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第3章 異世界で溺愛剣士の婚約者!?

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「ア、アーロン!?」
「よぉ、俺がいない間に随分かわいい恰好してんじゃねぇか」

 にやにやと笑ってミニスカートから伸びる俺の脚を見るアーロンに、俺は慌ててスカートの裾を下に引っ張った。

「う、うるせぇ! 見んな!」
「はァ? 俺に命令すんな。 というか、なに、その恰好。体だけじゃなくて心までメスになったわけ?」
「そんなわけあるか!!」 

 というか心までってどういう意味だよ! 俺は体も心もずっと男だ!!

 俺の返答にアーロンは不満そうに眉を顰めた。

「なんだよ、そこは普通、目をハートにして『はい、身も心もアーロン様のメスになりました』って言うところだろ」
「どこの世界の普通だよ!?」

 エロゲか!? この世界はエロゲなのか!?

「というか、なんでアーロンがここにいるんだよ!? 今後について王様たちと話をしないでいいのか?」
「チェルノがあとは自分が話をするって言って追い返されたんだよ」

 不服そうに唇を尖らせてアーロンが言った言葉に、なるほどと合点がいった。
 さっきの謁見の間での様子を見ればアーロンがいない方が話がスムーズに進むのは火を見るよりも明らかだ。

「それでアーシャの居場所を聞いたら、応接間にいたって聞いたからここまで迎えにきてやったんだよ」

 ありがたく思え、とでも言いたげにふんぞり返るアーロンに、心底げんなりする。

「いや、別に迎えとかいらねぇし、マジで……。というかそもそも俺のいた応接間はここじゃねぇし」
「そんなこと知ってるに決まってるだろ。だからわざわざ待ち伏せてここに引き連れたんだよ。応接間にいるあいつらに邪魔されないように」

 にやり、と嫌な予感しかしない笑みを口元に浮かべて、アーロンは俺の腰をグイっと抱き寄せた。
 布越しでも分かるほど硬くなった奴の息子が下腹部に押し付けられて、サッと血の気が引いた。

「ちょ、ちょちょ、ちょっと待て!! お前、ここがどこだか分かってんのか!? 城だぞ、城!」
「はぁ? 分かってるに決まってんだろ。なにアホなこと訊いてんだ」
「いやっ、アホなことしてるのお前ぇぇぇ!」

 絶対俺の方が正しいのに鼻で笑ってくるのだから、本当に腹立たしいことこの上ない。

「つーか、離れろ! 人の腹にチンコを押し付けんな!」

 俺のいた世界じゃ、痴漢だからな! 即逮捕案件だからな!

「ああ、押し付けていないで早くナカに入れてってことか」
「んなわけあるかぁぁぁぁ!」

 どうしてこの渾身の抗議をそう解釈できるんだ!? サイコパス? サイコパスなのか!?

 胸元を両手で押して何とか離れようとするが、腰をがっちりホールドされてしまってびくともしなかった。
 そんな俺をあざ笑うように、アーロンが鼻をハッと鳴らした。
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