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番外編その2ー2.お兄さんは結構暇らしい
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そして嫁とか婿とか家族ぐるみなんて言い出すと、アスランが一番気にかかっているあの方の事が思い出される。
私も、馬鹿な母親と無責任で強欲な祖父一族のとばっちりを受けただけだという、不憫な王子様のことが気になっていた。
「ねえ、あれからお兄さんには会ってないの?」
エマーソンパパ上が涙ながらに王都へ帰って行ってからしばらく後、不意にシュタイン王子のことを思い出して、尋ねてみることにした。
アスランは、嬉しそうに私の毛皮をブラッシングして、入念にオイルを揉み込んでいる最中だったのだが、ふとその手を止め、眉をしかめながらその目を眇める。
「…時々、手紙のやり取りはしておりますが……。
ミーア様がいらしてからは数回程度しか言葉を交わしておりません。
それでも神官長となる前には、特別に父から許可を頂くこともできたのですけれども、一旦王宮から離れて神殿の長の立場になると、……罪人の一族とみなされて幽閉されている兄に会うのは、余計に難しい立場になってしまいましたので…」
「ふーん…。お兄さん、可哀想だね……」
そっか…やっぱそんなに簡単に会わせて貰えないんだ…。
どこの世界でも、本当に柵って面倒くさいよね…
そう思いながら、私はムクリと四足で起き出してベッドの上に立ち上がると、フルリと体を震わせた。
「……そうですね。不憫な方で……って、ミーア様?
急に人間姿になって、どうされたのですか?
………そんな触れ方はしていないつもりでしたが…
………も、もしや……こんな明るいうちから私をご所望ですか…?」
頬を染めて、モジモジしながら自分の上着のボタンに手をかけようとしているアスランを無視して、私はヒョイッとベッドから降りる。
「んー、ちょっとパパ上のとこまでお出かけしてくる。
あっちにも先輩が残した大きな御祭神あるし、座標はなんとなく分かるから、空間転移すればすぐだと思うよ。
用事が済んだら暗くなる前に帰るから、心配しないで待ってて」
そう言い捨てるように言付けると、目の前の空間にすっかり扱いに慣れた魔法陣を展開させた。
「え、ちょっ…待って…」
突然の展開の早さに追いつけず、アスランは引き留めようと手を伸ばしたが、私はそれよりも早く頭から転移陣に飛び込んで、溶け込んでいったのだった。
「………っ…ふぁ……にゃぁ…」
私はただ、仲良くなったパパ上に気の毒なお兄さんの身の上がどうにかならないかと、お願いしに来ただけだった。
お兄さんのことを話すと、アスランの表情が陰るので、何とかしてあげたかったから。
それなのに…それだけだったのに………なんでこうなったの?
「ふふふ……これはいいな。
アスランがハマる気持ちが、俺にも分かってきたよ。
どうだ、神獣様。ここがイイのか?
はぁ…ふかふかの毛皮が温かくて…これは癒やされるな」
…誤解しないでいただきたいのだが、別にエロいことをされている訳じゃない。そもそも猫だし。
ただ、お膝の上で寝かされた体を余す所なく撫で回されて…それが想像もつかないほど、キモチイイってだけなのだ。
…ていうか、何この人……テクニシャンすぎね!?
初対面なのに、慣れてるアスランよりツボ心得てるって…天才か?
マジで昇天しそうなレベルでヤバいんですけど!?
私は今、アスランのお兄さんだというシュタイン兄様に「ニャフンニャフン」と鳴かされる程、絶賛弄ばれ中であった。
…「あばよ!」と言わんばかりに颯爽と王宮まで転移していった私が、何でこんなことになっているのかというと…話は1時間ほど前に遡る。
王宮に残る先輩猫像には、少なくない残存魔力が残されており、私はそれを目指して王宮内に転移した。
もちろん、王宮には侵入者を阻む結界が張られていたのだが、既に内部に建てられている彫像には関係ない。
なので、パッと音もなく転移した私のことに気づくものはいなかった。
そのはずなのだが、突如大きな魔力の塊が出現したことによって、王宮内部は一時的にパニックに陥ったという。
しかし、そんな事に全く気付いていない私は、バタバタと駆け回る騎士や役人たちに見つからないよう、姿や気配を消しながら、パパ上の姿を探し回った。
ひょっとして…この騒ぎ、私のせいかも…なんて、突然侵入した後ろめたさが私の隠遁魔法に磨きをかけた。
そもそも…魔法なんて使わなくても小さな猫が本気で忍ぼうとしたら、そうそう見つかるもんじゃないしね。
そして、「きっと偉そうな人たちが集まってるとこまで行けば、パパ上見つかるはず」なんて、軽い考えでフラフラと探し回っているうちに………まぁ、お約束どおり迷ったわけで。
ちょっと、物珍しさでキョロキョロしながら歩いてたのも良くなかったと思うけど。
そうこうしているうちに、私はふと誰もいない…けれども綺麗な草木が整えられた庭園で、一人の青年と出会った。
青年は、質素なシャツとパンツ姿に使い古したエプロンをかけ、庭木の剪定の真っ最中であった。
この、見事…と言う程の派手さはないが、素敵な調和を感じさせる庭園は、この青年が手掛けたものなのかもしれない。
青年は、私には全く気付いておらず、高い椅子に座りながら穏やかな表情で、パチリパチリと伸びすぎた木の枝を切り落としていた。
遠くから、騎士たちが大きな声で何かを探す声が聞こえるが、ここは別世界のような空間だった。
「素敵なお庭ですね。お兄さんがきれいにしたの?」
「ああ、庭位しか出られないから、時々自分の部屋から見える範囲はこうして整えているんだ」
お兄さんの穏やかな様子に、思わず気配を表して声をかけたが、お兄さんはそのまま手を止めることもなく、私の言葉に応えてくれた。
私はちょこんと、椅子の横に座ってお兄さんの手技を見守り、再び声をかけた。
「お兄さん、庭師なの?
