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第12章 秘密の温度
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昼休み・校舎裏
冬の日差しがわずかに暖かさを持つ昼下がり、律はノアと一緒に校舎裏のベンチに座っていた。
「なんでまたここなんだよ。寒いだろ」
「教室、うるさいし……君と静かなところで話したかったんだ」
ノアはぽつりと呟き、視線を遠くに投げた。
「君、変わってるなって言われない?」
「しょっちゅう」
「僕も。……変わってる者同士、気が合うかもね」
そう言って微笑むノアの目に、どこか寂しさが滲んでいた。
律は何も言えずに、ただ缶コーヒーを差し出した。
手が触れた、その一瞬。
冬の空気に紛れた温もりが、ふたりの距離を少しだけ縮めた気がした。
⸻
夜・宗一の家・リビング
律はアルマの隣でソファに寝転がりながら、またぶつぶつと話していた。
「ノアさ、時々ふっと遠く見てんだよ。誰か思い出してんのかなって……聞けなかったけど」
アルマは静かに手元の書類を片づけ、顔を上げた。
「その男、君のことどう思ってると思う?」
「さあな。でも……俺は、なんかドキドキする。目が合うと、時間止まるみたいでさ。声聞くと落ち着く。あいつのこと、知りたくて仕方ねえ」
言いながら、律は自分の胸に手を当てた。
「これって、やっぱ……恋なのかな」
その言葉に、アルマはわずかに目を細めた。
律が語る“ノア”の姿と、記憶の中の三男の面影が重なっていく。
――白銀の髪。
――感情の奥を見せない笑顔。
――人間界へと姿を消した、聡く、逃げ足の早い男。
ほぼ間違いない、とアルマは確信しかけていた。
⸻
深夜・ノアの部屋
ノアはベッドに横たわり、律のことを思い出していた。
――真っ直ぐで、臆さない目。
――隠すことができない想いが、表情に滲んでいた。
危うい、と思いながらも惹かれてしまう。
人間とこんな風に心を通わせるなど、あり得ないことだったはずなのに。
「……律」
ノアは小さく呟き、目を閉じた。
次に会った時、彼の目が自分の正体を見抜いてしまったら――
それでも、笑っていてくれるのだろうか。
⸻
翌朝・宗一の家・キッチン
アルマは朝食の準備をしながら、宗一に問いかける。
「……律の通う学校に“ノア”という名の生徒はいないか」
「ん? ああ、最近来た転校生か。あいつ、律と結構つるんでるらしいな」
「……そうか」
静かに返したアルマの手が、わずかに震えていた。
律が知らずに惹かれている相手が、自分の兄弟。
しかも、魔界で命を狙われる対象のひとり。
アルマは口の中に広がる苦味を、飲み込むしかなかった。
冬の日差しがわずかに暖かさを持つ昼下がり、律はノアと一緒に校舎裏のベンチに座っていた。
「なんでまたここなんだよ。寒いだろ」
「教室、うるさいし……君と静かなところで話したかったんだ」
ノアはぽつりと呟き、視線を遠くに投げた。
「君、変わってるなって言われない?」
「しょっちゅう」
「僕も。……変わってる者同士、気が合うかもね」
そう言って微笑むノアの目に、どこか寂しさが滲んでいた。
律は何も言えずに、ただ缶コーヒーを差し出した。
手が触れた、その一瞬。
冬の空気に紛れた温もりが、ふたりの距離を少しだけ縮めた気がした。
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夜・宗一の家・リビング
律はアルマの隣でソファに寝転がりながら、またぶつぶつと話していた。
「ノアさ、時々ふっと遠く見てんだよ。誰か思い出してんのかなって……聞けなかったけど」
アルマは静かに手元の書類を片づけ、顔を上げた。
「その男、君のことどう思ってると思う?」
「さあな。でも……俺は、なんかドキドキする。目が合うと、時間止まるみたいでさ。声聞くと落ち着く。あいつのこと、知りたくて仕方ねえ」
言いながら、律は自分の胸に手を当てた。
「これって、やっぱ……恋なのかな」
その言葉に、アルマはわずかに目を細めた。
律が語る“ノア”の姿と、記憶の中の三男の面影が重なっていく。
――白銀の髪。
――感情の奥を見せない笑顔。
――人間界へと姿を消した、聡く、逃げ足の早い男。
ほぼ間違いない、とアルマは確信しかけていた。
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深夜・ノアの部屋
ノアはベッドに横たわり、律のことを思い出していた。
――真っ直ぐで、臆さない目。
――隠すことができない想いが、表情に滲んでいた。
危うい、と思いながらも惹かれてしまう。
人間とこんな風に心を通わせるなど、あり得ないことだったはずなのに。
「……律」
ノアは小さく呟き、目を閉じた。
次に会った時、彼の目が自分の正体を見抜いてしまったら――
それでも、笑っていてくれるのだろうか。
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翌朝・宗一の家・キッチン
アルマは朝食の準備をしながら、宗一に問いかける。
「……律の通う学校に“ノア”という名の生徒はいないか」
「ん? ああ、最近来た転校生か。あいつ、律と結構つるんでるらしいな」
「……そうか」
静かに返したアルマの手が、わずかに震えていた。
律が知らずに惹かれている相手が、自分の兄弟。
しかも、魔界で命を狙われる対象のひとり。
アルマは口の中に広がる苦味を、飲み込むしかなかった。
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