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嫉妬
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それからケヴィンさんは、今回の試作品のケーキや自身の仕事についてなど、熱く語りだした。
私はケーキを頂きながらその話を聞いていたんだけど、ケヴィンさんは本当に愛を持ってケーキを作っているんだなあと感心した。
一生懸命仕事する人ってなんだか良いよね。
そして最後の一口を食べようとした時、目の前からケーキがお皿ごと消え失せた。
「ケヴィン······なにやってるの?」
声のする方を見上げれば、そこにはアレクがシフォンケーキのお皿を片手に持ち立っていた。
笑顔を張り付けているものの、その眼差しは、冷気が流れてくるんじゃないだろうかと思うほどに冷やかだ。
そして、ケヴィンさんを睨みつけ、ケーキのお皿を指で弾きながら言った。
「これはなに?」
「いやあ、試作のケーキをティアさんにと思ってね」
困った顔のケヴィンさんは、少し焦りながら答えた。
「ケヴィン、ティアがいくら可愛いからってちょっかい出すのは止めてくれないか」
「ちょっかいって······」
いやいや、これはちょっかいではないでしょう。
ケヴィンさんはアレクをとても気にかけてくれていたもんね。
「あのアレク、ケヴィンさんはあなたを心配して······」
私が口を挟むとアレクは首を振ってケーキのお皿をテーブルに置いた。
「ティア、ケヴィンに何を言われたか知らないけど、気をつけなきゃいけないよ」
「お、おいアレク。お前一体どうしたの?」
「ケヴィン、お前は黙ってろ!ティア、いいかい?甘いものを出されても、それにホイホイ付いてっちゃダメだからね」
「ええっ?!」
アレクはどうしてしまったのか?
心配するにも程があるというものだ。
「アレク、私は大丈夫よ」
「いいや!君は自分の事を知らなすぎる」
そう言ってアレクは私の手を取ると、ぎゅっと抱きしめた。
うわあっ!!
ここ、人前!お店の中だけど!
「こんなに可愛い娘を他の男が放っておくわけがないだろう」
「ア、アレク···苦しい」
アレクは、はっとして力を弛め私を開放した。
何かにつけて、アレクは私を可愛いとか言うけどね。
【媚薬】を飲んでいるんだから、その効果で私が可愛く見えているに違いない。
「ケヴィンお前、いつもは客に試作品を出すことは無いはずだよな」
「······」
その言葉にケヴィンさんは視線を逸らした。
ええっ、そうなの!
それってどういう事?
「ほらね」
「······」
ケヴィンさんは残念そうにため息を吐いた。
「俺はそろそろ仕事に戻るから。じゃあなアレク、ティアさんもまた来てください」
ケヴィンさんが頭を下げると、アレクは虫でも追い払うかのようにペッペと手を振った。
「ティア、わかっただろ?」
「う、うーん······?」
恋愛初心者の私にはイマイチよくわからず、首をひねるだけだった。
私はケーキを頂きながらその話を聞いていたんだけど、ケヴィンさんは本当に愛を持ってケーキを作っているんだなあと感心した。
一生懸命仕事する人ってなんだか良いよね。
そして最後の一口を食べようとした時、目の前からケーキがお皿ごと消え失せた。
「ケヴィン······なにやってるの?」
声のする方を見上げれば、そこにはアレクがシフォンケーキのお皿を片手に持ち立っていた。
笑顔を張り付けているものの、その眼差しは、冷気が流れてくるんじゃないだろうかと思うほどに冷やかだ。
そして、ケヴィンさんを睨みつけ、ケーキのお皿を指で弾きながら言った。
「これはなに?」
「いやあ、試作のケーキをティアさんにと思ってね」
困った顔のケヴィンさんは、少し焦りながら答えた。
「ケヴィン、ティアがいくら可愛いからってちょっかい出すのは止めてくれないか」
「ちょっかいって······」
いやいや、これはちょっかいではないでしょう。
ケヴィンさんはアレクをとても気にかけてくれていたもんね。
「あのアレク、ケヴィンさんはあなたを心配して······」
私が口を挟むとアレクは首を振ってケーキのお皿をテーブルに置いた。
「ティア、ケヴィンに何を言われたか知らないけど、気をつけなきゃいけないよ」
「お、おいアレク。お前一体どうしたの?」
「ケヴィン、お前は黙ってろ!ティア、いいかい?甘いものを出されても、それにホイホイ付いてっちゃダメだからね」
「ええっ?!」
アレクはどうしてしまったのか?
心配するにも程があるというものだ。
「アレク、私は大丈夫よ」
「いいや!君は自分の事を知らなすぎる」
そう言ってアレクは私の手を取ると、ぎゅっと抱きしめた。
うわあっ!!
ここ、人前!お店の中だけど!
「こんなに可愛い娘を他の男が放っておくわけがないだろう」
「ア、アレク···苦しい」
アレクは、はっとして力を弛め私を開放した。
何かにつけて、アレクは私を可愛いとか言うけどね。
【媚薬】を飲んでいるんだから、その効果で私が可愛く見えているに違いない。
「ケヴィンお前、いつもは客に試作品を出すことは無いはずだよな」
「······」
その言葉にケヴィンさんは視線を逸らした。
ええっ、そうなの!
それってどういう事?
「ほらね」
「······」
ケヴィンさんは残念そうにため息を吐いた。
「俺はそろそろ仕事に戻るから。じゃあなアレク、ティアさんもまた来てください」
ケヴィンさんが頭を下げると、アレクは虫でも追い払うかのようにペッペと手を振った。
「ティア、わかっただろ?」
「う、うーん······?」
恋愛初心者の私にはイマイチよくわからず、首をひねるだけだった。
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