このお庭、なんか落ち着く感じで、いいですね」
「いや、そういう訳じゃないが……私が趣味で作った庭が君のお好みに合ったのなら………って……魔獣?…」
手の届く範囲の枝を切り落とし終えると、お兄さんは初めて私の声のする方に目を向けた。
しかし、思いもよらない小動物が自分に話しかけていることに気がつき、ビクッと体を揺らして驚いた。
その時バランスを崩して高い椅子から落ちそうになったので、咄嗟に魔法でふわりと体を浮かす
「お兄さん、高い所は注意しないと危ないよ?
それに、間違ってる。
私は魔獣じゃなくって神獣なんだって。」
「……神獣……アスランとこの………か?」
「…ん~~、まあ、そうとも言うかな?」
適当に相槌を打ちながらフワフワと浮かせた体を、ゆっくり私の前に下ろすと、お兄さんは小さく「ありがとう」とお礼を言ってくれた。
背中まである濃い金色の髪は後ろで纏められ、瞳は空のような青い色。
大柄でしっかりと筋肉のついた体躯は、騎士の礼装したらきっとものすごく似合うんだろうなと思われた。
綺麗系のアスランとは違って、どちらかというとハンサム系の男らしい顔立ちは整っており、妙に色気を孕んだ目元は、まるでイタリアの俳優のようなイメージを醸し出した。
そんなイケメンが、私の両脇にそっと手を差し込んで顔の近くまで引き寄せると、ニッコリと笑いながら私の鼻先にチュッとキスを落とした。
彼のそんな仕草に見惚れていた私は、思わず咄嗟に反応出来ずに尻尾をビーンと膨張させて固まるしかなくて。
そんな私の姿を見て、彼は「はははっ…」と、王様によく似た低い声で笑う。
………それが、私とシュタイン兄様との初対面だった。
私も、馬鹿な母親と無責任で強欲な祖父一族のとばっちりを受けただけだという、不憫な王子様のことが気になっていた。
「ねえ、あれからお兄さんには会ってないの?」
エマーソンパパ上が涙ながらに王都へ帰って行ってからしばらく後、不意にシュタイン王子のことを思い出して、尋ねてみることにした。
アスランは、嬉しそうに私の毛皮をブラッシングして、入念にオイルを揉み込んでいる最中だったのだが、ふとその手を止め、眉をしかめながらその目を眇める。
「…時々、手紙のやり取りはしておりますが……。
ミーア様がいらしてからは数回程度しか言葉を交わしておりません。
それでも神官長となる前には、特別に父から許可を頂くこともできたのですけれども、一旦王宮から離れて神殿の長の立場になると、……罪人の一族とみなされて幽閉されている兄に会うのは、余計に難しい立場になってしまいましたので…」
「ふーん…。お兄さん、可哀想だね……」
そっか…やっぱそんなに簡単に会わせて貰えないんだ…。
どこの世界でも、本当に柵って面倒くさいよね…
そう思いながら、私はムクリと四足で起き出してベッドの上に立ち上がると、フルリと体を震わせた。
「……そうですね。不憫な方で……って、ミーア様?
急に人間姿になって、どうされたのですか?
………そんな触れ方はしていないつもりでしたが…
………も、もしや……こんな明るいうちから私をご所望ですか…?」
頬を染めて、モジモジしながら自分の上着のボタンに手をかけようとしているアスランを無視して、私はヒョイッとベッドから降りる。
「んー、ちょっとパパ上のとこまでお出かけしてくる。
あっちにも先輩が残した大きな御祭神あるし、座標はなんとなく分かるから、空間転移すればすぐだと思うよ。
用事が済んだら暗くなる前に帰るから、心配しないで待ってて」
そう言い捨てるように言付けると、目の前の空間にすっかり扱いに慣れた魔法陣を展開させた。
「え、ちょっ…待って…」
突然の展開の早さに追いつけず、アスランは引き留めようと手を伸ばしたが、私はそれよりも早く頭から転移陣に飛び込んで、溶け込んでいったのだった。
「………っ…ふぁ……にゃぁ…」
私はただ、仲良くなったパパ上に気の毒なお兄さんの身の上がどうにかならないかと、お願いしに来ただけだった。
お兄さんのことを話すと、アスランの表情が陰るので、何とかしてあげたかったから。
それなのに…それだけだったのに………なんでこうなったの?
