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第六十話 『』属性習得
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【氷属性習得・氷魔法習得】——魔法の形、威力は使い手の『魔力』と『創造力』で決まる。
『くぉおおおお!』
頭の中に何かが浮かんだと思ったら、僕の周りに荒れ狂う吹雪が現れた。
ピキピキと音を立てて身体が凍りついていく。
吹雪が爆発するように収まると背中から翼が飛び出した。
黒い翼じゃない、透き通るような氷の翼が……
『これは一体?』
僕の身に何が起きたんだ。氷の翼を羽ばたかせて飛んでいる。
助けを願ったけど、こうなるとは思ってなかった。
『ヒィギャアアアアッ!』
『‼︎』
ゆっくり考えている暇はなさそうだ。
上空から怒りを込めた鳴き声が聞こえてきた。
見上げると四羽の大鳥が急降下してきた。
『ぶ、武器⁉︎』
ヤバイ。剣は落としてしまった。
収納袋にも入っていない。武器になりそうな物はノミとハンマーぐらいだ。
鎧ウサギや一角オオカミになら通用するけど、大鳥には無理だ。
『ふぅ~~』
とりあえず冷たい息をゆっくり吐き出して、焦る気持ちを何とか落ち着かせた。
氷の翼が出せたんだ。武器も出せるに決まっている。
クチバシから急降下して来る大鳥達に向かって、両手の手の平を向けた。
『”氷の大盾”』
両手の前に青白い光を放つ氷の円盾が出現した。
僕の身体を隠せるほどの大きな円盾だ。
その盾に四本のクチバシが直撃した。
『ぐあああああ!』
円盾が粉々に砕け散って、僕の身体が下に弾き飛ばされた。
薄氷の盾だと何も防げない。もっと頑丈に作らないと命は守れない。
再び大鳥達がクチバシから急降下してきた。
『くっ、この先には誰も行かせない!』
次はない。失敗は許されない。両手を左右に大きく広げた。
僕が死ねば、世界が終わる。人類の命運をかけた最終防衛ラインだ。
僕の下にはジャングルしかないけど、この命にかえても絶対に死守する。
『”堅氷の大盾”——うおおおおお‼︎』
とにかく厚く硬い盾が出るように願った。
濡れた雑巾から一滴残らず水を絞り出すように、僕の身体から魔力を絞り出す。
現れたさっきよりも大きく分厚い氷の円盾に、大鳥達のクチバシが突き刺さった。
その鋭利なものを僕の身体には絶対近づけさせない。
『ヒャア! ヒャア!』
『くぅぅぅ!』
クチバシを盾に突き刺したまま、大鳥達が両脚で盾を激しく蹴りつけてきた。
壊されないようにもう一滴も残ってないのに絞り出す。
でも、限界だ。無理なものは無理だ。
翼と腕の力で大盾を大鳥達と一緒に地上に向けた。
『飛んで行け!』
力いっぱい地上に向けて盾を発射した。
このまま地上に激突してくれれば倒せる。
そんな甘い考えを裏切るように大盾がピタッと止まった。
大鳥四羽の羽ばたきで止められてしまった。
しかも、脚の蹴りによって大盾が砕かれた。
自由になった大鳥達が再び向かってきた。
『くぅっ』
やっぱり守るだけじゃ駄目だ。
倒したいなら盾じゃなくて、剣だ。
簡単に折れない強くて丈夫な剣だ。
どんな敵も切り裂ける鋭い剣だ。
切るものを全て凍らせる剣だ。
『ふぅ~~……”断絶の氷刃”』
冷たい息を吐き出すと、右手を握り締めて青白いオーラを放つ魔剣を作り出した。
これなら本当に何でも切れそうだ。向かってくる大鳥達に剣先を向けて言った。
『死ぬ準備は出来てるのか?』
『ヒャア!』
覚悟は決まっているらしい。だったらもう何も言うことはない。
最終防衛ラインを突破されたとしても、僕はまだ生きている。
背中の翼と両手に握る剣に意識を集中させて、それを一気に爆発させた。
