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幕間-4 老師
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「作戦はこうだ」
とサフィさんは収納の魔法石から酒瓶を取り出しながら言った。
「作戦いるんですか」
「やつを酒で酔い潰したところを盗みに入る」
「けっこうガチなやつじゃないですか!」
むしろ普通にそのお酒と交換でよくない?
「冗談だよ。普通に酒と引き換えに交渉する」
「それはよかった」
「だが、いざとなれば……ためらわないように」
何?
殺すの?
「――聞こえているぞサフィール」
突然、野太い男の声がした。
「!」
声のする方に目を向けると、そこにはアララドさんに負けないほどの筋骨隆々なおじいさんがいた。
頭の白髪は長く、ひげは伸ばし放題。
上半身裸で腰に布巻いているだけなんだが、その体には無数の傷跡が刻まれている。
俺よりでかい長身に、ただ者じゃなさすぎるオーラ。
人? 握りつぶせますよ。
そうやすやすと言えるくらいのたくましい肉体を持つおじいさんがいた。
しかも小屋を囲む木の枝の上に、直立していた。
「あれだよ」
サフィさんがそれを指差して言った。
「う、うわああああああ!」
賢者……大魔法使い……よぼよぼ……あれ!?
その姿で何一つイメージできないんですが!
ムキムキだし賢者というより武術の老師じゃん。
「――我に何用か」
おじいさんは静かに俺たちに問う。
サフィさんは臆さず答える。
「お酒やるから魔法石くれよ」
「笑止!」
おじいさんは家より高い位置の木の枝から飛び降りると、軽やかに地面に着地した。
「上がれ」
そして家のドアを開けてくれる。
「いい感じだよ、ロッドくん!」
「あの反応で!?」
笑止!
って言ってたじゃん。
「ツンデレなんだよ。老人だから頭固いんだ」
「すいませんがもっと混乱するような情報増やすのやめてください」
この人が魔法石を作っているという老師……いやかつて賢者と呼ばれていた大魔法使い。
いや、家の中入ってみればわかるよな。
俺たちはおじいさんに促されるまま、小屋の中へ入っていった。
とサフィさんは収納の魔法石から酒瓶を取り出しながら言った。
「作戦いるんですか」
「やつを酒で酔い潰したところを盗みに入る」
「けっこうガチなやつじゃないですか!」
むしろ普通にそのお酒と交換でよくない?
「冗談だよ。普通に酒と引き換えに交渉する」
「それはよかった」
「だが、いざとなれば……ためらわないように」
何?
殺すの?
「――聞こえているぞサフィール」
突然、野太い男の声がした。
「!」
声のする方に目を向けると、そこにはアララドさんに負けないほどの筋骨隆々なおじいさんがいた。
頭の白髪は長く、ひげは伸ばし放題。
上半身裸で腰に布巻いているだけなんだが、その体には無数の傷跡が刻まれている。
俺よりでかい長身に、ただ者じゃなさすぎるオーラ。
人? 握りつぶせますよ。
そうやすやすと言えるくらいのたくましい肉体を持つおじいさんがいた。
しかも小屋を囲む木の枝の上に、直立していた。
「あれだよ」
サフィさんがそれを指差して言った。
「う、うわああああああ!」
賢者……大魔法使い……よぼよぼ……あれ!?
その姿で何一つイメージできないんですが!
ムキムキだし賢者というより武術の老師じゃん。
「――我に何用か」
おじいさんは静かに俺たちに問う。
サフィさんは臆さず答える。
「お酒やるから魔法石くれよ」
「笑止!」
おじいさんは家より高い位置の木の枝から飛び降りると、軽やかに地面に着地した。
「上がれ」
そして家のドアを開けてくれる。
「いい感じだよ、ロッドくん!」
「あの反応で!?」
笑止!
って言ってたじゃん。
「ツンデレなんだよ。老人だから頭固いんだ」
「すいませんがもっと混乱するような情報増やすのやめてください」
この人が魔法石を作っているという老師……いやかつて賢者と呼ばれていた大魔法使い。
いや、家の中入ってみればわかるよな。
俺たちはおじいさんに促されるまま、小屋の中へ入っていった。
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