「ふふふ……これはいいな。
アスランがハマる気持ちが、俺にも分かってきたよ。
どうだ、神獣様。ここがイイのか?
はぁ…ふかふかの毛皮が温かくて…これは癒やされるな」
…誤解しないでいただきたいのだが、別にエロいことをされている訳じゃない。そもそも猫だし。
ただ、お膝の上で寝かされた体を余す所なく撫で回されて…それが想像もつかないほど、キモチイイってだけなのだ。
…ていうか、何この人……テクニシャンすぎね!?
初対面なのに、慣れてるアスランよりツボ心得てるって…天才か?
マジで昇天しそうなレベルでヤバいんですけど!?
私は今、アスランのお兄さんだというシュタイン兄様に「ニャフンニャフン」と鳴かされる程、絶賛弄ばれ中であった。
…「あばよ!」と言わんばかりに颯爽と王宮まで転移していった私が、何でこんなことになっているのかというと…話は1時間ほど前に遡る。
王宮に残る先輩猫像には、少なくない残存魔力が残されており、私はそれを目指して王宮内に転移した。
もちろん、王宮には侵入者を阻む結界が張られていたのだが、既に内部に建てられている彫像には関係ない。
なので、パッと音もなく転移した私のことに気づくものはいなかった。
そのはずなのだが、突如大きな魔力の塊が出現したことによって、王宮内部は一時的にパニックに陥ったという。
しかし、そんな事に全く気付いていない私は、バタバタと駆け回る騎士や役人たちに見つからないよう、姿や気配を消しながら、パパ上の姿を探し回った。
ひょっとして…この騒ぎ、私のせいかも…なんて、突然侵入した後ろめたさが私の隠遁魔法に磨きをかけた。
そもそも…魔法なんて使わなくても小さな猫が本気で忍ぼうとしたら、そうそう見つかるもんじゃないしね。
そして、「きっと偉そうな人たちが集まってるとこまで行けば、パパ上見つかるはず」なんて、軽い考えでフラフラと探し回っているうちに………まぁ、お約束どおり迷ったわけで。
ちょっと、物珍しさでキョロキョロしながら歩いてたのも良くなかったと思うけど。
そうこうしているうちに、私はふと誰もいない…けれども綺麗な草木が整えられた庭園で、一人の青年と出会った。
青年は、質素なシャツとパンツ姿に使い古したエプロンをかけ、庭木の剪定の真っ最中であった。
この、見事…と言う程の派手さはないが、素敵な調和を感じさせる庭園は、この青年が手掛けたものなのかもしれない。
青年は、私には全く気付いておらず、高い椅子に座りながら穏やかな表情で、パチリパチリと伸びすぎた木の枝を切り落としていた。
遠くから、騎士たちが大きな声で何かを探す声が聞こえるが、ここは別世界のような空間だった。
「素敵なお庭ですね。お兄さんがきれいにしたの?」
「ああ、庭位しか出られないから、時々自分の部屋から見える範囲はこうして整えているんだ」
お兄さんの穏やかな様子に、思わず気配を表して声をかけたが、お兄さんはそのまま手を止めることもなく、私の言葉に応えてくれた。
私はちょこんと、椅子の横に座ってお兄さんの手技を見守り、再び声をかけた。
「お兄さん、庭師なの?
このお庭、なんか落ち着く感じで、いいですね」
「いや、そういう訳じゃないが……私が趣味で作った庭が君のお好みに合ったのなら………って……魔獣?…」
手の届く範囲の枝を切り落とし終えると、お兄さんは初めて私の声のする方に目を向けた。
しかし、思いもよらない小動物が自分に話しかけていることに気がつき、ビクッと体を揺らして驚いた。
その時バランスを崩して高い椅子から落ちそうになったので、咄嗟に魔法でふわりと体を浮かす
「お兄さん、高い所は注意しないと危ないよ?
それに、間違ってる。
私は魔獣じゃなくって神獣なんだって。」
「……神獣……アスランとこの………か?」
「…ん~~、まあ、そうとも言うかな?」
適当に相槌を打ちながらフワフワと浮かせた体を、ゆっくり私の前に下ろすと、お兄さんは小さく「ありがとう」とお礼を言ってくれた。
背中まである濃い金色の髪は後ろで纏められ、瞳は空のような青い色。
大柄でしっかりと筋肉のついた体躯は、騎士の礼装したらきっとものすごく似合うんだろうなと思われた。
綺麗系のアスランとは違って、どちらかというとハンサム系の男らしい顔立ちは整っており、妙に色気を孕んだ目元は、まるでイタリアの俳優のようなイメージを醸し出した。
そんなイケメンが、私の両脇にそっと手を差し込んで顔の近くまで引き寄せると、ニッコリと笑いながら私の鼻先にチュッとキスを落とした。
彼のそんな仕草に見惚れていた私は、思わず咄嗟に反応出来ずに尻尾をビーンと膨張させて固まるしかなくて。
そんな私の姿を見て、彼は「はははっ…」と、王様によく似た低い声で笑う。
………それが、私とシュタイン兄様との初対面だった。
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