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第2章 異世界でももふもふは正義!?
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「うわぁ、すげぇ人だな……」
門の前にはなぜか人だかりができていて、がやがやしていた。
最初は門の出入りが多くて混んでいるだけだと思っていたがそうではなさそうだった。
「門を開けられないってどういうことだよ!」
「急いで王都に持って行かないといけない品があるんだ! 早く通せ!」
門の前で食い止められている人達から不満の声が次々と上がる。みんなイライラしていたが、特に商人は商売に関わるからだろう、殺気立ってさえいた。
しばらくすると、年嵩の行った恐らく責任者らしい門番が門の前に木箱を置いて、その上に立った。
そしてゴホン、と咳払いをしてから口を開いた。
「皆さん、ご迷惑をお掛けして申し訳ございません。今日はこの門を開けるわけにはいきません」
門番の言葉に辺りはさらに苛立ちを増してざわめいた。
「はぁ? どういうことだよ!」
「ふざけるな!」
方々から不満が爆発する。しかし、続く門番の言葉に誰もが口を噤んだ。
「今、この門の向こうにはグーロがいます。しかもその数、十三匹」
緊張を帯びたどよめきが辺りに広まった。
よほど深刻な事態らしいが、グーロを知らない俺にはいまいちピンと来ない。
「なぁなぁ、グーロってなに?」
俺は隣にいるチェルノにこっそりと訊いた。
「あ、そうか、ソウシは知らないよね~。グーロはモンスターで体は大型犬くらいなんだけど食欲がすごくて何でも食べちゃうんだ~。一匹のグーロが一晩で村を壊滅させた、なんて話もあるくらいだよ~」
朗らかに説明するチェルノだが、その内容は穏やかなものではない。
一匹で村を壊滅……。
俺は門の向こうにいる見知らぬモンスターの恐ろしさにゴクリと唾を飲んだ。
すると背後からふわりと抱き締められた。
「……ソウシ、怖がらなくていい。何があっても俺がソウシを守るから」
「ドゥーガルド……。――いや、そんな真っ青な顔で言われても説得力ないからな?」
まるで少女漫画に出てくるナイトのような台詞だが、それを口にするドゥーガルドは血色が悪く今にも倒れそうで、後ろから守るように抱き締めるというよりは、俺を支えにしながら何とか立っているような状態だった。
俺はハァ、と溜め息を吐いた。
「だから酒はあんまり飲みすぎるなって言っただろ」
昨夜、開店時から閉店時までずっと酒場にいたドゥーガルドは、俺を呼びつけるために終始酒を注文していたので相当な量を飲んでいた。こうなるのも無理はない。
早朝から何度も吐いたらしく、出発時にはようやく落ち着いたようだがまだその顔色は優れない。
「……他の客から少しでもソウシと触れあうを奪うためだ。このくらいの犠牲どうってことない」
「いや、客と触れあってないからな。ただ注文を受けていただけだからな」
こいつはアホなのか? いや、アホだ。そんなことのためだけに体調を崩すほど飲むな!
「でもここで足止めを食うのは時間がもったいないよね~」
「確かに……」
俺としては一刻も早く王都に行き、ケツを狙う危ない奴らとはおさらばして元の世界に戻る方法を探したいところだ。
「アーロン、どうす――」
とりあえず一応このパーティーのリーダーであるアーロンに意見を求めようと横を見たが、奴は忽然と姿を消していた。
門の前にはなぜか人だかりができていて、がやがやしていた。
最初は門の出入りが多くて混んでいるだけだと思っていたがそうではなさそうだった。
「門を開けられないってどういうことだよ!」
「急いで王都に持って行かないといけない品があるんだ! 早く通せ!」
門の前で食い止められている人達から不満の声が次々と上がる。みんなイライラしていたが、特に商人は商売に関わるからだろう、殺気立ってさえいた。
しばらくすると、年嵩の行った恐らく責任者らしい門番が門の前に木箱を置いて、その上に立った。
そしてゴホン、と咳払いをしてから口を開いた。
「皆さん、ご迷惑をお掛けして申し訳ございません。今日はこの門を開けるわけにはいきません」
門番の言葉に辺りはさらに苛立ちを増してざわめいた。
「はぁ? どういうことだよ!」
「ふざけるな!」
方々から不満が爆発する。しかし、続く門番の言葉に誰もが口を噤んだ。
「今、この門の向こうにはグーロがいます。しかもその数、十三匹」
緊張を帯びたどよめきが辺りに広まった。
よほど深刻な事態らしいが、グーロを知らない俺にはいまいちピンと来ない。
「なぁなぁ、グーロってなに?」
俺は隣にいるチェルノにこっそりと訊いた。
「あ、そうか、ソウシは知らないよね~。グーロはモンスターで体は大型犬くらいなんだけど食欲がすごくて何でも食べちゃうんだ~。一匹のグーロが一晩で村を壊滅させた、なんて話もあるくらいだよ~」
朗らかに説明するチェルノだが、その内容は穏やかなものではない。
一匹で村を壊滅……。
俺は門の向こうにいる見知らぬモンスターの恐ろしさにゴクリと唾を飲んだ。
すると背後からふわりと抱き締められた。
「……ソウシ、怖がらなくていい。何があっても俺がソウシを守るから」
「ドゥーガルド……。――いや、そんな真っ青な顔で言われても説得力ないからな?」
まるで少女漫画に出てくるナイトのような台詞だが、それを口にするドゥーガルドは血色が悪く今にも倒れそうで、後ろから守るように抱き締めるというよりは、俺を支えにしながら何とか立っているような状態だった。
俺はハァ、と溜め息を吐いた。
「だから酒はあんまり飲みすぎるなって言っただろ」
昨夜、開店時から閉店時までずっと酒場にいたドゥーガルドは、俺を呼びつけるために終始酒を注文していたので相当な量を飲んでいた。こうなるのも無理はない。
早朝から何度も吐いたらしく、出発時にはようやく落ち着いたようだがまだその顔色は優れない。
「……他の客から少しでもソウシと触れあうを奪うためだ。このくらいの犠牲どうってことない」
「いや、客と触れあってないからな。ただ注文を受けていただけだからな」
こいつはアホなのか? いや、アホだ。そんなことのためだけに体調を崩すほど飲むな!
「でもここで足止めを食うのは時間がもったいないよね~」
「確かに……」
俺としては一刻も早く王都に行き、ケツを狙う危ない奴らとはおさらばして元の世界に戻る方法を探したいところだ。
「アーロン、どうす――」
とりあえず一応このパーティーのリーダーであるアーロンに意見を求めようと横を見たが、奴は忽然と姿を消していた。
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