23 / 70
第二十三話 怒られたっていい。使ってやる
しおりを挟む
「どいつもこいつも油断しやがって!」
『お前もな』
ピーちゃんもね。瀕死でしょ。
倒れたおじさん二人を見て、金髪おじさんが怒っている。
でも、自分もピーちゃんに左腕を負傷させられている。
左腕を力なくぶら下げて、右腕だけで剣を構えている。
「残りはあんただけだ。俺は戦い方を教えてくれって頼んだのに、雑用ばかりやらせやがって」
二対一でアイツが強気になっている。
炭剣の切っ先を向けて勝つ気満々だ。
「マグレでテレンス倒したぐらいでイキがるなよ。お前のような自分が強いと勘違いしている馬鹿に、身の程を教えてやってたんだ。どうやら足りなかったようだがな——」
凄い。こっちも片腕だけで勝つ気満々だ。
もう誰が勝つのか分からない。
「来いよ、俺が教えてやる。お前がどこにでもいる勘違い雑魚野朗だってな」
「ブッ殺す。お前に教えてほしいことなんて、もう何もないんだよ!」
二対一じゃなくて、一対一の真剣勝負だった。
金髪おじさんが右手に持った剣で来るように挑発すると本当に向かっていった。
「死ねやあ!」
突撃すると飛び上がってからの強烈な振り下ろし斬りだ。
まるで野犬が飛びかかるような攻撃だったけど、横に跳んで躱された。
「おっと、残念。ガキは威勢だけはいいね。どこまで持つか楽しみだな!」
「ぐぅっ!」
回避するとすぐに、金髪おじさんが目にも止まらぬ速さで剣を下から上に振り上げた。
アイツが剣を横に倒して受け止めようとしたけど、力が足りずに腕ごと剣が跳ね上げられた。
「ぐぅっ、ゔぅぅ……」
「どうしたどうした? 守るだけじゃ俺は倒せねえぞ。炎出せよ」
まるで子供と大人の戦いだ。
アイツは攻撃できずに剣を受け止め躱すことしか出来ていない。
金髪おじさんの剣は蛇のように動きが読みづらく、鳥のように鋭く速い。
躱せなかった刃がアイツの身体を少しずつ切り刻んでいる。
そんなアイツのピンチにピーちゃんは何をしているかというと……
『マ、マズイ』
収納袋に僕が入れておいた竜薬草を食べて回復していた。
うん、それも大事だけど、もっと大事なことがあると思うよ。
「らあああ! 燃え尽きろ!」
回復中のピーちゃんと違って、頑張って金髪おじさんの剣を受け止めると、アイツが勝負に動いた。
受け止めた瞬間、剣で剣を力いっぱい押して、金髪おじさんに炭剣を肉薄させると燃え上がらせた。
剣から放たれる炎が金髪おじさんの身体に襲いかかった。
「残念だったな、ガキ」
「どうして? ゔああああ!」
でも、金髪おじさんがニヤリと笑った。
すると、逆にアイツの方が悲鳴を上げた。
「どうしてか分かんねえか。簡単な理屈だ。お前も炎を浴びているのに平気なのは、剣に流す魔力がお前のだからだ。主人を焼くわけにはいかないからな。だから、こうやって俺も剣を握って魔力を流せば、魔力の強い方が新しい主人に選ばれるってわけだ。死ぬ前に一つ勉強になったな」
言われて見てみると、金髪おじさんの左手が炭剣の柄に触れていた。
ピーちゃんの雑魚体当たりで負傷したと信じた僕が馬鹿だった。
「がはっ……!」
「まずは一人だ。次、来いよ」
炎に焼かれたアイツが剣から手を離して崩れ落ちた。
金髪おじさんが右手に自分の剣、左手に炭剣を持って振り向いた。
『…………』
ピーちゃん、呼ばれているよ。行かないの?
「来ないならコイツを殺す。逃げても殺す。コイツの命はお前次第ってわけだ。どうするんだ、鳥?」
倒れているアイツの頭に剣先を向けて、金髪おじさんが決断を迫ってきた。
もう動かないわけにはいかない。
「ぐぅぅぅ、お、俺のことは、いい、逃げろ……」
先に動いたのはアイツだった。
倒れたままピーちゃんを苦しそうな顔で見つめて、右腕を伸ばして言ってきた。
そんなアイツの頭を金髪おじさんが踏みつけて言ってきた。
「まだ喋れる元気が残っていたか。おい、鳥。どうする? 逃げていいってよ」
『…………』
「だんまりか。それともビビっているのか?」
ピーちゃん! 男には絶対に負けられない戦いがあるんだよね!
