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レシピ登録と物件を見つける

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「知らない天井だ……あ、そっか異世界に来たんだった」
 起きた時、ミクは自身が知らない所に居るのかと思ったが、起きて頭がハッキリしたのか昨日の事を思い出していた。
 ベッドから降りてインベントリから服を出して着替え、元々あったドレッサーに近づいて椅子に座り、引き出しから櫛を取り出して髪を梳く。
「今日は編み下ろしにしようかな」
 梳き終わった髪を手早く編み込み結ぶ。鏡を見て最終確認をしたら、椅子から立ち上がり、部屋を出てアベル達が居るであろう場所へ行く。
「おはよう」
 ミクが挨拶するとアベル達は振り返って挨拶をした。
「今日の髪型とっても可愛いね」
「おや、素敵な髪型ですね」
「ん、良いな」
「本当? ありがとう」
 アベル達の誉め言葉にニッコリと微笑むミク。四人揃って朝食を食べて、商業ギルドに赴いた。
「おはようございます。本日はどの様なご用件でしょうか?」
 受付嬢がミク達を笑顔で出迎える。
「レシピ登録をしたいのと店舗にする物件を探してます」
「もしかしてミク様でしょうか?」
 受付嬢の言葉に頷くミク。
「伺っております。別室にて対応させていただきます。ついて来てください」
 ミク達が受付嬢の後について行くと個室に案内された。
「まずレシピ登録からさせていただきます。どれ位ありますか?」
「五〇は越えますね」
「わ、分かりました。あと四人程人を増やしても大丈夫でしょうか?」
 ミクはその言葉に頷き、受付嬢を見送った。五分程で男女二名づつ連れて戻って来た。
「ではレシピを見せていただいてもよろしいでしょうか?」
 ミクはインベントリを開いてレシピを出した。
「で、では一つ一つ見させていただきます」
「その間に物件の条件をお伺いいたします」
「分かりました。物件の条件はキッチンは広い方がいいですね。設備は最新のモノがついてるともっといいです。設備なしの場合は買い揃えますので条件はキッチンは広いものと、テーブルは八卓くらい置いても大丈夫な広さがあるといいですね。二階建てで店員の人が寝泊まり出来る部屋が二部屋から四部屋あるととってもいいです。予算はかなり高くても出せます」
 ツラツラと淀みなく条件を言い終えると、数分後受付嬢が数枚の紙をミクに見える様に机に置いた。
「今おっしゃったなかで条件が合うのはこの三枚ですね。一枚目のこちらは人気エリア内ですので一五〇〇〇〇〇ビデになります。二枚目のこちらは人気エリアから少し外れた所にありますので七五〇〇〇〇ビデになります。三枚目は人気エリアから離れた所にありますので五八〇〇〇〇ビデになります。どれも条件が全部入る物になります」
「この目で確かめる事って出来ますか?」
「はい。勿論です、今から見に行かれますか?」
 受付嬢の言葉にミクは二つ返事で頷き答えた。
「では、用意してきますので少々お待ちください」
レシピの確認をしてる人達に軽く声を掛けたあと部屋から出ていき五分後戻ってきて、またレシピの確認をしてる人達に声を掛けたあとミク達に向き直り着いてくる様に言って、ミクはアベルのみを連れ立って建物の外へ出て、馬車に乗り人気エリア内の店舗へと行く。
「此方になります。どうぞ中に入って好きに見てください」
「ありがとうございます。……中は今からでも使えそう。キッチンは広いしこれは最新のモノ?」
「ミクこのキッチン最新設備だよ。一五〇〇〇〇〇ビデは安いよ!」
「そうなんだ……」
 アベルの安いの言葉にちょっと吃驚するミク。キッチン奥に階段が見え受付嬢に一声掛けて上に上がっていくと、四部屋分の扉があり部屋の中を見たら直ぐにでも暮らせる様にはなっている。ミクは部屋を見た後、一階に降りて行きとても良いと思えた。
「こことても良いですね。他の二つ見せていただいても?」
「はい。勿論です、では次に行きますか?」
「お願いします」
 ミク達は建物の外へ出て馬車に乗り次の目的地に着いた。
「次は此方になります。どうぞ中に入って好きに見てください」
「ありがとうございます。……中は綺麗だね、キッチンは広いけど設備ない物がある、二階の部屋は家具なしかぁ」
 ミクは先程と同様に建物の中を見て周った。ここにするなら設備や家具を買い揃えないといけないなと思いながら呟く。
「最後の一つ見せていただいても?」
「はい。勿論です、では次に行きますか?」
「お願いします」
 先程と同じ様に外に出て馬車に乗り次の目的地に着いた。
「ここで最後になります。どうぞ中に入って好きに見てください」
「ありがとうございます。……中は綺麗だけど、設備、部屋の家具がなし。あと、ちょっと狭いかなぁ」
 ミクは先程と同様に建物の中を見て周った。少し考えて口を開く。
「……決めました最初に見た所のを買わせていただきます」
「かしこまりました。では戻って書類を用意しますね。その時にサインをお願いします」
「分かりました」
 それから商業ギルドの案内された部屋へ戻った。
「おかえりなさいミク、アベル。ちょうどレシピの確認が終わった所ですよ」
「ただいま。そうなの、良かった。こっちはお店決めてきたよ」
 ミク達が話しをしていたら、席を外してた受付嬢が戻ってくる。
「お待たせしました。まず、こちらが先程と言っていた書類になります。確認後不備がなかったらサインをお願いします」
 ミクは渡された紙を見て不備がない事を確認し、アベル達にも見せ頷かれたのでサインをして、受付嬢に手渡した。
「ありがとうございます。では一五〇〇〇〇〇ビデのお支払いは分割になさいますか?」
「いえ、一括でお願いします」
 インベントリから一枚の金貨と五枚の大銀貨を取り出して机の上に置いた。
「は、はい。確かに、頂戴いたします」
 ミクが一括で支払った事に驚くがすぐに正しお金を受け取った。
「では、次はレシピの事についてでよろしいですか?」
「はい。お願いします」
「では、全てのレシピに目を通しました。被ってるものや近いものがありませんでしたので全て登録出来ます。これらのレシピの売値はどれくらいにしますか?」
「それじゃあ全部登録します。売値は通常どれくらいにするのが普通ですか?」
「かしこまりました。売値はピンキリですが安くて五〇〇ビデ、高くて一〇〇〇〇ビデになりますね。取り分はギルドが三、お客様が七になります」
「じゃあ全て五〇〇ビデにしてください」
「かしこまりました。こちら書類になります、確認後不備がなかったらサインをお願いします」
 ミクは渡された紙を見て不備がない事に頷き、アベル達にも見せ頷かれたので紙にサインをして手渡した。
「はい、確かに。これで登録は終了です。最後に何か確認する事はありますか?」
「いえ、ありません」
「では、本日はご利用ありがとうございました。またのお越しをお待ちしてます」
 受付嬢の言葉に軽く頭を下げて商業ギルドから商店街に行った。
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