわと落ち着かない様子のあずさは、真っ白な首筋に指を添えて、不安げに鸞を振り返った。
白塗りの化粧に、真紅の紅、華やかな京友禅の着物にかんざしを挿された姿は、誰がどう見ても本物の舞妓だった。いや、本物以上だったかもしれない。
「めちゃくちゃ似合ってるで。ホンマ、ポスターから抜け出してきたみたいや」
鸞が思わず感嘆の声を漏らすと、あずさは頬を赤らめて視線をそらした。
「鸞かて、町娘姿、よう似合ってますどす。なんや、うちより自然で……」
「そらうち、白塗りは断ったからな。舞妓はあずさ担当や。こっちはボディガードやねん」
「なんでそんな役割分担……」
二人は笑いながら着付け会場を後にし、祇園の石畳へと踏み出す。日差しは優しく、風は初夏の香りを運んでいた。
すると、通りを歩き始めてすぐ、観光客の集団が二人に気づいた。
「Oh! Maiko-san! So beautiful!」
「Kawaii! Kawaii!」
「写真!シャシン、イイデスカ!?」
まるでスターの登場のように、外国人観光客たちがスマホを構えて押し寄せてくる。
とくにあずさは、白塗りに本格的な装いが功を奏してか、本物の舞妓と勘違いされ、大勢に囲まれてしまった。
「えっ……?ええっ!?ちょ、まっ……!うちはそんな有名人やあらしまへん!」
焦るあずさに構わず、観光客たちは「一緒に撮って!」「この子はリアルマイコだ!」と盛り上がり、事態はパニック寸前。
「……しゃーないな!」
鸞はスッと前に出て、手を広げてあずさを庇った。
「Sorry, she is student. No photo! Thank you!」
鸞の関西なまり混じりの英語が炸裂する。
観光客たちは「Ohh, sorry!」と口々に謝り、名残惜しそうにスマホを下げた。
「あ、ありがと……助かったわ、ほんま……」
「おう、ええって。けど、すごかったな、あずさ」
「……なにがどす?」
「うちやったら、あんなに注目されたら立ち尽くしてたわ。けど、あずさ、ちゃんと笑おうとしてたやろ?」
「そ、そんなこと……ないどす……」
「それにな……めっちゃ綺麗やった。そら囲まれるわ。……惚れるで、あんな姿」
鸞の直球の言葉に、あずさの顔がぽっと赤くなった。白粉の下でも、それははっきり分かった。
「うちかて……鸞が前に立ってくれはって、ほんまに心強かった。惚れるか思いましたわ……」
「……おあいこ、やな」
ふと風が吹き、あずさの袖がふわりと舞う。鸞はその袖をそっと掴んで、目を細めた。
そのあとの観光は、まるで夢の中のようだった。八坂神社、花見小路、甘味処での抹茶パフェ。すべてが、どこかきらきらと輝いて見えた。
そして、ふたりの距離もまた――ほんの少し、近づいていた。
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