『……もう怒られたっていい。使ってやる』
【種族:ブルーバード レベル28 筋力27 耐久21 敏捷48 器用12 知力8 魔力12 運9 残りポイント27 『バードストライク習得』『超加速習得』】
ピ、ピーちゃん⁉︎ ポイント使うかどうかでずっと悩んでいたの⁉︎
今悩むところ、そこじゃないよ。怒んないから好きなように使いなよ。
【種族:ブルーバード レベル28 筋力27 耐久21 敏捷75 器用12 知力8 魔力12 運9 残りポイント0 『バードストライク習得』『超加速習得』】
悩んだ結果がこれなんだね。敏捷に全振りしたんだね。
もしかしてこれで逃げないよね?
【残像習得】——超加速時に自分の幻影を見せることが出来る。
『逃げる? もう誰も僕からは逃げられない。”超加速”』
良かった。ピーちゃん、逃げなかった。
金髪おじさんに向かって全力で突撃した。
「速いのは知ってんだよ!」
金髪おじさんが普通の剣を投げ捨てると、向かってくるピーちゃんに両手で持った炭剣を振り下ろした。
狙いすました高速の一撃が、超加速のピーちゃんを完璧にとらえた。
『”バードストライク”』
「ぐはぁ……!」
でも、次の瞬間、金髪おじさんの背中にピーちゃんの超体当たりが炸裂した。
もちろん一撃で終わらない。休む暇も与えず、手当たり次第に超体当たりを繰り返す。
「ぐぅっ、があっ、うぐっ……ど、どういうことだ!」
金髪おじさんが理解不能の現象にうろたえている。
剣を振り回して、ピーちゃんを完璧に切っているのに、切られた瞬間にピーちゃんは消えてしまう。
これがピーちゃんの新しい力みたいだ。
『アイツ倒したぐらいでイキがるなよ。身の程を教えてやる』
「がはぁ……!」
後頭部にバードストライクが炸裂した。
金髪おじさんが地面に倒れた。
「もう、許して、くれ……」
ピーちゃん、無自覚でやり過ぎたみたいだね。命乞いしているよ。
本当は攻撃力が低すぎて、一撃で倒せないから、何十発も攻撃しているだけなのにね。
『お前もな』
ピーちゃんもね。瀕死でしょ。
倒れたおじさん二人を見て、金髪おじさんが怒っている。
でも、自分もピーちゃんに左腕を負傷させられている。
左腕を力なくぶら下げて、右腕だけで剣を構えている。
「残りはあんただけだ。俺は戦い方を教えてくれって頼んだのに、雑用ばかりやらせやがって」
二対一でアイツが強気になっている。
炭剣の切っ先を向けて勝つ気満々だ。
「マグレでテレンス倒したぐらいでイキがるなよ。お前のような自分が強いと勘違いしている馬鹿に、身の程を教えてやってたんだ。どうやら足りなかったようだがな——」
凄い。こっちも片腕だけで勝つ気満々だ。
もう誰が勝つのか分からない。
「来いよ、俺が教えてやる。お前がどこにでもいる勘違い雑魚野朗だってな」
「ブッ殺す。お前に教えてほしいことなんて、もう何もないんだよ!」
二対一じゃなくて、一対一の真剣勝負だった。
金髪おじさんが右手に持った剣で来るように挑発すると本当に向かっていった。
「死ねやあ!」
突撃すると飛び上がってからの強烈な振り下ろし斬りだ。
まるで野犬が飛びかかるような攻撃だったけど、横に跳んで躱された。
「おっと、残念。ガキは威勢だけはいいね。どこまで持つか楽しみだな!」
「ぐぅっ!」
