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王道学園
過去の真実
しおりを挟む重くなくなった瞼をそっとあけ周囲を伺う
どうやらここは医務室のようだった
「なっちゃん」
隣にたたずむ生徒会会計のいつもとは違う表情に戸惑いながらも思わず漏れた小さい声
「っ!、、ッよかった、意識戻ったんだね」
そう呼びかけた声に反応はあったものの直ぐに会計としての顔に戻ったのでそれ以上何も言えず返事をする
「はい」
なんとも気まずい雰囲気が再び2人をつつむ
それじゃと片手を上げて出ていこうとする背中に向けて
「明日の3時旧校舎裏の定番スポットで待ってます」
一瞬立ち止まって再び歩き出すその人が来てくれる可能性は50%あるかどうか
それでも過去の真実を知りたくて咄嗟にでた言葉をあの人が来てくれる可能性を信じたいとは思う
何故今なのかとか今までどうしてたのかとか"死んだ"はずではなかったのかとか色々聞きたい事は山積みで時間もないから答え合わせは後だ
とにかく今はこっちが問題だ
時間を確認するためにみた携帯には鬼のようなメッセージの数、お察しの通り先輩である
チラッと見えた通知の中には物騒な文字の羅列が見えた
幸い時間は30分くらいしか過ぎてなかったので急いで戻る準備をする
何となくこのまま戻らなくてもいいかなとか思っていたが今までにないくらいおかしな行動をとっていた先輩が頭にチラついて気になってしまったので戻ることにします!
俺って偉いね✨
こっちからかけたワンコールもしない内にでた電話に驚きながら
「も『今何処にいるんだろうねぇあおちゃん?』」
情けなくもヒッと声が出てしまった
音色はいつもの表向きの先輩の声だ
しかしヤンデレなのかなと思うくらいの電話越しでも伝わる圧にやられそうになる
「今ですかー?医務室ですよ」
敢えて空気を読まない声で返事した
ブチっと切れた電話音が恐怖へのカウントダウンの始まりだ
俺今から監禁とかされちゃう系?そうなの?
先輩まじで怖いっす
監禁だけは勘弁してください
応援ありがとうございます!
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