『”超速斬り”』
『~~~~‼︎』
高速の四連斬りで大鳥達の胴体と首を切り裂いた。
『冷たい刃に討たれて沈め』
右手の剣を砕いて、落ちていく大鳥達に氷の粒を捧げた。
激しい戦いだった。そのお陰で僕はまた一つ強くなれた。
君達のことは一生忘れない。唐揚げ君達。
♢♢♢
『い、生き返ったぁ~~』
地上に降りると切られた部分が凍っていた大鳥の羽根をむしって噛みついた。
たっぷり血を飲むと身体の痛みが引いていった。これで襲われてもまた戦える。
地面に大の字で寝転んで休憩した。
それにしてもさっき考えたカッコいい台詞は決まっていた。
まだ鳥肌が立っている。寒いのも原因だろうけど、それが全てじゃないはずだ。
それに氷魔法も覚えたから、カッコいい魔法も考えないといけない。
もうやることが多くて大変だ。僕、大忙しだ。
『さてと、剣を探しますか』
忙しいので休憩終わりだ。
立ち上がると落とした剣を探し始めた。
まずはこれからだ。
氷の剣で切ると肉も血も凍るし、魔力使うから疲れてしまう。
唐揚げの調味料だけじゃなくて、よく切れる包丁も欲しい。
だけど、物を買うにはお金がいる。現在の所持金だと厳しい。
カッコいい魔法の練習するついでに、魔物倒してお金稼ぎだ。
ここの魔物達には僕の美味しい唐揚げの為に尊い犠牲になってもらう。
両手を合わせて食べる前と後に感謝するから、それで許してほしい。
『…………』
折れてた。墜落した大鳥の死体の横に見つけたけど、僕の剣折れてた。
もう短剣ぐらいの長さしかない。
『まあいいかぁ』
ちょうど包丁が欲しかったから、この方が助かる。
大鳥の胴体の羽根をむしって、まずは血を飲んだ。
飲めば飲むほど強くはなれないけど、身体は元気になる。
大鳥の爽やかな血の甘さで頭がリフレッシュされた。
ヒゲ猫のピリッと刺激的な甘さとは違い、優しい味だ。
同じDランクの魔物でも、やっぱり種類が違うと味も違うらしい。
唐揚げに合いそうなのはヒゲ猫の方だから、もう一匹倒しておこうかな。
『くぉおおおお!』
頭の中に何かが浮かんだと思ったら、僕の周りに荒れ狂う吹雪が現れた。
ピキピキと音を立てて身体が凍りついていく。
吹雪が爆発するように収まると背中から翼が飛び出した。
黒い翼じゃない、透き通るような氷の翼が……
『これは一体?』
僕の身に何が起きたんだ。氷の翼を羽ばたかせて飛んでいる。
助けを願ったけど、こうなるとは思ってなかった。
『ヒィギャアアアアッ!』
『‼︎』
ゆっくり考えている暇はなさそうだ。
上空から怒りを込めた鳴き声が聞こえてきた。
見上げると四羽の大鳥が急降下してきた。
『ぶ、武器⁉︎』
ヤバイ。剣は落としてしまった。
収納袋にも入っていない。武器になりそうな物はノミとハンマーぐらいだ。
鎧ウサギや一角オオカミになら通用するけど、大鳥には無理だ。
『ふぅ~~』
とりあえず冷たい息をゆっくり吐き出して、焦る気持ちを何とか落ち着かせた。
氷の翼が出せたんだ。武器も出せるに決まっている。
クチバシから急降下して来る大鳥達に向かって、両手の手の平を向けた。
『”氷の大盾”』
両手の前に青白い光を放つ氷の円盾が出現した。
僕の身体を隠せるほどの大きな円盾だ。
その盾に四本のクチバシが直撃した。
『ぐあああああ!』
円盾が粉々に砕け散って、僕の身体が下に弾き飛ばされた。
薄氷の盾だと何も防げない。もっと頑丈に作らないと命は守れない。
再び大鳥達がクチバシから急降下してきた。
『くっ、この先には誰も行かせない!』
次はない。失敗は許されない。両手を左右に大きく広げた。
僕が死ねば、世界が終わる。人類の命運をかけた最終防衛ラインだ。
僕の下にはジャングルしかないけど、この命にかえても絶対に死守する。
『”堅氷の大盾”——うおおおおお‼︎』
とにかく厚く硬い盾が出るように願った。
濡れた雑巾から一滴残らず水を絞り出すように、僕の身体から魔力を絞り出す。
現れたさっきよりも大きく分厚い氷の円盾に、大鳥達のクチバシが突き刺さった。
その鋭利なものを僕の身体には絶対近づけさせない。
『ヒャア! ヒャア!』
『くぅぅぅ!』
クチバシを盾に突き刺したまま、大鳥達が両脚で盾を激しく蹴りつけてきた。
壊されないようにもう一滴も残ってないのに絞り出す。
でも、限界だ。無理なものは無理だ。
翼と腕の力で大盾を大鳥達と一緒に地上に向けた。
『飛んで行け!』
力いっぱい地上に向けて盾を発射した。
このまま地上に激突してくれれば倒せる。
そんな甘い考えを裏切るように大盾がピタッと止まった。
大鳥四羽の羽ばたきで止められてしまった。
しかも、脚の蹴りによって大盾が砕かれた。
自由になった大鳥達が再び向かってきた。
『くぅっ』
やっぱり守るだけじゃ駄目だ。
倒したいなら盾じゃなくて、剣だ。
簡単に折れない強くて丈夫な剣だ。
どんな敵も切り裂ける鋭い剣だ。
切るものを全て凍らせる剣だ。
『ふぅ~~……”断絶の氷刃”』
冷たい息を吐き出すと、右手を握り締めて青白いオーラを放つ魔剣を作り出した。
これなら本当に何でも切れそうだ。向かってくる大鳥達に剣先を向けて言った。
『死ぬ準備は出来てるのか?』
『ヒャア!』
覚悟は決まっているらしい。だったらもう何も言うことはない。
最終防衛ラインを突破されたとしても、僕はまだ生きている。
背中の翼と両手に握る剣に意識を集中させて、それを一気に爆発させた。
『”超速斬り”』
『~~~~‼︎』
高速の四連斬りで大鳥達の胴体と首を切り裂いた。
『冷たい刃に討たれて沈め』
右手の剣を砕いて、落ちていく大鳥達に氷の粒を捧げた。
激しい戦いだった。そのお陰で僕はまた一つ強くなれた。
君達のことは一生忘れない。唐揚げ君達。
♢♢♢
『い、生き返ったぁ~~』
地上に降りると切られた部分が凍っていた大鳥の羽根をむしって噛みついた。
たっぷり血を飲むと身体の痛みが引いていった。これで襲われてもまた戦える。
地面に大の字で寝転んで休憩した。
それにしてもさっき考えたカッコいい台詞は決まっていた。
まだ鳥肌が立っている。寒いのも原因だろうけど、それが全てじゃないはずだ。
それに氷魔法も覚えたから、カッコいい魔法も考えないといけない。
もうやることが多くて大変だ。僕、大忙しだ。
『さてと、剣を探しますか』
忙しいので休憩終わりだ。
立ち上がると落とした剣を探し始めた。
まずはこれからだ。
氷の剣で切ると肉も血も凍るし、魔力使うから疲れてしまう。
唐揚げの調味料だけじゃなくて、よく切れる包丁も欲しい。
だけど、物を買うにはお金がいる。現在の所持金だと厳しい。
カッコいい魔法の練習するついでに、魔物倒してお金稼ぎだ。
ここの魔物達には僕の美味しい唐揚げの為に尊い犠牲になってもらう。
両手を合わせて食べる前と後に感謝するから、それで許してほしい。
『…………』
折れてた。墜落した大鳥の死体の横に見つけたけど、僕の剣折れてた。
もう短剣ぐらいの長さしかない。
『まあいいかぁ』
ちょうど包丁が欲しかったから、この方が助かる。
大鳥の胴体の羽根をむしって、まずは血を飲んだ。
飲めば飲むほど強くはなれないけど、身体は元気になる。
大鳥の爽やかな血の甘さで頭がリフレッシュされた。
ヒゲ猫のピリッと刺激的な甘さとは違い、優しい味だ。
同じDランクの魔物でも、やっぱり種類が違うと味も違うらしい。
唐揚げに合いそうなのはヒゲ猫の方だから、もう一匹倒しておこうかな。
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