回避するとすぐに、金髪おじさんが目にも止まらぬ速さで剣を下から上に振り上げた。
アイツが剣を横に倒して受け止めようとしたけど、力が足りずに腕ごと剣が跳ね上げられた。
「ぐぅっ、ゔぅぅ……」
「どうしたどうした? 守るだけじゃ俺は倒せねえぞ。炎出せよ」
まるで子供と大人の戦いだ。
アイツは攻撃できずに剣を受け止め躱すことしか出来ていない。
金髪おじさんの剣は蛇のように動きが読みづらく、鳥のように鋭く速い。
躱せなかった刃がアイツの身体を少しずつ切り刻んでいる。
そんなアイツのピンチにピーちゃんは何をしているかというと……
『マ、マズイ』
収納袋に僕が入れておいた竜薬草を食べて回復していた。
うん、それも大事だけど、もっと大事なことがあると思うよ。
「らあああ! 燃え尽きろ!」
回復中のピーちゃんと違って、頑張って金髪おじさんの剣を受け止めると、アイツが勝負に動いた。
受け止めた瞬間、剣で剣を力いっぱい押して、金髪おじさんに炭剣を肉薄させると燃え上がらせた。
剣から放たれる炎が金髪おじさんの身体に襲いかかった。
「残念だったな、ガキ」
「どうして? ゔああああ!」
でも、金髪おじさんがニヤリと笑った。
すると、逆にアイツの方が悲鳴を上げた。
「どうしてか分かんねえか。簡単な理屈だ。お前も炎を浴びているのに平気なのは、剣に流す魔力がお前のだからだ。主人を焼くわけにはいかないからな。だから、こうやって俺も剣を握って魔力を流せば、魔力の強い方が新しい主人に選ばれるってわけだ。死ぬ前に一つ勉強になったな」
言われて見てみると、金髪おじさんの左手が炭剣の柄に触れていた。
ピーちゃんの雑魚体当たりで負傷したと信じた僕が馬鹿だった。
「がはっ……!」
「まずは一人だ。次、来いよ」
炎に焼かれたアイツが剣から手を離して崩れ落ちた。
金髪おじさんが右手に自分の剣、左手に炭剣を持って振り向いた。
『…………』
ピーちゃん、呼ばれているよ。行かないの?
「来ないならコイツを殺す。逃げても殺す。コイツの命はお前次第ってわけだ。どうするんだ、鳥?」
倒れているアイツの頭に剣先を向けて、金髪おじさんが決断を迫ってきた。
もう動かないわけにはいかない。
「ぐぅぅぅ、お、俺のことは、いい、逃げろ……」
先に動いたのはアイツだった。
倒れたままピーちゃんを苦しそうな顔で見つめて、右腕を伸ばして言ってきた。
そんなアイツの頭を金髪おじさんが踏みつけて言ってきた。
「まだ喋れる元気が残っていたか。おい、鳥。どうする? 逃げていいってよ」
『…………』
「だんまりか。それともビビっているのか?」
ピーちゃん! 男には絶対に負けられない戦いがあるんだよね!
『……もう怒られたっていい。使ってやる』
【種族:ブルーバード レベル28 筋力27 耐久21 敏捷48 器用12 知力8 魔力12 運9 残りポイント27 『バードストライク習得』『超加速習得』】
ピ、ピーちゃん⁉︎ ポイント使うかどうかでずっと悩んでいたの⁉︎
今悩むところ、そこじゃないよ。怒んないから好きなように使いなよ。
【種族:ブルーバード レベル28 筋力27 耐久21 敏捷75 器用12 知力8 魔力12 運9 残りポイント0 『バードストライク習得』『超加速習得』】
悩んだ結果がこれなんだね。敏捷に全振りしたんだね。
もしかしてこれで逃げないよね?
【残像習得】——超加速時に自分の幻影を見せることが出来る。
『逃げる? もう誰も僕からは逃げられない。”超加速”』
良かった。ピーちゃん、逃げなかった。
金髪おじさんに向かって全力で突撃した。
「速いのは知ってんだよ!」
金髪おじさんが普通の剣を投げ捨てると、向かってくるピーちゃんに両手で持った炭剣を振り下ろした。
狙いすました高速の一撃が、超加速のピーちゃんを完璧にとらえた。
『”バードストライク”』
「ぐはぁ……!」
でも、次の瞬間、金髪おじさんの背中にピーちゃんの超体当たりが炸裂した。
もちろん一撃で終わらない。休む暇も与えず、手当たり次第に超体当たりを繰り返す。
「ぐぅっ、があっ、うぐっ……ど、どういうことだ!」
金髪おじさんが理解不能の現象にうろたえている。
剣を振り回して、ピーちゃんを完璧に切っているのに、切られた瞬間にピーちゃんは消えてしまう。
これがピーちゃんの新しい力みたいだ。
『アイツ倒したぐらいでイキがるなよ。身の程を教えてやる』
「がはぁ……!」
後頭部にバードストライクが炸裂した。
金髪おじさんが地面に倒れた。
「もう、許して、くれ……」
ピーちゃん、無自覚でやり過ぎたみたいだね。命乞いしているよ。
本当は攻撃力が低すぎて、一撃で倒せないから、何十発も攻撃しているだけなのにね。
682
あなたにおすすめの小説
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
元皇子の寄り道だらけの逃避行 ~幽閉されたので国を捨てて辺境でゆっくりします~
下昴しん
ファンタジー
武力で領土を拡大するベギラス帝国に二人の皇子がいた。魔法研究に腐心する兄と、武力に優れ軍を指揮する弟。
二人の父である皇帝は、軍略会議を軽んじた兄のフェアを断罪する。
帝国は武力を求めていたのだ。
フェアに一方的に告げられた罪状は、敵前逃亡。皇帝の第一継承権を持つ皇子の座から一転して、罪人になってしまう。
帝都の片隅にある独房に幽閉されるフェア。
「ここから逃げて、田舎に籠るか」
給仕しか来ないような牢獄で、フェアは脱出を考えていた。
帝都においてフェアを超える魔法使いはいない。そのことを知っているのはごく限られた人物だけだった。
鍵をあけて牢を出ると、給仕に化けた義妹のマトビアが現れる。
「私も連れて行ってください、お兄様」
「いやだ」
止めるフェアに、強引なマトビア。
なんだかんだでベギラス帝国の元皇子と皇女の、ゆるすぎる逃亡劇が始まった──。
※カクヨム様、小説家になろう様でも投稿中。
俺を凡の生産職だからと追放したS級パーティ、魔王が滅んで需要激減したけど大丈夫そ?〜誰でもダンジョン時代にクラフトスキルがバカ売れしてます~
風見 源一郎
ファンタジー
勇者が魔王を倒したことにより、強力な魔物が消滅。ダンジョン踏破の難易度が下がり、強力な武具さえあれば、誰でも魔石集めをしながら最奥のアイテムを取りに行けるようになった。かつてのS級パーティたちも護衛としての需要はあるもの、単価が高すぎて雇ってもらえず、値下げ合戦をせざるを得ない。そんな中、特殊能力や強い魔力を帯びた武具を作り出せる主人公のクラフトスキルは、誰からも求められるようになった。その後勇者がどうなったのかって? さぁ…
クラスで異世界召喚する前にスキルの検証に30年貰ってもいいですか?
ばふぉりん
ファンタジー
中学三年のある朝、突然教室が光だし、光が収まるとそこには女神様が!
「貴方達は異世界へと勇者召喚されましたが、そのままでは忍びないのでなんとか召喚に割り込みをかけあちらの世界にあった身体へ変換させると共にスキルを与えます。更に何か願いを叶えてあげましょう。これも召喚を止められなかった詫びとします」
「それでは女神様、どんなスキルかわからないまま行くのは不安なので検証期間を30年頂いてもよろしいですか?」
これはスキルを使いこなせないまま召喚された者と、使いこなし過ぎた者の異世界物語である。
<前作ラストで書いた(本当に描きたかったこと)をやってみようと思ったセルフスピンオフです!うまく行くかどうかはホント不安でしかありませんが、表現方法とか教えて頂けると幸いです>
注)本作品は横書きで書いており、顔文字も所々で顔を出してきますので、横読み?推奨です。
(読者様から縦書きだと顔文字が!という指摘を頂きましたので、注意書をと。ただ、表現たとして顔文字を出しているで、顔を出してた時には一通り読み終わった後で横書きで見て頂けると嬉しいです)
追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?
タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。
白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。
しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。
王妃リディアの嫉妬。
王太子レオンの盲信。
そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。
「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」
そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。
彼女はただ一言だけ残した。
「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」
誰もそれを脅しとは受け取らなかった。
だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。
帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜
東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。
ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。
「おい雑魚、これを持っていけ」
ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。
ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。
怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。
いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。
だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。
ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。
勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。
自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。
今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。
だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。
その時だった。
目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。
その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。
ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。
そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。
これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。
※小説家になろうにて掲載中
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる